Mr.研修医!

第二話
 手術は中盤にさしかかった。院長も凄く久し振りのオペのせいと、年のせいで疲れ始めていた。

 そんな、みんなが疲れだした時事件は起きた!患者から大量の血が吹き出してきたのだ!

 院長はすぐさま止血をするが、血はいっこうに止まらなかった!看護婦たちは慌てた。

 そしてその時心電図が、ピーーっとい音をだした

「先生!脈が、、、止まってしまいました、、、」

 看護婦は全員落胆した、だが院長だけはまだあきらめていなかった。

「心臓マッサージだ!はやく手伝え!佐藤!」
 
 院長は療治を睨み、叫んだ!しかし、療治はまたもがたがた震え出していた。

「いいか、君は医者なんだ!だったら目を背けるな!最後まであきらめるんじゃない!」

 療治はその院長の言葉を聞き、この人は俺が目指している理想の医者と同じだ!俺はこういう医者になりたい!

 療治はそう思いふたたび我にかえることができた!その後心臓マッサージはうまくいき、患者は蘇生した。

 その後の手術はうまく進み、患者は助かった。

「先生!ほんとにありがとうございました!」

 患者を担いで来た男は、深々と頭を下げた。そして院長は満面の笑みをして言った

「もう大丈夫ですよ。」

 療治は院長の素晴らしさ、そして自分の情けなさをしみじみ感じたのだった。

 その後患者は外科の病院に移り、元気になって現場復帰をしたのだった。

 手術があった日の夜、療治はある決意をして院長に話した。

「自分はまだ未熟です。だから、これからは院長のようになれるように、がんばりたいと思っています。」

 それを聞いた院長は、うれしくなった。

「そうか、たが今日の君を見て感じたんだが、君は外科が向いている気がするんだ。たしかに今日はおどおどしていた部分もあった、

 だが立ち直ったあとの君は、ああいう緊迫したなかでものすごい勢いで成長した!君はここで埋もれていてはいけない!」

 院長は療治にそう言った。それを聞いた療治は、急に静かになった。

「、、、実は、俺医科大学では、外科を目指していたんです、でもある事件がきっかけで、外科になるのをやめることになったんです。

 すいません。」

 療治は申し訳なさそうに言った。しかし院長はまだ諦めていないようだった。

「一体なにがあったんだ?、、、教えてくれないか?」

 療治はゆっくり話し出した、、、

「俺が医科大学にいたときのことです。

 あの日、俺は学校で勉強していたんです。当時は外科を目指していました。

 その時、急に地震がきたんです。震度5の大きな地震、まわりのみんなはパニックになりました。

 その時、近くの工事現場は、地震により重傷を負った人が大勢救急車で運ばれてきたんです。院内は急に慌ただしくなりました。

 なかにはもう死んでいる人もいました。、、、人手はすぐ足りなくなり、急きょ、研修医になりたての僕も、狩り出されたんです。

 、、、手術室は戦場でした、床は血だらけ、患者の数は一向に減らない、、、でも、すこしでも多く人を救いたかった、、、

 無我夢中で治療していたとき、一人の男性が運ばれてきました、おそらく、地震のせいで作業場から転落し、

 たたみかけるように崩れてきた建物の鉄骨を受けたんでしょう、、、顔は誰かわからないぐらいに怪我をしていました。

 僕は、この患者が助かる確立は2割ぐらいだろうと判断しました、今忙しくて他の大勢の負傷者もみなくてはいけないのに、

 助かる確立が低いこの人に時間をかけるわけにはいかない、そう思い痛み止めの注射をうって、

 ほったらかしにしてしまいました、、、。 次から次ぎえとくる負傷者をなんとか乗り切り、一段落してさっきの患者をみたんです。

 、、、すでに息はなかった。あとで身元確認をしたんですが、その患者は俺の父親だったんです。

 父は大工で、俺を医者にするために家計が苦しいのを無理して、僕を医科大学に進学させてくれました。

 僕は自分がほったらかしにした患者が、父親だとしったとき、不思議と涙がでませんでした。

 しかたないことだ、そうしなければもっと多くの人が死んでいたんだ、もともと助かる確立は少なかった、

 そう自分のなかでいいわけしていました、、、。でもそれからというもの、手術をするたびに体が震えてくるんです。

 頭の中は真っ白になり、体がいうことをきかなくなるです。

 だから俺は、手術をしない、人の死と隣り合わせじゃない耳鼻科の医者になったんです。」

 療治はほほに涙を流しながら語ったのだった、、、

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