僕と自転車
僕は自転車が好きである。どれくらい好きかと言うと、愛車の各パーツ、工具などに愛称をつけて、呼んでいるくらいだ。
バルブはマサシ、タイヤはヤマモト、チューブはヨネ、ドライバーはシタクボ、タイヤレバーはスエ、リムはイイジマとそれぞれ呼んでいる。
例えば、僕流のパンク修理の仕方は――。
@ マサシの金具を外す。
A スエをヤマモトとイイジマの間に差し込んでヤマモトを外す…スエの先でヨネを痛めないようにする。
B ヨネにマサシを付け、空気を入れてパンクの穴を探す…見つからないときは水に入れて探す。
C 穴のまわりを紙ヤスリでこする…直径4センチぐらいで、貼るパッチゴムより大きくする。
D ゴムノリをヨネに塗る…手早く均一に塗り、2〜3分ぐらい乾かす。日陰の風やほこりのない所で乾かす。
E パッチゴムを貼る…銀紙をはがして、穴の中央部に貼り、木槌やシタクボの頭などですみずみを軽くたたく。
F 空気をいれ、もれがないか調べる。
G ヨネをヤマモトへ戻す…ねじれないようにする。
H ヤマモトをイイジマへはめる…マサシの反対側から親指で押し込むようにする。最後の15センチぐらいはスエで押し込む。
I マサシの金具をしっかり締め、空気を入れる…ヤマモトとヨネのかみ合いをチェックする。
――と、まあこんな具合だ。ざっと見た感じでは、新手の変態SMプレーのようだ(しかもかなり痛そう)。こんなこと口ずさみながら作業をしていると、通行人などに危ない人と思われるので注意している。
もちろん全部嘘さ。
(『烏合の衆』より抜粋)