Mervyn Peake

『行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙』マーヴィン・ピーク/横山茂雄・訳(国書刊行会)

 ああ、あぶらっ! あぶらくそっ!

 ある日突然、長い間行方不明だった伯父さんから手紙が届く。その手紙は、たくさんの絵と一緒に誤字脱字だらけで書かれている。どうやら探険家の伯父さんは奇妙なお供ジャクスンを連れて、北極へ向かい〈白いライオン〉を探しているらしいのだけれど――。行方不明のヘンテコな伯父さんが繰り広げる奇妙奇天烈、奇想天外な冒険譚。

 全編を通して描かれるこのヘンテコな冒険譚には、奇妙な探検と奇天烈なエピソードが綴られている。その個々のエピソードのヘンテコさも去ることながら、そのエピソードに添えられる伯父さんの絵が素晴らしく、ヘンテコさに奇妙な味わいを加えていてとてもイイ。何とも非常に親しみ深い、けどああやっぱピークの絵だよなと思わせるヘンテコな絵。生後一週間で家を飛び出しちゃった伯父さんの小さい頃の絵がかわいい。
 そして、ラストで描かれる氷の大伽藍、氷の下に深海魚たち、そして何と言っても〈白いライオン〉の描写は、文章も絵も素晴らしくいい。あぶらいい。マーヴィン・ピークのイマジネイションにあぶら酔い痴れるべし。ああ、あぶらっ!あぶらくそっ!

 子どもからオトナまで楽しめる絵本。絵本好きにオススメ。

(2004年1月5日更新)

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