『大切なもの』
第1話『世界が回る日』 0. 「こらっ!また、お前か!」 大きな声が警察署内に響く。 ここは、小さな町の警察署。 そして、怒られているのは、私、 村岡 知野(ちや)。 中学2年生。 「えへへ〜」 私は、怒られている相手を見て、笑った。 「笑い事じゃないだろ〜!?一体、ど〜してそう…」 と、頭を抱えているのが、新米警官の三枝 俊彦さん。 私が、よく、お世話になっている。 警察にお世話になる…という意味のお世話…だが。 「だって…」 私は、下を向いた。 「ど、どうしたんだ?」 三枝さんが、覗きこんできた。 「うっ…うっ……」 私は、眼を押さえて泣く真似をした。 予想通り、三枝さんは少し慌てた。 『毎回この手なのに、よく、ひっかかるわね…』 と、私は、少し違うところで、感心する。 「も〜、い〜んじゃないか?本人も深く反省してるようだし…」 と、助け舟を出してくれているのは、三枝さんの上司、加納 庄司さんだ。 少し、おじいさん風の、落ち着いた感じの人。 加納さんの言うことには、三枝さんも、逆らえず… 「全く…。少し甘いくないですか!?…まぁ、じゃぁ、今日のところは、もういいよ。これからは、絶対、こんなことするなよ?」 と、困った様に言った。 私は、ニッコリ顔で、三枝さんを見ると、 「はいっ」 と、元気良く答えた。 1. 「ど〜して、あの子は、いつもいつも…」 三枝は、知野が帰った後、愚痴をもらしていた。 「まぁ、あの子も…色々あるんだよ」 加納は、分かっているというような感じで、三枝に言った。 「何か…あるんですか?」 三枝は、少し眉をひそめて聞いた。 「なぁ、三枝…。この街で、3年前にあった、殺人事件…知ってるか?」 「知ってますよ。あの時は、大騒ぎでしたからね。容疑者は…確か…」 「村岡 峻(たかし)」 加納は、そう言ってタバコに火をつけた。 「そう。その人です…。村岡って…」 「さっきの子のお父さんだ」 「確か、まだ、裁判中じゃないですか?」 「そうなんだよ。まぁ、今までの傾向から言って、無期懲役あたりになる… と、思うんだがな…」 「はぁ…。まぁ、そんなところでしょうね…」 「それに…」 「何ですか?」 「あの子な…たぶん…と言っても、9割型、母親に虐待を受けてるよ」 「虐待!?」 「前にな、お前が来る前に捕まえた時、その時は夏だったんだが…。 腕のいたるところに殴られた痕や傷があった。たぶん…体にもな…。 水泳の授業には絶対出ないらしい。 近所の人も、夜中に母親の騒ぎ声が聞こえる、と言っている」 「どうしてそんな事知ってるんですか?」 「ちょっと、前に調べたんだよ。事件として取り扱えれば、母親を逮捕できるしな。 でも、どうも、それを立証できるものが無いんだよ。 あの子が、自分で言ってくれて、殴られた痕でも見せてくれるなら、 いくらでも、事件として取り扱えるんだけどな…」 「言わないんですか?」 「たぶん、もう、肉親が捕まるのが嫌なんじゃないかな…」 加納は、窓に目を向けた。 「で、でも、母親に受けてるかどうかは…わから無いんじゃ…」 「まぁ、それは、断定しにくいがな。少なくとも、俺はそう思ってるよ」 「母親って、どんな人なんですか?」 「ホステスをやっていて…援助交際の斡旋もしてるよ。もちろん、自分の娘にもさせている」 「あ、あの子、中学生でしょ!?」 「まぁ、あくまで、噂でしかないんだ。でも、真実性の強い噂だ」 「そこまで、分かっていて、動けないんですか?」 「現場を押さえられない。物証が無い…。それじゃ、動けないんだよ。日本の警察は…」 加納は、少し悲しそうな顔をした。 「嫌ですね…」 三枝は、唇をかみ締めた。 「もう、辞めたくなったのか?」 加納は、からかうように言う。 「ち、違いますよ〜!…俺、人の役に立ちたくて…この仕事についたのに…。 中学生の女の子が苦しんでいるのも、端から見ていなくちゃいけないなんて…と思って…」 「まぁ、そう、気に病むなよ。三枝も、あの子の役には立ててるよ」 「どこがですか…?」 