飽き



 近所の犬の声で目覚め、体を起こそうとすると、痛みを感じた。
 体の節々が痛い。昨日、飲みすぎたのが悪かった。 ま、今日は休日なので問題ないが……。
 体が痛いと動かすのも面倒で、小説でも読もうと頭の上を探ったが、 目覚まししかない。あたりを見渡すと、机の上にあった。
 少し離れていて、手を伸ばしても届かない。
 あきらめて2度寝しようとするが、眠れない。
 仕方なく、ベットから出て本を手に取る。
 その時、少し前にあったドラマのセリフを思い出した。
「本当に手に入れたいなら、自分から取りに行くのよ」
 ……安っぽい言葉だ。
 人間、泣けるほどの大恋愛したって、その後飽きる事だってある。
 そういんもんだ。実際、先ほどまで気になって仕方がなかった この本を、今は全く読む気が起きない。
 座り込み、本を机に置き直すと、テレビのリモコンを付けた。 そのうち、これも飽きるだろう。
 ふいに、ケンカ中の彼女の顔が浮かんだ。
――告白したのは、俺の方からだったのにな。
 彼女に対しての恋愛感情はもう、無くなっていた。



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