Brian W. Aldiss

『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス/伊藤典夫・訳(ハヤカワ文庫)

 なんなんだこの世界は。

 重力異常が起き自転がとまった地球では、植物たちが繁殖する。繁茂する。昼の世界と夜の世界に分断された地球を覆いつくす。その生命力は地球を覆いつくし、重力の楔を断ち切った植物たちは更なる高みを目指し虚空へ向かい、ついには月をも覆いつくす。肉食植物たちが凌ぎを削り跳梁し跋扈するその世界はまさに圧巻。

 いやもう、これだけのイマジネーションを前にすると自分の言葉の無力さと想像力の限界を突きつけられる感じがする。

 イマジネーションの奔流に押し流されるように、地球の長い午後を体験してしまった本書が40年以上昔の作品ながら各種ベストテンにランクインしているのは伊達じゃない、SFファンタジーの一級品。オススメ。

(2003年12日28日更新)

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