Masquarade

赤と黒の花[3]

 2日後、アルフェイス一行は勢力線付近の町に有る、部隊の駐屯所にいた。山のふもとの町である。勢力線付近なので結構大きな規模で部隊が展開している。
「あなたがここの指揮官?名前は?」
 アルフェイスが中年の男に問う。
「は、隊長のディヴィスであります」
「早速だけど砦とやらは?」
「おい、映像を」
 そう言って脇に控えていた女性魔道士に指示を出す。女性魔道士が前に出てきて呪文を唱え始める。
「え〜では今から幻像の呪文で地形などを説明します。まずは砦の位置から」
 そう言ってあまり片付いていないテーブルの上に幻像が生まれる。山の麓に今部隊がいる町、山には森が広がり、川のそばの中腹に砦がある。砦と町の距離は大体歩いて半日強といった所だろうか。
「ご覧の位置にあります。地図も作成してありますので後でお渡しします。さて、この砦はおそらく谷を越えた後の進軍の拠点として建てられたものであると思われます。ここに砦を作っておく事で、この町を二方向から攻める事が出来ますから」
 マナが口を開く。
「進軍って言ってたけど・・・森の中じゃ馬を進めるのは無理でしょ」
「え〜この川がこの町まで流れてきているんですね。ですから予想としては森の樹を切っていかだにして進軍するのではないかと。対策は一応立ててあります。町から少し上った森の中に弓兵隊を配置しようかと思っていますが」
「まあいいわ。あたしらには砦をつぶせって命令だし」
「はあ、では砦付近の説明をしますね」
 映像がズームアップする。砦付近を真上から見た図だ。しかし砦の内部まではさすがに描かれていない。
「付近の地形の情報は当然前からあったもので、砦は外から偵察して大きさだけが判明しています。砦と言うよりこの駐屯所に堀と柵をつけたような代物で、中には複数の建物が有ると思われます。ご覧になれば一目瞭然ですが堀には付近の川の水が引かれています。深さは推定ですが私が手を伸ばしたくらいです」
 そう言って手を伸ばす。だいたい2m弱くらいだろう。さらに説明が続く。
「出口は1ヶ所。橋がかかってます。周りには木の柵・・・というより壁ですね。先がとがっています。堀の深さと同じくらいの高さです。おそらく弓兵も配置されているでしょう。わかっているのはこれくらいですね」
 女性魔道士は席につく。呪文の維持は続けているが。
「アルフェ、どうする?」
「そこにいる反乱軍の規模は?」
「大きさから見て70人程度でしょうか」
「それならさっさと潰しましょう」
「は、しかし攻めようにも兵を配置する事が難しいのですが」
「私とマナで十分よ」
「はあ、ほんとに大丈夫なのですか」
「くどい・・・」
「申し訳ありません」
「顔が」
「はあ?」
「マナ、行こう」
「わかったわ。あっそうだ。あんた、名前は?」
 女性魔道士に問う。
「ソフィアですが」
「覚えとくわ。あんたに向かって”風の通り道”を使うからいつでもこのおっさんに報告できる位置にいてね」
「わかりました」
 2人は地図を受け取ると駐屯所を出て行った。

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