51.Q 釈尊の生涯における八の重要な出来事として八相があります。仏道修行の視点からどのように捉えたらよいのですか?

 A 八相成道とか釈迦八相などともいわれる。八相成道とは釈尊が衆生を救うために、この世界において八種のすがたを示したこと。さとりを開くことが八相の中心であるということで八相成道という。
 一、降兜率(ごうとそつ)。この世に生まれる前にいた兜率天から、六牙白象に乗って地上に降りてくる。
 ニ、托胎(たくたい)。釈尊の母・マーヤーの右脇腹から入って胎内に宿る。
 三、降誕(ごうたん)。ルンビニーの遊園で、マーヤーの右脇腹から生まれる。
 四、出家(しゅっけ)。城を脱出して沙門(出家者の総称で、内道と外道に用いる)となる。29歳。
 五、降魔(ごうま)。悪魔から仕掛けられた誘惑を退ける。
 六、成道(じょうどう)。覚った人、ブッダとなる。35歳。
 七、転法輪(てんぽうりん)。鹿野苑でかつての修行仲間に教えを説く。
 八、入滅(にゅうめつ)。入涅般。クシナーガル城外の沙羅双樹の下で命終。80歳。
 上の説は通常、小乗の八相といわれている。これを大乗の修行の立場から捉えるならば、
 一、空の実践によってあらゆる世俗の執着をたちきる。もともと大乗運動は在家からはじまったのだから、出家者のように剃髪し、妻子を捨てて修行するわけにはいかない。そこで「空の実践」が出家と同じはたらきをする。
 ニ、菩薩の誓願(四弘)をおこすことが、無明の惑を断じて成道のはたらきをする。ただし、全く仏と同じということではない。
 三、自覚覚他の実践で法を説き、教化することが転法輪のはたらきである。
 四、誓願が「さとりのスタート」(一分のさとり)で、入滅にて「完全なさとり」となる。これが入涅般のはたらきである。仏道修行の要諦は一にも二にも菩提心を発こすことである。
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