
序章 占い師・夢
「私は運命を、『99%を占う者』。」
「そこの君少し私の話を聞いて行きませんか。」
「私は占い師、自称、『99%を占う男』です。」
「どうです。お近づきの印に1つ占ってみませんか。」
「なーに、おだいはいりません。」
「フフフ、そうこなくっちゃ。」
「では、あなたの未来を占ってみましょう。」
「おお!」
「これは!」
「えっ、何驚いているかって。」
「貴方は近々、今の貴方の世界から別世界へ行く運命にあります。」
「それから・・・おっとここから先は言わない方がいいでしょう。」
「それと、人の運命は99%決まっています。」
「えっ、じゃあ残りの1%は何かって。」
「それは、希望。」
「希望、それは占い、予言などで表せない何か。」
「それが、希望。」
「何度も言いますが、人の運命あらかじめ決まっている。」
「しかし、貴方が残りの1%を信じるなら、運命を変えることもできるかもしれない。」
「私は、そうやって自分の運命を切り開いてきた者達を知っている。」
「少しお喋りが過ぎてしまいましたね。」
「では、私はこれで。」
「そうそう、占いには貴方と私は、別世界でまた会う時がくると、出ていましたよ。」
「それじゃあ、次は別世界で会いましょう。」
「フフフ・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
T 旅立ち・別世界へ
7月21日夏休み初日。午前4時、とある家。
この家に住む少年、音霧 光 (おとぎり ひかる)13才。
今、彼はある夢を見ていた。
「それじゃあ、次は別世界で会いましょう。」
「フフフ・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
光は、うなされていた。
少しして起きた。そのとき午前4時30分だった。
光は汗でびっしょりだった。
「や、嫌な夢だったな。」
「それに、なんか現実感が在ったし。」
「時間は・・・まだ4時35分か。」
「どうするか。」
少し考えた。
「服ぐらい着替えるか。」
その時の時間は午前4時40分だった。
少し早い朝食。
ここまでは、いつもと同じだった。
そう、謎の夢と早過ぎた朝を除いて。
そして5時。
光は、少し散歩することにした。
7月21日午前5時。
この時、別世界である事件が起きた。
その事件とは、魔術という秘術が存在する別世界。
ここで作られていた、魔法機械(魔法機械とは、魔法の力で動く機械の事)
が、暴走し、開放された力が空間を捻じ曲げた。
その空間の歪みが光達の世界に現れた。その時、光は何かが違うことに気づいた。
「な、なんだ!」
「何かが、歪んでいる!」
「す、吸込まれる!」
「うわああああああああー!!!」
空間の歪みは30秒ほどで消えたが、散歩をしていた光は運悪く、空間の歪みに吸込まれてしまった。
「うっ、な、何が起きたんだ。」
次の瞬間、光は自分の目を疑った。
「こ、ここは!?」
そこには、見渡す限りの草原、5キロほど先に見える森、地平線の彼方に見える山々があった。
「な、何で、こんなとこに僕は居るんだ。」
「そ、そういえば。」
光は、何かが歪んだあの瞬間を思い出した。
「そ、そうか。」
「僕は何かに吸込まれて、ここに来たんだ。」
「でも、いったいここは何処なんだ。」
その時、光は今朝の夢を思い出した。
「それじゃあ、次は別世界で会いましょう。」
「フフフ・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「夢で言っていた事は、本当だったのか。」
「ま、まさか!」
その時、何かの足音がした。
「今度は何だ!」
光は、周りを見渡した。
すると5メートルほど先の場所に何かがいた。光は、目を凝らしてそこを見た。
そこには、獣らしき者が立っている。
「獣人!!」
「そ、そんな物がいるはずがない。」
もう1度見た。やはり獣人のようだ。よく見ると何かから逃げている。
「逃げているのか?追っているのは・・・人間!」
追っている方の一人が何やら剣らしき物を出した。
「くらえー!」
そう言うと剣士らしき男は獣人らしき獣を切りつけた。
「う、嘘だろ!?」
光は思ったことが、つい口に出てしまった。
