『幸せの扉』
第9話『幸せの扉』
0.
「ここだよ」
「ここ…か」
「そう」
「健ちゃん…」
私はその場に座りこんだ。
あれから…何日かして、私は、先生と、あの『事故現場』に来ていた。
ここは、先生にとっても、私にとっても…
辛い場所。
「ゴメンね…。健ちゃん…!ずっと、一人ぼっちで…。
健ちゃんのところに居てあげられなくて…」
「健ちゃん…。ゴメン…」
私はそう言って花を手向けた。
そして、手を合わして、顔を上げると、
「健ちゃん……。ありがとう。
大好きっていう気持ち、教えてくれてありがとう。
人を好きになること教えてくれて…ありがとう」
と、言って、涙を少し流しながら、笑う。
先生は、近くに、ずっと付いていてくれた。
1.
帰り道。
私達は2人で歩いていた。
「ど〜すんの?これから…」
先生が私の手を取って言う。
「そうだなぁ〜…」
「先生」
「なんだ?」
「私…ね」
「…ん?」
「先生のそばに…」
私は一呼吸置くと、
「…居たい」
と、言った。
先生は、ふっと笑うと、
「ず〜っと、居ろよ」
と、言って私の肩を抱き寄せた。
「うん」
私は笑って答える。
そして、私は言った。
「それでね…」
6年後
「やだっ…せんせっ!」
「何言ってんだよ?今更」
「だって…」
「ちょっと、我慢しろよ?」
「やっ…それは…」
「ほら。いくぞ?」
「やぁ……!いたっ…ぁ!」
「こら!目つぶってちゃ、練習にならないだろ?」
先生はそう言って、怒った。
「だって〜〜〜」
私は涙目。
だって…
注射は苦手なのよ〜〜〜!!
私は、なんと…
看護婦になったのだった。
看護学校に、4年間通って。
卒業しました。
ちゃんと、看護婦の資格も取った。
しかし…
私は、注射が苦手だったのだ。
全然…下手で…。
するのも、されるのも、苦手な私。
「こうだよ?この角度。分かった?」
「う〜〜〜」
「泣くなよ?」
「だって…痛いんだもん!」
「一番痛くないようにやったんだぜ?」
「うぐ〜」
「も〜…」
先生は頭をポリポリ掻いた。
「それで、良く卒業できたなぁ…」
「う…うるさぁい!」
まぁ、学科のほうは悪くはなかった。
看護学校の先生方にも、少し心配されつつ、卒業。
「先生…ごめんね」
「ん?まぁ……いいよ。でも、注射だけ、こうやって、毎日練習しような」
「うん」
「それより…」
先生はチラッと私を見た。
私は、上から下まで、少しピンクがかったナ〜ス服を着ている。
先生が、卒業と同時に準備してくれたものだ。
「お前が、ナ〜ス服着ると、高校生がコスプレしてるみたい…」
「う…うるさ〜い!!昔よりは成長したよ〜っだ!!」
昔は、小学生だの、中学生だの言われてたけど…。
今は、中学生だの高校生だの…。
あんまり変わってないけど、少しは成長したはず…。
「似合ってるよ」
「そう?ありがと」
私は、笑った。
そりゃ、誉められるのは嬉しい。
誉められて、気分は悪くならないでしょ?
