墓の下の牙に問う
この小さな星のどこかにあろう


名も無き丘の上に咲き誇る、あの大きな一本桜の



花びらが1枚舞い落ちるたびに

太陽の降り注ぐ中、緑が1つ羽を広げるたびに

枯れかけた紅葉が1枚飛び去るたびに

銀世界の中、つぼみが1つ目を醒ますたびに



オレに変化が起きている

劣化、あるいは故障、修復、進化、そしてまた劣化し、

やがて1歩1歩、消え逝く運命(さだめ)にある



ならば名も無き桜の根よ、土の中に宿りし牙よ


オレの無数の変化を支えうるであろう心の牙よ


永遠の豊穣を願うがゆえの人間の性にも似た、非情なる牙よ


永遠の愛情を願うがゆえの人間の性にも似た、無知なる愛よ



埋もれしものどもの問うがままにその牙をむき、

その枝葉が朽ち果てようとも、己の全てを賭けて宿りたもう



たとえ牙が、しまいには1本だけであったとしても





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