18.Q 仏教がことさら、諸行無常を強張するのはなぜですか?
A あらゆるものの生滅変化の中で、特に滅・死を深く心の底で捉えればそれが無常感です。近親の人の死、会社の倒産、リストラなどによって自我(我が存在)が不安定になる。その死への恐怖心が無常を感じ、宗教心を起こす。
無常観──→恐怖心──→宗教心──→修行──→解脱
古来、インド人の人生観や世界観には、この流れ、この考えがあったように思われる。
世俗的生き方の強い人にとってはこの無常感が、自己や自己の所有物に対する執着やおごりの心を取り去り、謙虚さや思いやりの心をおこす。出世間的生き方の強い人においてはこの無常感が、世俗を飛び出したい衝動にかられ、より強く宗教心が湧き起こり、そして解脱心に火がつくのだろう。
30年や40年生きていれば、一度や二度は大きな挫折はある。自殺を考えることがあっても当然だ。こんな時にこそ、背水の陣でことにあたれば、今まで考えられなかった人生が開ける。そのような前向きで自立的な考え方、生き方を仏教は元来もっていて、そのことが無常を教張する意味なのではないのだろうか。