17.


「蜜柑〜v」


会社の更衣室で一美が抱きついてきた。
私は驚いて飛び跳ねる。


「最近変よ。彼氏できたでしょ」

一美はそう言って笑った。

「へ!?え!?どうして?」

うあ。声が裏返ったー…。

「ん。なんとなく。これでも、ずっと蜜柑と腐れ縁なのよ?私」

一美が言うと、あたしは少し笑った。



でも、飯島明久は彼氏じゃない。
だって、あたしたちは、そんな関係になれるわけがないんだ。



あたしが勝手に好きなだけなんだ。



飯島明久は、ネコを拾っただけ。
ネコがご主人様に恋をしても。
叶わないって知っているから死ぬまで片思いなんだ。