今回のイラク戦争は、いじめられっ子が堪忍袋の緒が切れ意を決して、いじめっ子に反抗したのに対し「反抗するとは何事か」と
猛然と報復したようなものだろう。

  米国はなぜ反抗されたのかを先ず考えなかったのか。確かに9・11テロは非道の一語につきるが、反抗されたその原因を弁え
相手側に反抗心を撤回させる手立てを講じるのが先ではなかったのか。それを飛び越えてただ「テロを根絶する」ではお互い報復
の繰り返しだろう。

  米国は、これまでどれだけ平和な他所の土地の人々を苦しめ、奪い取ってきたか。西部劇はその最大の舞台だったのではない
か。米大陸の西岸まで支配下に治め、次は太平洋を越えてフィリピン、グアム、ハワイなどを併合した。豊富な資源と帝国主義的積極
外交政策が相俟って強大な国家となり、その武力を背景に国益に利するとあればその国を手なずけ、都合が悪くなれば叩くという
ことをやってきたのではないか。

  とうとう戦争が始まってしまったが、米国の思惑通り短期で終わりそうもない。このまま推移すればドロ沼化しそうだ。そして、例え
米国の勝利で終わっても、報復のテロ、ゲリラが世界中で頻発するのではないか。それは文明の衝突どころか地球上の平穏な日常
を麻痺させることになろう。

  そこで思うのだが、米国はこの段階で一大政策転換して矛を収め、停戦すべきだ。

  20世紀までの戦争は双方が拳を振り上げ、相手が屈服するまで攻め合った。今回は一方が一方的に攻めた。その攻める理由
も元はといえば米国がつくったのではないのか。

  このまま戦争を続行したあとのことを考え、米国は中途で和議を求め、21世紀の最初で最後の新しい戦争の終わらせ方を示し
たらどうか。いじめた国に謝り、その疲弊した国土の復興に手を貸せば、まずテロは収まり地球上に平和が戻り、米国への評価も
上がるだろう。

  私の考えは唐人の寝言だろうか。

        ('03、4,3 記)