「あの子、たまに変な…安物をわざわざ捕って捕まるだろ? あれは、誰かに見てもらいたいんだよ」 「そうですかね?」 三枝は、疑う様に言った。 加納は、 「俺は、あの子が子供の頃から知ってるんだぞ?」 と、言ってから、間を置いて、 「昔は…あんな子じゃなかったんだけどな…」 と笑った。 2. ある日、三枝さんは、夜の町を自転車でパトロ〜ルしていた。 と、歩いてる女の子が1人。 「どうしたんだ?こんな時間に…」 と、顔を見に行くと、その子は、知野だった。 「あ、三枝さん」 私は、三枝さんに気付くと、何事も無いように言った。 「こんな時間に、何、ウロウロしてんだ?」 「ちょっとね」 私は、少し笑って言った。 「ふーん…」 『そーいえば…』 と、三枝は加納から聞いた事を思い出していた。 私は、何かいつもと違う目をする、三枝さんを睨んだ。 そして、この目が、何を意味するのかも知っていた。 「何か聞いた?」 「えっ?」 「あの、加納さんによ。私のこと」 「いや、別に…」 と、三枝さんは目線をついそらしてしまっていた。 「嘘ついても無駄よ。三枝さん、顔に出やすいんだから。 今、ちょっと、同情の目で、私を見てたわ。それに今、目を逸らした」 「そ、そんなこと無いよ」 「三枝さんも、他の大人と一緒ね」 と言うと、私はため息をついた。 三枝さんが、言葉を失っていると、 「じゃあね」 と、言って、私は歩きだした。 「ちょ、ちょっと、待ちなさい。こんな時間に危ないだろ?送って行くよ」 と、三枝さんが私の後を追って言う。 「いいわよ」 「家まで送るよ」 「いいってば。今日は、家に帰らないから」 と、私は三枝さんを睨んで言った。 「どうして…?」 「知ってるんでしょ?私が、援交してるって。これから、相手のおじさんに会いに行くの」 「な、何言ってるんだ!?」 「何って…。もしかして知らなかった?まぁ、いいわ。じゃあね」 そう言うと、私は歩き出した。 「待てよ!」 三枝さんは、私の腕をつかんだ。 「いたっ!」 「そんな事聞いて、行かせると思うか?」 と、三枝さんは、いつもと違う真剣な目をしている。 「だって、私、お金稼がなきゃならないの。なんなら、三枝さんが買う?一晩」 と、笑って言ってやった。 三枝さんは、少し言葉に詰まったが、 「…いいよ。今日は、このパトロ〜ルで、終わりだしね」 と言った。 これには、私も驚いた。 『絶対、焦ると思ったのに…それに…、この人…、警察官じゃないの!?』 3. 「ちょっと、待ってろよ」 と、三枝さんが言った。 私は、三枝さんと一緒に警察署まで来ていた。 そこには、加納さんがいた。 「どうしたんだ?また何かやったか…?」 と、加納さんは楽しそうに言った。 「別に…」 「そうか」 と、言うと、加納さんはまた笑った。 『何が面白いんだか…。加納さんは…』 と、私は不思議に思った。 「じゃあ、行くか…」 三枝さんが私服に着替えて戻ってきた。 いつもと、違う感じだ。 制服を来ているところしか見たことが無い。 『ちょ、ちょっと、格好良い…じゃない…』 と、私は思ってしまった。 「お先に失礼します」 と、三枝さんは加納さんに言うと、私を連れて警察署を出た。 4. 「どこ行くの?」 私は、三枝さんの車の助手席に座りながら聞いた。 「俺の家だよ」 「ねぇ、警官って…こんなこと黙認してもいいの?」 「俺は、今だけは、警官じゃないよ」 そう言うと、三枝さんは笑った。 5. 三枝さんの家は、新築のマンションの3階だった。 「警察官って給料良いのね」 「そんなことないよ」 「そう?」 私は、何故だかいつもより、人と話している気がした。 いつもなら…こんなに、話したりしない。 商売でも…ね。 まぁ、気のせい…か。 相手は、警察官だよ…? 3階の一室に入ると、部屋に空気が抜けた。 「どうぞ」 三枝さんは、私を先に部屋に入れる。 「あ、どうも」 私は、普通のお客さんのような、態度をとってしまった。 部屋に足を踏み入れた瞬間、胸がドキドキしてくる。 『私、もしかして、緊張…してる?