金子 みすず 作品


 ・ 金子みすず 童謡集



【金子みすず 童謡集】 ★★★★★

ハルキ文庫 / 580円+税 / 1998年3月発行

   この作者・金子みすずを主人公とした、ドラマ『明るいほうへ 明るいほうへ』を、松たか子主演で放送されてたんだけど、このドラマすごく良かった。興味のある人は、ぜひレンタルビデオか何かで借りてみて欲しいです。26年という短い生涯だったけど、本当に色々なことを経験し、それに耐えた人だから。
 金子みすずさんの童謡、大好き。だけど、それを言葉で表そうとしても、なかなか言い表せないので、初めてこの作者を知ったという方に、特におすすめの童謡を書いておこうと思います。


   『星とたんぽぽ』               『不思議』

  青いお空の底ふかく、          私は不思議でたまらない、
 海の小石のそのように、         黒い雲からふる雨が、
 夜がくるまで沈んでる、          銀にひかっていることが、
 昼のお星は眼にみえぬ。
   見えぬけれどもあるんだよ。     私は不思議でたまらない、
   見えぬものでもあるんだよ。     青い桑の葉食べている、
 散ってすがれたたんぽぽの、      蚕が白くなることが。
 瓦のすきに、だァまって、
 春のくるまでかくれてる、        私は不思議でたまらない、
 つよいその根は眼に見えぬ。      たれもいじらぬ夕顔が、
   見えぬけれどもあるんだよ。     ひとりでぱらりと開くのが。
   見えぬものでもあるんだよ。
                        私は不思議でたまらない、
                        誰に聞いても笑ってて、
                        あたりまえだ、ということが。

  『私と小鳥と鈴と』              『こぶとり』

 私が両手をひろげても、         正直爺さんこぶがなく、
 お空はちっとも飛べないが、       なんだか寂しくなりました。
 飛べる小鳥は私のように、        意地悪爺さんこぶが増え、
 地べたを速くは走れない。        毎日わいわい泣いてます。

 私がからだをゆすっても、        正直爺さんお見舞いだ、
 きれいな音は出ないけど、        わたしのこぶがついたとは、
 あの鳴る鈴は私のように         やれやれ、ほんとにお気の毒、
 たくさんな唄は知らないよ。       も一度、一緒にまいりましょ。

 鈴と、小鳥と、それから私、       山から出て来た二人づれ、
 みんなちがって、みんないい。     正直爺さんこぶ一つ、
                        意地悪爺さんこぶ一つ、
                        二人でにこにこ笑ってた。

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