ネコ

両親から電話がかかってきた

実家で飼っている猫が病気になったらしい

もうかなりの年寄り猫だから家族も心配らしい

そんな話を聞いたせいか以前飼っていた(というか暮らしていた)猫を思い出した

ヤツとの出会いは偶然だった

ヤツはどこかの家に飼われていた猫

一人での散歩の途中に我が家に迷い込んだ

ヤツは我が家が気に入ったらしくそのまま住み着いた

両親も動物好きなのでヤツが住みつくことに関してはなんの問題も無かった

それでも一週間のうちの2日ぐらいは帰らない日が有ったのだから

我が家は相当、ヤツにとって住み心地が良いらしい

動物好きの両親は当然、ヤツを可愛がる

俺には弟がいるのだが、こいつもかなりの動物好きでやはり可愛がる

そういう俺はヤツと距離を置いて接していた

別に猫が嫌いなんかじゃない

ヤツを異常なくらいに溺愛する両親や弟になじめなかっただけ

中学生・・・多感な時期だった

ヤツは溺愛する両親や弟より、興味を持っていなそうな俺に近づき始める

四六時中かまわれることに嫌気がさしていたのかも知れない

寝るときにヤツを自分の布団に入れるため取り合いしている連中を横目に、

何故か俺の布団に入ってくる

そんなことが毎日繰り返されていくと俺の中にもヤツに対しての愛情が沸いてくる

一緒に寝たり、自分のおかずをヤツに与えたり

甘えたいときにヤツは甘え、俺もそれに答える

お互いにあまり干渉しない、一緒にいたいときに一緒にいる

ヤツと俺との関係は深いものになっていった





幸せなんて長続きしないものなのか?





ヤツは病気にかかった。それも重い病気

後で聞いた話ではこのときにほとんど駄目だったらしい

次第に弱りきっていくヤツ、もう自分の足で立つことさえ出来ない

いや、自分では立とうとしているのだけれども

腰に力が入らない、足が小刻みに震えている

見ているのも辛かった

それでも俺は看病を続けた

ヤツの好物を毎日、与えたりした

日に日に食欲も無くなり弱っていく





そして





ヤツは逝った・・・・・





あれから何匹か猫を飼ったけれども

ヤツ以上に愛した猫はいなかった

多感な時期に突然現れて突然去っていった

それだけ印象が強かったのかも知れない

実家の猫も早く良くなって欲しい

そう思いながら電話を切った



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