39.Q 煩悩(ぼんのう)とは何ですか?
 A 煩悩klesaクレーシャ惑(わく)、塵労(じんろう)などと訳される。衆生(人)の身心を煩わせ、悩ませ、かき乱し、惑わせ、汚す精神作用の総称。性質は不善(悪)、および友覆無記(うふくむき、不善ではないが聖智を障げる)がある。衆生は煩悩によって業を起こし、苦しみの報を受けて迷いの世界(生死)につなぎとめられる。これを惑、業、苦の三道とする。煩悩の異命として使(随眠)、染(ぜん)、漏(ろ)、結、縛、纏(てん)、蓋(がい)、繋(け)、暴流(ぼる)、取など。
 煩悩には大別すれば見惑と思惑(修惑)の二種がある。見惑とは理論的、知的な迷いで、主に後天的なものなので正しい理論を聞いて理解しさえすれば直(ただ)ちに断ずることができる。故に利使(人を駆使して迷いの世界に流転させる。)ともいう。思惑とは習慣的、情意的な迷いである。また先天的なものなので、それが誤まっていることを理論的に理解してもなかなか改められない習癖、性癖としての「頑固さ」があり、長い間の修行努力によって少しずつ断ぜられる。故に鈍使ともいう。
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