…いや、まさかね…』 なんでもないと、自分に何度も言い聞かせた。 「どうしたの?」 と、背後から、三枝さんに声をかけられる。 「あ、あぁ、ゴメン。ちょっと、ボヤっとしちゃった」 私は、笑って誤魔化した。 それから、三枝さんに押されるように部屋に入った。 6. 『冷静に、冷静に…。ただの客よ。ただの客。それに、警察官でしょ…?私の嫌いな…』 と、私は自分に言い聞かせていた。 心を冷静に保ちたかった。 「あ…あぁ…、えっと、どうします?先にシャワ〜貸してくれるとありがたいんですけど…」 私は、三枝さんの服を見ながら言った。 「一緒に入ろっか」 三枝さんは、照れることなくそう言う。 私は、つい三枝さんの目を見てしまった。 それることの無い目。 大きくて、綺麗で…吸いこまれそう。 私は、つい目をそらしてしまった。 まぁ、こ〜ゆ〜要求も今まで何人かあったし、慌てることも無いんだけど…。 いつも、見てる三枝さんが相手なだけに、違和感を覚えた。 普段、こんなことを臆面もなく言うキャラでは、無いことはよく知っているからだ。 7. 「いいわよ?」 私は、できるだけ、平静な声を出した。 少しでも、動揺してることを知られたくは無かった。 「じゃあ…」 というと、三枝さんは、私の服に手をかける。 「あ、あっち脱ぐんじゃないの?」 「ここで、脱がしたいの」 と、ニッコリ笑って答えられた。 電気が点いている中、部屋の中央で、脱がされて行く行為が、凄く恥ずかしく思えた。 三枝さんの表情は、何一つ変わらない。 私は、口が勝手に動いた。 「あ、あの、どうして…」 「ん?」 「どうして、買ったの?」 「なんとなく…ね」 「こ、こんなことして良いの?」 「ダメだろうな。でも、二人とも悪いことしてるから、二人が黙っておけば大丈夫だよ」 と、言った。 おいおいおいおいおいおい!! それで、いーのか…。 本当に…。 そんなことで、頭を少し悩ましていると、いつのまにか、キャミソ〜ルと、スカ〜ト姿になっていた。 三枝さんは、私の肩に最近ついたキズに手を触れた。 「いたっ。ちょっと…何するのよ?」 「これ…母親にやられたのか…?」 三枝さんは、私の体の所々にある傷を見て言った。 「何で…そのこと!?……」 と、言いかけて、口をつぐんだ。 そして、すぐに、 「ち、違うわよ。援交相手にね…。危ない商売なのよ。 つきまとわれたりすることもあるし」 と、訂正をした。 8. 「本当のことを言ってくれ」 三枝さんは、辛そうな顔をしていた。 同情の顔…?ううん…違う。 何で…この人に…心配されなきゃならないのよ!? 警察なんかに…。 「言ってどうなるのよ?私はね…警察が一番嫌いなのよ!警察の言う事なんて、信用しないの」 「何で…?」 「警察は、嘘しか言わない。地位だけの為に…警察の名誉だけのためにしか動かない。 裏では、悪いこと…たくさんしてるわ。 現に、あなただって、口先では、『市民の安全を守る』とか言っちゃってるくせに、 中学生と援交しようとしてるじゃない?」 「こ、これは…君の話を聞きたかったから…」 三枝さんは、言い訳するように言った。 「話?何の話よ!」 「この、傷についての話さ…。君は、なかなか、自分から言わないからね…」 「そのために買ったの…?おかしいんじゃない?」 「おかしいかな…」 と、三枝は、頭をかいた。 「言わせてどーする気よ?また、捕まえるの?」 「そ…それは…」 「警察も、私の言う事なんて信用しないわ。…それで…それで良いのよ」 「そんなこと無いよ」 「また、嘘ついてる………」 私は、そう言ってから、言うのをやめた。 話をこれ以上進めたくなかった 9. 「私……こんな無駄話するために、ここに来たんじゃないの!Hするためよ!!するの?しないの!?」 「何で…」 「どうなの?もー、いいんなら、私、他の人の所に行かなきゃならないの。あなたと違って、暇じゃないから!」 「他の人って…援助交際相手か…?」 「そうよ。文句ある?」 「あるよ!何で…そんなことするんだよ!どうして…」 「理由なんて…お金よ、お金。