24.


「起きたか、寝坊だぞ」


飯島明久の声で驚いて目が覚める。



「やっ!?え?!もうこんな時間っ!!っつ…!!!!?」



痛い。
凄くあそこが痛いんですけど…?!



「無理すんな。連絡はついてる」



飯島明久が言って。

そうだ。
あんなことがあったんだ、なんて妙に再認識してしまった。


「あ…、…飯島明久こそ仕事は?」


「そんなこと気にするな」
「そんなことって…」


あなた、次期社長でしょう?


「…あぁ、今年は休日も何も使ってないんだ。休日消化するのに丁度いいだろ。ほら、まだ寝てるか?」



「ううん、もう寝つくしました」



「そっか」



飯島明久が笑って。
あたしも思わず笑ってしまった。




「蜜柑、何か食べに行くか」



「…はい」



そんな幸せそうな顔で。
微笑まないでよ。




…つられちゃうじゃない。




玄関には、あたしの靴がおいてあった。
片方だけのあの靴が。



「あ、この靴」


「あぁ、それな。蜜柑が俺にぶつけたやつ」


い、意地悪。




「その節はすみません…」



「もう片方も持ってきたんだろ?」
「はい」


あたしは、ダンボール箱に入れっぱなしだった片方の靴をはいて。


そして、飯島明久に当ててしまった方の靴を履く。



「ピッタリ」



「当たり前だろ」



「やっと分かった」



「なにが?」







「んー。…秘密です」


あたしはそう言って笑った。










シンデレラは、きっと。
まるでジェットコースターみたいに恋に落ちたんだ。



優しく優しく愛してくれる。



大切な人に巡りあえたから…。