9月11日はメディアが報じるように、今までの国際通念を打ち破る分岐点だろ う。 あの米国の中枢部を狙ったテロは徹底的に潰さねばならない。加えて、炭そ菌を送 り付けるという攻撃に発展したが、追い撃ちは更にエスカレートするに違いない。

  彼らテロにとっては毒ガスを禁止したハーグ条約も、化学兵器禁止条約もへったく れもないだろう。約束を結ぶ意志も、守る誠意もない無法者を相手に 「報復せずに 話し合え」 と言う評論家がいるが、狼の群れに乱入され子供を食い殺されたのに 「まあまあ、そんな乱暴はやめて」 と哀願するようなものではないか。

   しかし、遡ってどうして米国は突如攻撃されたのだろう。テロも攻撃するワケが あったから攻撃したのだ。突然の惨劇で亡くなられた多くの方々には心から哀悼の意 を捧げるが、歴史を繙けば原因は米国側、そして西欧諸国特に英国にある。テロ集団 の拠るイスラム諸国とキリスト教を主に国教とする西欧の国々との長い宗教的軋轢に 遡る。

  直接の原因は第一次大戦中、英国がアラブ、ユダヤ双方の協力を得るために、 アラブ側には戦後の独立国家を約束するフセイン・マクマホン協定を、ユダヤ側には 民族的郷土の建設を約束するバルフォア宣言を表明するという二枚舌外交を使った。

   そして第二次大戦後、国連はパレスチナ分割案を採択して紛争のタネをまいた。し かし、今年のノーベル平和賞が国連とアナン事務総長に授与されたのは歴史の皮肉 だ。今回のテロも元を糺せば大国のエゴと身勝手な政略に小国が翻弄されたからなの だ。

   非道なテロには、米国はもとより日本を含め全世界が結束して根絶せねばならない が、テロの温床となっている国の貧困と飢餓をなくさない限り、いつの日かまた凶事 が起こると思う。 先進国に弄ばれ荒廃しきったアフガニスタンを “罪滅ぼし” で米国など大国が救 助し、民心を安定させるのがテロをなくす最善の道ではなかろうか。米国も 「殲滅 するのはテロで、イスラムの人民ではない」 と言っている。米国もなぜ攻撃された のか改めて冷静に思い直してほしい。