獣人らしき物をしとめて、剣士らしき男とその仲間らしき者達は、去っていった。
「ほ、本当に別世界に来てしまったのか!」
「そんな、なんで? なんで別世界なんかに!」
光はとりあえず、剣士達の跡を追うことにした。
U 町・ライドミック
それからしばらくして、町が見えてきた。
光は町に入ろうとしたが、町には入れそうになかった。
町の入り口は、兵士らしき者が数名立っていて、入るに入れない状況だった。
光は、これからどうするか考えることにした。
しばらく考えていると、兵士達が何か話をしているのが聞こえた。
「見張りは、暇だよな。」
兵士の1人が愚痴をこぼした。
「そうだな。」
こちらの兵士も同意する。
「でも、あっちの町は大変らしいな。」
別の兵士が話に加わる。
「そうそう魔王だか何だか知らないけど、戦争をしているらしいな。」
「魔王がモンスターの軍政を差し向けた、って話だな。」
兵士達が話をしていると、別の兵士が
「そろそろ、交代の時間だと思うがどうする。」
と言ってきた。
すると別の兵士が
「そうだな。」
と言った。
「それじゃあ、戻るか。」
と、1人が言うと
「じゃっ、行くか。」
と別の兵士が言って皆、戻り始めた。
そのころ光は、今なら入れる、と思い
「今のうちに行くか。」
と言うと光は、兵士がいなくなった隙をついて町の中に入った。
町は、にぎやかで奥のほうに城が見えた。
「ここは、なんて町だろう?」
そう思いながら歩いていると、小さな立て札があった。
「なになに、(ライドミックの町)か。」
その時、5名ほどの兵士が走ってきた。
そして、兵士の中の1人が光に向かって
「貴様こんなとこで何をしている。」
と言い放った。
「えっ!」
「貴様、誰に許可を得てここに入った。」
「それは・・・。」
「今、この町の周りの村や町が魔王の軍団に襲われているため、ライ王から身分を証明できない
者は、通すなと言われている。」
「しかし貴様は、不法侵入をしている。ここは、我々と共に来てもらう必要がある。」
「何処にですか?」
「ライドミック城に決まっているだろ。」
「はい。」
「よし歩け。」
光は兵士と共に城へ連れて行かれるはめになった。
城が近づくに連れ、兵士の人数が増えていった。特に城の門は厳重な警備が行われ、
蟻一匹入る隙間も無いと言っても、いいほどであった。
城の中に入ると兵士の中の一人が
「私がライ王に御伺いを立てる。御前達はそいつを牢屋にでも入れておけ!」
と言い王室に向かう。
「わかりました、隊長。」
隊長と呼ばれる、兵士は王室に向かって城の中を歩いていった。
数分の間、城の中を歩いて王室の前まで来ると
「失礼します。」
そう言い、兵士は、王室に入り、ライ王に光の事を話始めた。
「ライ王様、先ほどこの町に入った不法侵入者を捕らえてきました。」
「よくやった、ロイ。」
「ありがたきお言葉。それと今は牢屋に入れていますが、あの者はどうなさいますか?」
「とりあいず、今は、そのままにしておけ。」
「わかりました。では、私はこれで。」
そう言うとロイは、王室を後にした。
そのころ光は、地下の牢屋に入れられようとしていた。
「やめろ!はなせ!」
光は抵抗していた。
「無駄な、あがきはよせ!」
「なんだと!」
「おとなしくしてろ!」
そう言うと兵士は、光の腹に1発入れておとなしくさせた。
「うっ!」
「入っていろ!」
そう言うと兵士は光を牢屋の中に突き飛ばした。
「何すんだよ!」
「何って、御前を牢屋に入れただけだ。」
「てめえ!」
「なんだ?」
「もう少し優しく出来ないのか。」
「何故罪人に優しくする必要がある。」
「何だと!」
「本当の事を言っただけだ。」
「ここから出しやがれ!」
「出すとでも思うか。」
兵士は、そう言いながら立ち去っていった。
V 幼なじみ・若葉愛
その時、後から女の声がした。
「誰かいるの?!」
「えっ!」
振り返ると、後に誰かがいた。
「き、君は、愛さん!?」
「もしかして、光君!?」
そこにいたのは幼なじみの若葉 愛だった。
「愛さん、どうしてここにいるの?」
「今、あるイベントに行くはずだったんだけど、外に出て駐輪所に行く途中に、後から何かに引っ張られて気がついたら、この城の近くに倒れていたの、それで少し歩いていたら、兵士がきて捕まえられて此処に入れられたの。」
