ひとつの願い
Only for you, one required for this world is.
「レン!またあの歌、聞かせてくれよ!」
そういっていつものように、俺は彼女の家に入っていった。
彼女もいつもとかわらない優しい表情で俺を見返す。
彼女はレン。ザナルカンド随一の歌姫。
そして、俺の世界で一番大切な存在。
何を捨てても守りたいひと。
「シューイン!ノックぐらいしてっていつもいってるのに。」
言葉ではそういってても、やっぱり彼女の顔も明るい。
分かってるんだ お互いに。
俺は彼女が大事だし 彼女も俺を必要としてくれてるって。
「まあいっか。新曲、出来そうなんだよ」
そういって歌ったのは歌詞のないメロディーだけの曲。
優しくて哀しい曲。
聞いた瞬間、なにかとても切ないものが心にこみ上げてきたけど、
俺はその感情を反射的に押し込めていた。
「歌詞がなかなか浮かばないんだよね。」
「じゃあできたら俺に一番に聞かせてくれよ?」
「ええ?どうしようかな〜」
いつもの会話 他愛のない話 穏やかな時間
きっとずっと続くと思ってた。
―――戦争、なんて―――
正直どうでもよかったんだ
スピラもザナルカンドもなんだってよかった
俺と彼女が幸せに過ごせる場所なら何所だってよかったんだ
でも、レンは召喚士だからって ザナルカンドを守りたいって
戦争へ行くって言った
帰って来れる可能性なんて1%もないのに
・・・・俺は許さない
彼女を死なせたくない
・・・・死なせない、絶対に
そしてすべてを捨ててスピラへ乗り込んで
待っていたのは絶望だった
追い詰められて 撃たれて ・・・レンも
俺の意識は1000年彷徨いつづけた
・・・君がいないまま
俺は独り、だった。
あれだけの犠牲を払ったくせに
スピラは変わってないし
君はもういない
守れなかった 守りたかった
だから、もう終わらせてやるよ
君がいない世界も 君を守れなかった俺も
消してしまえばいい
どこをさがしても どこを歩いても
どこにも君の姿はないから
愛しくて 恋しくて どうしようもなかったひとは
どこにもいないから
もう守るものなんてない
残ったのは絶望と
・・・・救われない悲しみだけだから
なにが悪かったっていうんだ?
望んでいたのはひとつだったのに
―――君が幸せに過ごせることだけだったのに
某所に出した詩。シューインッス。
どうも彼は憎めないってかなんていうか。
似たトコ・・・多いんだよねぇきっと。
11月改訂。