「でも…」
「ん?」
「その格好じゃ、襲いたくなる」
「……」
数秒置き、私はようやくその意味を理解したのだった。
「な、な、な、何言ってるのよ!?」
私はとっさに身をひく。
先生はそんな私を見て笑うと、少しずつ距離を縮めてきた。
「近づいて来ないでよ〜〜〜〜」
「いいだろ?卒業試験やなんやで、ここのところ、全然っ!してないんだから。
それで、そのナ〜ス服だぜ?どう我慢しろって言うんだよ?」
先生は勝手な理由を並べる。
「服は、先生が注文したんでしょ!?」
「まぁまぁ」
「んふぁ…」
先生のキス。
私は簡単に力を抜いた。
「えっ?」
先生は、私を軽々と持ち上げると、白い…少し小さなベッドに向った。
消毒液のにおいが鼻につく。
「せんせ…」
「嫌って言っても無駄だぞ?」
先生は簡単に念を押す。
「ちがっ…!あの…服…シワになる〜〜」
「あ〜…大丈夫だよ。何着か予備があるから」
意外な答えに私は、ビックリした。
「…は!?」
なんと言うか…。
準備周到だなぁ…。
「だから、服、着たままでできるぞ?」
先生は嬉しそうに笑う。
「ちょ、ちょっと!!!何、変態発言してるのよ!!?…んむっ」
また、キスで口を塞がれた。
服の上から胸を優しく触る右手。
頭を撫でる左手。
大きな肩のライン。
たくましい腕…。
全部が…大好きだ。
「んっ…」
酔う様に目を瞑る。
すぐに、右手は下着の上に辿りついた。
「あんっ…」
私の体は敏感にも、正直にも、簡単に反応してしまう。
「お前も我慢してたんだろ?」
先生は、もう濡れているソコを嬉しそうに撫でながらそう言った。
「う…」
だって…確かに…
最近…ここ1ヶ月ほど、全然してなくて…。
先生が、大学に頻繁に出入りするようになったから、あんまり時間も取れなかったし…。
もちろん、それに、私の卒業試験が重なったことはいうまでもない。
先生は、下着の端から指をいれ直接触った。
「あっ!!んっ…ふぁっ…………」
「う〜ん…敏感敏感」
先生は笑う。
「ばかぁ…っ」
「ふ〜ん?そんな事言うの?」
「へ?」
「ぁん…」
下着を取り、クチュと、その部分に指を入れ、すぐに引き抜く。
先生は、私の目の前にその指を持ってくると、
「ほら。これなぁに?どうしてこうなったわけ?」
と、言った。
指の間で、光る液体。
窓から入る明かりが、それを余計に存在づけていた。
「えっ…?」
「苺は、『バカ』な人に触られると、すぐグチャグチャになっちゃうんだ?」
そう言って、また指を入れる。
内部で指が動く。
「ぁ……!んっ…んはぁっ……・」
少しでも指が動くたびに、耳につく…音。
「ほら、どうして?どうして、ここがこんなになるの?言ってみてよ」
先生は又、指を引き抜く。
「せんせ…が…・上手い…から」
私は、ありがちな理由を並べた。
先生は、それを聞いて笑うと、次は、私の目の前で、その指を舐めたのだった。
「ひゃぁ!」
「ん?どうしたの?」
先生は、その行為で、余計に溢れ出た愛液を見て笑って言う。
「今は、触ってないのに。感じちゃったのか」
「う…」
先生は、美味しそうに又舐める。
「…ぁ!」
「もう、ここ、凄いぞ?」
そう言って、濡れた内股を触る。
次は中心に触れない様に…。
「あ…」
私はそれが物足りなかった。
こんな、事考えるなんて…。
私だって…相当、Hだ。
「せんせ…」
「なに?」
「あの…えっとぉ…」
「何かな?」
先生は分かっているのだろう。
笑いながら、内股だけを撫でる。
「うぅ…あのっ」
「なんだよ?」
「さ…触って…よぉ…」
私は、精一杯…声を出して言う。
「触ってるじゃないか」
「ちがっくて…」
「…ドコに?」
「あのぉ…」
「ここ?」
先生はそう言いながら、胸を触る。
「あんっ!」
「ここだな?」
「んっ…!あんっ………・ちが…」
「違うの?こんなに、良い声だしてるのに?」