それ意外に何があるの?」 「何で、お金がそんなに必要なんだよ…」 「あなたに、言う義理も無いわ!そんな事より、どーなのよ?どーすんの?するの?しないの?」 「す…するよ」 三枝さんが、決心した様に言った。 「じゃあ、さっさとしましょうよ」 私は、三枝さんの首に腕を回した。 10. そして、軽くキスをする。 それから、ディ〜プキスをした。 舌を絡ますと、三枝さんも返してきた。 「ふぁっ…んっ……」 と、合間に声が漏れる。 それから、私は三枝さんの体の所々にキスをしていった。 これも、言うなるサ〜ビスである。 いつもする…、ね。 服を脱がしながら、キスをしていく。 『どう?』 とばかりに、三枝さんの顔を見た。 その瞬間、目が合った。 三枝さんは、顔を近づけてきて、キスをしてきた。 「んっ…」 送りこまれてくる、唾液を飲みこむこともできないくらい、強く、強く…。 キスをしながら、三枝さんの手は、私の胸を包んだ。 あんまり大きくは無い胸。 右と左のバランスが、どうも悪い。 どうしても、左胸のほうが大きい。 三枝さんの手は、大きくて…温かくて…少し安心できる。 他の客と…何か違う…。 私は、いつもと少し違う何かを感じていた。 三枝さんの手が動くたび、体に電流が走ったみたいになる。 足が立っていられなくなってきた。 うそ…! 私は、今まで味わったことの無い感覚に襲われる。 おかしい…。おかしい…よ。 私の頭の中は、パニック状態に陥っていた。 三枝さんの手が、スカ〜トの中に、侵入してきた時、 「ちょ、ちょっと、待って…。先に…三枝さんに良くなってもらわないと」 と、慌てて言って、三枝さんの手を掴んでその動きを止めた。 「いいよ。別に…」 「良く無い!三枝さんは…お客さんだし……」 そう言ったのも、私は、 このままだと、何か、私がおかしくなりそうだ。 と、思っていたから。 「じゃあ、頼むよ」 と、言って三枝さんは照れたように笑った。 私は膝の所で座って、立ったままの三枝さんのズボンとパンツを簡単に脱がすと、ソレに手をかけた。 ソレは、もう、元気になっていた。 「あ…」 私は、つい目線をそらしてしまったのだ。 しかし、もう1度視線を戻して、まず、手で優しく触った。 そして、口にもっていき、勢い良く咥える。 口の中で、どんどん熱くなってきているのが分かった。 「んっ…ふ……う…んっ」 と、一生懸命舌で舐めた。 しかし、どんどん顎が疲れてくる。 私は、それを我慢して、ソレを口でさすった。 手も、シッカリ使って…。 喉の奥のほうまで入れて…。 「ふっ…うっ……」 と、三枝さんから声が漏れる。 「ほう…でふぅは?」 私は、その状態で、三枝さんを見た。 「その状態で…喋るなよ…」 と、少々文句は言っているけど、もう、ソロソロ限界の顔をしていた。 「もう……いいか?」 三枝さんが聞いてきた。 私は又もや、 「ふぁい」 と、変な返事をした。 三枝さんのソレが、熱く…大きくなって、はじけた。 結構、量が多くて、全部飲む前に、私はむせてしまったのだ。 「けぇっほ…けほっ」 「大丈夫か!?」 と、三枝さんは、すまなさそうに言う。 そして、私の背中を撫でた。 「だ、大丈夫だよ。ちょっと、みゅ、むせた…だけよ」 「そうか」 三枝さんは、そう言うと、キスをしてきた。 「ふっ…う…?」 ソレをしたあとに、キスされたのは初めてだ。 私は驚いた。 三枝さんは、そのまま覆い被さってくる。 服を全部脱がすことは無く、キャミソ〜ルとスカ〜トは、着たままだった。 急に、スカ〜トの下から、手を入れてきて、下着の上から溝をさする。 「やっ…んっ………」 私は、少しビックリして声を出した。 「ここ、濡れてる…」 と、三枝さんは、少し笑って言った。 そして、 「どうして?」 と、わざわざ意地悪く聞いてくる。 「そ…それは…」 私が声を出した瞬間、下着の横から指を入れてきた。 クチュ、と恥ずかしいくらい大きい音がする。 「あっ…!」 始めは1本。 そこに、突き立てられる。 「あっ……くぅっ……」 ただ、指を1本入れられただけなのに、気が変になりそうで恐かった。 