Robert J. Sawyer
| 『さよならダイノサウルス』ロバート・J・ソウヤー/内田昌之・訳(ハヤカワSF文庫) |
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恐竜SF。 実は今でこそこんなんになっちゃっているが、小学生の頃は恐竜少年だったりする。というと、本当に恐竜少年だった方にお恥ずかしい限りなのだが、恐竜の名前を覚えたりデータ覚えたりなんてことはほとんどしていない。でも、とにかく恐竜が好きだった。動物なんてのはからきしダメだったのだけれど、恐竜には何か惹かれるものがあった。先祖は恐竜だったのではないかと思ったくらいで道行く爬虫類の皆さんに「よう、兄弟」なんて挨拶しながら近所を歩き回ったものである嘘ですごめんなさい。ダダをこねて大恐竜博にも連れて行ってもらったし、デパートで売っていた模型をお小遣いをはたいた上に父親からちょっと足してもらって買い集めたり、「ニュートン」の恐竜特集号を呼んだり、図鑑を買ってもらったり、とりあえず図書館に置いてあった恐竜の本はやたらめったら読んだ記憶がある。今思い返せば、小学生のスズメの涙しかないお小遣いなんかで数百円から高いものだと二、三千円するような模型やら雑誌やらは買えるはずもなく、父親が大半を出してくれていたのだろうし、読む速度がさほど速くない小学生時代にやたらめったら読めるはずもないから、数冊くらいだったのかもしれない。でも、その当時はもう、わくわくしながら恐竜尽くしの日々だった。『ぼくが恐竜だったころ』なんてのを読んで感動したり、大長編ドラえもんの「竜の騎士」も好きだったし、教育テレビの番組「天才テレビくん」でやっていたアニメ「恐竜惑星」もずっと見てたし。とにもかくにも、恐竜はたまらなく好きだった。「恐竜」っていう字面を見れば今でもどきどきするし、たまに「ニュートン」なんかを買ってしまったりする。 ちょっと話が横道に逸れるがここだけの話、三田村信行『ぼくが恐竜だったころ』(ほるぷ出版)は青春恐竜小説の大傑作なのでオススメ。大傑作っていうか、多分世界でも青春恐竜小説トップ10に入っちゃうのではないかと思っちゃうくらいの大傑作である。恐竜小説好きも、青春小説好きも恋愛小説好きも青春恋愛恐竜小説好きも皆読め。っていうか、恐竜好きは読め。読んで泣け。もうあの小説は思い出すだけで泣ける。いや、本当に。恐竜と恋愛する話はなかなかない。っていうか、ありえない。ありえないけど、泣けます。 しかし、ここまで書いて思ったのだけれど、恐竜少年ってなんだ。 高校、大学に入るともう恐竜熱は過ぎてしまい、ほとんど恐竜関係の本を読むこともなくなった。その頃には恐竜がどうやって滅亡するかなんて考えてもわかるはずもないしな、なんて夢のないことを考えるようになっていた。 で、本書『さよならダイノサウルス』も評判は高いけれども、きっとタイムマシンで白亜紀に行って新しい恐竜滅亡説でも立てるとかそういう本だろう、と思ってちょっと敬遠していたのである。 でも、スピカさんに川端裕人の『竜とわれらの時代』(徳間書店)なんてものを借りちゃって、久々に恐竜ものをいろいろ読んでみようかなと思い始めた時に、古本屋で本書を見つけたのでとりあえず買い。とりあえず読み。そんなこんなでいまだに『竜とわれらの時代』はまだ読んでませんごめんなさいごめんなさいでも後から借りたIWGPVは読みましたおもしろかったですタカシ格好良いですっていうかマコトが格好良いですそんなことはさておきそろそろとりかかります川端裕人いやスピカさんがここ見てるのかどうかよくわからないけど。 読み始めはやっぱり予想通りの話かよなんて思っていたのだがなかなか読みやすいのでそのまま読み進めていくと、50ページあたりでちょっと予想と違うかもなんて思い始める。で、その直後、本当に数ページ直後にガツンとやられる。おいおい、そんな展開かよ、とか思っていたらもう一度ガツンとやられる。おいおい、そっちへいくのかよ。もうその後は怒涛の展開でもう止まることもできず、最後まで一気に読んでしまった。ああ、楽しかった。 こういう小説はとりあえず粗筋はいっさい知らずに読んだ方が楽しめる、というのが持論(というほどのもんではないが)なので、とりあえず読むが吉。 あ、もういろんなところで何度も言われてきたことであると思うが、本書は「恐竜滅亡説」の新説を打ち立てた小説でもある。もう「隕石衝突説」なんてどうでもいい説は霞んでしまうくらいの新説であるし、一度読んだら多分忘れられない。多分これが真実だね、きっと。恐竜が大きくてそして滅亡してしまったのはなるほどこういう理由だったのか、と膝を叩いてしまうこと間違いなし。 ――ごめん間違いだらけだった。 ――恐竜好きは読め、と言いたいところだけど本当に恐竜好きな人は読まない方がいいです。いや、だって。うん。まあ、ちょっとネタばれになっちゃうから言えないけれども、恐竜愛護団体からクレームがくるような内容だし。いや、ソウヤーは恐竜好きだと思うのだけれどね。ちょっとね。内容がね。そういう内容なのね。 あー、もー、説明はメンドウだからとりあえず読め。『ぼくが恐竜だったころ』はまさしく大傑作である。読んで泣け。泣きわめけ!
(2002年11月10日更新)
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