Walter Michael Miller, Jr.


『黙示録三一七四年』ウォルター・M・ミラー・ジュニア/吉田誠一 訳(創元SF文庫)

 ラストで孤高の記録保管所は何を見たのか。

 何度過ちを繰り返そうともその過ちに気付き悔やもうとも、幾度も幾度も戦争に向かってしまう人類の愚かしさを書いた作品は多い。正直なところ、飽き飽きするくらいある。しかし、本作はそれら数多ある、それこそ星の数ほどある作品群において、貴重な、稀少な一冊の傑作である。

 実は一応いつも通りの長さの感想を書いてみたのだが、自分自身が何も知らずに読んだこともあるし全部消してしまった。とりあえず本書の内容は何も知らずに、手にとって読んでみてほしい。

 重厚なSFを読みたい方、思弁的なSFを読みたい方は、もう何も言わずに手にとって読んでもらいたい。 このような傑作を前に語れる言葉はあまりにも少ない。オススメ。

(2003年1月17日更新)

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