最後の敵は216人。
「それで、師匠。本当の愛は見つかったか?」
再び日蓮(石渡直弼)に問われたその日、二匹目の『鵺(ぬえ)』が現れた。
「俺が一匹目の鵺ならば、二匹目は……当然コイツだよなぁ」
「……お前が、黒幕だったのか……!!」
まるで予想もしていなかったラスボス、そして過去最大級の戦争の始まり。
愛を知り、愛を求め『堕落』した自分以外の3人の延暦寺旧四天王。
そして新四天王、道元、法然、道鏡、円仁。
法隆寺十二神将の双璧、日光月光。発端となった御仏、伎芸天。
二つの寺の216人が堕ちて総白衣になり、紅い目に変わった瞬間
栄西の最後の戦いははじまった。
愛は暴力、愛は支配、愛は希望、愛は未来。愛は執着、愛は未練で愛は過去。
215種類の「愛」の形を、紺の法衣を着た栄西は1人で「否定」しなければならない。
「お前の清廉で私の愛欲を否定出来るものなら、してみてちょうだい」
「じゃあ聞くけれど。栄西、本当の愛って何? あなたは知っているんでしょう?」
……2つの寺は、いつもと変わらずとても静かだ。
誰もがまるで「今までどおりに」仲良く笑って幸せに暮らしている。
でも栄西は知っている。「自分」が堕ちた時。
何もかもが愛に押しつぶされて消える。愛に狂って全てが終わる。
「……たぶん、最初に空海が殺人を犯す。そこからは雪崩みたいに終わってしまう。
だから栄西。空海から。最強からぶつからなきゃいけない」
「最澄は? 最澄が止めてくれはしないのか」
「その次が最澄。空海の首を絞めて逆に殺されてしまう」
「っ……」
「えいさい、ないてるの? かわいそう。ジャネットの虫たべる? 虫、おいしい!」
味方は2人、自分は1人、出来るだろうか。
愛を理解出来ない自分が、全員の愛を壊して回ることなんて。
『栄西と216人の男達D.I.A.F』(栄西編/完結編)
最初は113人だった。今は219人で。
最後は1人で。
誰も愛さず、終わるのだろうか
「栄西。終わりだよ、お前のせいで」
『鵺』は鳴いた。どうしてだろう。
白いその鳥は自分と同じ顔をしていた。
栄西シリーズ最終ボス「栄西」
(2007年栄西1主人公投票第二位「黒栄西」)
「さあ、堕ちよう。お前もこちらにおいで」
「そうか……216人の中に、俺も含まれて、いるのか……!」
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