そう言って、突起の部分を摘む。
「はぁ…ん」
「どこだよ?ここか?」
先生は嬉しそうに言う。
そうして、下半身の中心に指を置く。
「んっ!」
「ここだよね?」
私の中に…先生の指が2本…入っていく。
「んっ!はぁ………うん…・」
私は頷いた。
「せんっせ…」
「もう、だめ?さすがに早いな」
先生は、クスっと笑う。
「先生…!やだっ…せんせ……きて……・・」
私が真っ赤な顔で言うと、先生は笑って頭を撫でると、ベルトを簡単にはずす。
そして、またその部分に触れると、
「もう、充分だね?」
と、言って、腰を沈めた。
「はぁ!…ん!!!」
「せんせ…」
私は先生を抱きしめた。
「かわいい」
先生はそう言って、私の体にキスを落としていく。
「ふぁっ…んっ!!くっ……・・」
「先生…好き………・・」
「俺もだよ」
先生のその言葉を聞いて、私は、安心して笑った。
私が『好き』って言って…
その相手も、私のこと『好き』って、言ってくれて…。
これ以上幸せなことなんてないって…。
そう思う。
「んっ…・あんっ………・!」
「んはっ…」
「せんせ…!」
「俺ももう限界かも」
「せんせ…!!」
私は先生の体をギュット抱きしめた。
先生も、それに答える様に私の体を抱きしめる。
先生は、少しおくと、奥まで突き上げる。
私も先生も、すぐに絶頂達してしまった。
少し冷たい風が、白い小さなベッドを通っていく。
私は横に寝ている先生に抱きついた。
「ん?」
「こうして……寝て良い?」
「別に良いけど…。我慢できそうにないなぁ」
先生はそう言うと、苦笑した。
「も〜!そんなことばっかり言って!!」
「しょうがないだろ?そ〜ゆ〜もんなの」
先生はそう言って、ため息をついた。
私は先生に顔をうずめると、
「……ちょっとだけ…でいいから、このまま。動かないで」
と、言った。
「…どうした?」
「もう、どこにも行って欲しくない」
「行かないよ」
「急に…好きな人が目の前から消えるのが…恐い…の」
幸せで…。
あの時も、こんなに幸せだった。
でも、ある日…
急に壊れた。
幸せ。
先生は無言で、私をギュット抱きしめた。
私は、そのまま深い眠りについた。
ピンポ〜ン…
玄関のチャイムがなる。
私は、ばたばたと走った。
玄関の扉を開けると、先生が立っていた。
「どうしたの?」
「迎えにきた」
「は?」
「一緒に行こうか」
「…って、病院まで、5分もかからないじゃない」
「いいだろ?」
先生はそう言うと、笑った。
私もそれにつられて笑う。
「先生」
二人で歩く、5分間。
私は、ユックリ歩くようにしている。
「なんだ?」
「私の今住んでる家に、前に住んでいたのって…先生の両親なんだって?」
「聞いたのか?」
「うん」
「俺の両親が昔住んでた家だよ」
「どうして、隠してたの?」
「別に隠してなんていないよ」
「うそ。もしかして…幽霊が出るとか…!?」
私がそう言うと、先生は耐え切れないといった風に吹き出した。
「はぁ!?お前は…看護婦なのに、そんなに非科学的なことを信じてるのか?」
「だって〜〜〜」
先生は、少しすると、上を向いて、言う。
「俺にとっては、辛い思い出しかない家だからな…」
そして、続けた。
「俺は…ずっと、入れないで居たよ。あの、苺が熱を出した日に、
両親が亡くなってから、初めて入ったんだ」
「そう…なんだ」
「お前が居たから…色々、乗り越えられたよ。辛い思い出も
楽しい思い出に変えてくれて…」
「う…。なんか、先生に言われると…気持ち悪い…」
「なんだよ!?」
「うそうそ」
私は、笑った。
「着いたぞ」
先生がそう言う。
目の前には、神田医院。
なにもかも…
ここから始まった。
私は神田医院の扉に手をかけた。
少し古びた、木の扉。
これが、私にとっての『幸せの扉』。
―――中には『幸せ』が待っているから。
END