「光君もそんなとこ?」
「う、うん。」
「そう。」
「これからどうする?」
と光が言っていると、兵士が一人入ってきた。
W 占い師・再び
光が振り向くと、兵士が、
「おい、そこの御前、出ろ!」
と、光に言ってきた。
「なんだ?」
「いいから出ろ!」
「御前に面会したいと言う奴がいる。」
「だれだ?」
「知らないね。」
「でも、なんか、99%がどうとか言っていたな。」
光は、まさかと思った。
光がそう思っていると、兵士が光に
「ついたぞ。」
「ここは?」
光がそう聞くと、兵士が
「ここは面会用の部屋だ。」
「さあ、入れ!」
そう言うと兵士は、光に面会室に入るよう指示した。
光は、兵士に言われて部屋に入った。しかし、光はこの瞬間、自分の目を疑った。
そこにいたのは、まぎれもなく、あの自分のことを、『99%を占う男』だと名乗っていたあの占い師だった。
「お、御前は!」
「覚えていて下さるとは、嬉しいものです。」
「たしか、『99%を占う男』だったよな?」
「全くその通りですよ。」
「で、何のようだ?」
「フフフ、私の言うとおりになったようですね。」
「なっちまったよ。それで?これからどうしろと?」
「貴方には、やらなければならない事がある。」
「なんだと!」
「こんな所で時間、くっていていいんですか?」
「そう簡単に出られたら苦労しないよ。」
「フフフ、それもそうですね。」
「どうすればいい?」
「そうですね、これなんかどうでしょう?」
そう言うと99%を占う男は、12センチほどの小刀を光に渡した
「これは?」
「普通のより少しばかり硬いダガ―ナイフですよ。」
「これでどうしろと?」
「後は自分で考えてください。」
「なに!」
「大丈夫ですよ。私の占いで大丈夫だったんだから。」
「信用して良いんだな?」
「もちろん。私の占いは、99%当たりますから。」
「この辺で私はおいとまさせて頂きます。あとはうまくやって下さいね。フフフ・・・。」
そう言うと『99%を占う男』は去っていった。
X 脱出・ライドミック
光は、牢屋に戻された後、あの男が言っていた意味を考えていた。
そこに同じ牢屋に入れられていた、若葉 愛が考え込んでいる光を心配して来てくれた。
「光君、何考えこんでいるの?」
「愛さん。いや、別に。」
「そう、それなら良いんだけど。」
そう言ったとたん、愛はいきなり光の方に倒れこんだ。
「あ、愛さん!?」
光は一瞬、驚いたがよく見ると愛は、眠っていた。
「なんだ、寝ているのか。」
光はつい、愛に何か大変な事が起きたのかと思っていたので、ほっとした。
光はそれから遅くまで考えていたがナイフの使い方は、全くわからなかった。
それから、
「光君。光君。」
「あ、愛さん。」
「もう朝よ。」
「えっ、もう朝!?」
「そうよ。」
「ありがとう。」
「ええ。」
その時、ドン、ドンドン
「な、なんだ」
「パレードよ。」
「愛さん、なんで知っているの?」
「朝、兵士がここを見回りに来てね、その時に『今日は、パレードだ』って言っていたのよ。」
光は、この時99%を占う男の言っていた意味がやっとわかった。
「わかった!」
愛は、光がいきなり大声を出したのでびっくりした。
「ひ、光君。どうしたの?」
「愛さん、危ないから隅の方に行っていた方がいいよ。」
「えっ!それってどういう意味?」
「いいから!」
「ちょっと、光君!?」
そう言うと光は愛を牢屋のすみに行くように指示した。
そのあと、光は壁をしきりに調べ始めた。
「光君、何をしているの?」
その時、
「あった!」
「な、何があったの?」
「見てれば分かるよ。」
そう言うと光は、99%を占う男からもらったナイフを持ち、壁に向かって走り出した。
次の瞬間、光は牢屋の壁を突き壊し、牢屋の外に出ていた。
「やった、愛さん!」
「光君。」
「早く逃げよう!」
「うん。」
「でもどこから?」
「あっ!」
光がこの後のことを考えていると誰かの声が聞こえてきた。
「おい。」
どうやら、他の牢屋の囚人同士が話しているようだった。
「知っているか?ここの牢屋のどこかに隠し通路があるらしいぞ。」
「すげえな!」
「すげえだろ!」
「でもなんで、そんなこと知ってんだ?