次は2本。 ナカを動き回り、そのたびに水音が響く。 「いやぁっ……」 「嫌?嫌じゃないだろ?今まで何人ともヤってきたんだろ?」 と、凄い質問をしてきた。 「…」 私が答えられないでいると、 「答えないの?」 と、言うと、指の動きを余計に速める。 「はっ…あっ…!」 「いつも、こんなことを?」 と、三枝さんは質問を続ける。 「そ…あっうんっ………だけ……」 「何?」 と、言いながらも、全然動きを止めてくれない。 三枝さんは、指を引き抜くと、私の目の前に出した。 「コレは、何で?」 と、質問付きで。 三枝さんの指は、私の…で濡れていた。 「それは…三枝さんが…」 私が言いよどんでいると、 「何?言ってくれなきゃ、わから無いよ」 と言った。 この人は意地悪だ。 私の羞恥心をうまく引き出す。 「三枝さんが…う、上手いから…」 と、そこまで言うと、顔を下に向けた。 三枝さんは、フっと笑って、 「おいで」 と言った。 おいで、と、言われたのは、どうやら、三枝さんの膝の上だった。 「え?」 私は、三枝さんのソレが、もう元気になっていることに、すこし驚いた。 「おいでよ」 と、三枝さんはもう1度言った。 「あ…うん」 私は、足を三枝さんのほうに向かせた。 「この上座りなよ」 と、言われた。 上って…。 つまり、そ〜ゆ〜体位…で、したいわけ…ね…。 私は、少し戸惑ったが(他の客なら、これくらいで、戸惑ったりしないのだが…)、 三枝さんの肩を持つと、そこに、腰を少しずつ、沈めた。 「んっ……はぁっ………」 少しずつ、私の中に、三枝さんが入ってくるのが分かる。 それを、自分でしているのが余計恥ずかしさを覚えた。 三枝さんの肩にかけた、手に、力が入る。 三枝さんは、不意に私の腰を持つと、一気に下に降ろした。 「いたぁっ……んっ」 私は、つい少し叫んでしまった。 「動いてよ」 という、三枝さんの要求通り、私はぎこちなくも、動き始めた。 動くたびに、異物感が大きくなる。 それとともに、羞恥心も…。 「はあっ…んっ……」 私は、自分で動きながらも、大きな羞恥心の中に快感を見つけていた。 と、クルリと、方向が回転したと思ったら、三枝さんの顔が上になった。 「こっちのほうが、顔が見やすいしね」 と、三枝さんは、少し笑った。 正常位になったのだ。 私は、唇をかみ締めて、声を殺していた。 感じまくってる声…が、出そうなのを聞かせたくなかった。 普通の客なら、演技でもなんでも、声を聞かせたら喜ぶので、声を思いっきり出したりする。 でも…なんとなく、三枝さんには…。 すると、三枝さんは、キスをして、私の口をこじ開けた。 そして、 「声、出して良いよ」 と、意地悪く笑って言われた。 「はっ…あっ……んっんんっ…」 私は、三枝さんが、打ち上げてくるたび、どうも、感情のコントロ〜ルがきかなくなってくる。 声も自然に出ていた。 「イクよ」 三枝さんの声を聞いたとき、私はビクっとした。 三枝さんは、私の中でそのまま果ててしまった。 11. ベッドの上で、三枝さんが、私の背中に向かって 「ゴメン」 と謝った。 「…な、何が?」 「そのまま…」 「あぁ…それなら……大丈夫だよ。ピル飲んでるし…。病気とかは…持って無い…よね?」 「あぁ…。…?それより、どうしたんだ?」 三枝さんが、ずっと、背を向けている私を、コロンと、返して、顔を見た。 「やっ…やだっ……!」 私は、無意識に叫んでいた。 三枝さんは、少し驚いたような表情を見せた。 「ど…どうして、泣いて…!?もしかして、俺の…」 「ゴメ…違うの。三枝さんのせいじゃないの…」 「どうしたんだ?」 「別に…何も無いよ」 「言ってみろよ!」 三枝さんは、怒鳴った。 「やだっ。別に何でも無いよ。ただ、勝手に出てくるの…。やだね。変だ。私」 そう言うと、私は、拭いても零れ落ちてくる涙を何度もぬぐった。 本当に、この涙の意味が自分でも分からないのだ。 恐かったのも、あるかもしれない。 一瞬、自分が…自分で無くなりそうだったから…。