「偶然、兵士がそんな事を話している声が聞こえたんだよ。」
これを聞いていた光は、その隠し通路を探すことにした。
しかし、そこは隠し通路なんて、そう簡単には見つからない。その時、愛が光に
「光君、隠し通路なんて本当にあるのかな?」
と言ってきた。
「多分。」
光は、少し不安になってきた。そこで、愛が光に
「光君、少し休もうよ。」
と言ってきた。
「そうだな。」
光達は、少し休むことにした。
光は、壁によりかかった、その瞬間
「な なんだ!?」
光がよりかかった壁が外側に動き始めた。
「ここだ!」
「えっ!?」
「愛さん、ここだよ!ここが隠し通路の入り口なんだ!」
「こ、ここが!?」
「うん。ここが!」
そう言うと、光は、愛の手をひっぱりながら隠し通路の入り口に向かって走り出した。
隠し通路と思われる通路の中は、暗く狭い上に恐ろしいほどまでに静まり返っていた。
「光君、怖い。」
「大丈夫だよ。たぶん。」
光が愛を怖がらせないよう注意していると、今までの静けさをつんざくような唸り声が聞こえてきた。
「な、なんだ!?」
光は、戸惑った。急いで前後左右を見ながら愛が
「光君、どうしたの?」
と愛が言ったその瞬間、通路の上から何かが落ちてきた。
「なんだ!?」
そこにいたのは、ゴブリンだった。
「なっ!」
ゴブリンは、光達にいきなり襲い掛かってきた。
光は、なんとかゴブリンの攻撃をかわし、持っていたナイフを取り出し、ゴブリンと戦い始めた。
しかし、ゴブリンは、素早くてなかなか攻撃が当たらない。
「この野郎、ちょこまかちょこまか、逃げやがって!」
光がそう思っている時に、不意をついてゴブリンは、愛の方を攻撃してきた。
「きゃあああああ!」
光は、愛の方に向かって走り出した。
「愛――――――!」
『ボクッ』
鈍い音がした。
「ひ、光君!大丈夫?怪我してる!」
光は、愛をかばってゴブリンの攻撃を受けて頭から血を流していた。
「あ、愛。逃げろ。」
「でも・・・。」
愛は首を横に振った。
「いいから。」
愛は、光の言う通うり逃げることにした。しかしゴブリンは、愛を追いかけ始めた。
そして、ゴブリンが愛に向かって、こん棒振りかざした。
「や、やめて――!」
その時、1本のナイフが飛んできてゴブリンの体を貫いた。
「な、なにが!?」
その時、光の声がした。
「愛、大丈夫か。」
光が体を引きずりながら来た。
「どうやら間に合ったらしいな。」
光は、渾身の力を込めてナイフ投げていた。
「光君こそ。」
「僕は、大丈夫・・・。」
『ドサッ』
光は、そう言いながら、倒れてしまった。
「ひ、かる君・・・。」
愛は、急に恐ろしい考えにとらわれた。
『光は自分をかばって怪我をして、それが原因で倒れてしまった。』
そう思うと、愛は怖くなった。
「私のせいで光君は、光君は。」
「ち、違う。」
光は、目を覚ました。
「光君!」
「御前のせいじゃない。」
光は気がつくと、全てを自分のせいにしようとしていた愛を止め始めた。
「僕が倒れたのは、僕が弱かっただけの話で君のせいじゃない。」
「違う、私がもっとしっかりしていたら、光君が私をかばって怪我をするような事は、無かったわ。」
「やめよう。」
「やめる?」
「もうやめよう。このまま言い争っていたら、きりがないし。」
「でも、血・・・。」
「大丈夫!」
「でも・・・。」
「行こう、愛さん!」
「うん。」
そう言うと二人は、通路を前に歩きだした。
それから、10分ほどたって明るくなってきた。
「光君、あそこ!」
「出口だ。」
二人は外に出た。
「ここは、森みたいね。」
「そうだね、愛さん。」
「どっちに行けばいいんだろう。」
「きっと、こっちよ!」
「じゃあ、こっちの方に行くか。」
光は愛が言った方に歩き始めた。
しばらくして愛が
「なんか、嫌な感じがする。」
すると、光は
「(第六感)って奴か?」
「そんなんじゃないけど・・・。」
『突風の音(ごめんなさい、風の音がどんな感じかわりません)』
「な、なんだ!」
その時、後ろで愛の悲鳴が聞こえた
「きゃあああああ!」
そこには、巨大な鳥が、足で愛を鷲づかみにして飛び去ろうとしていた。
「や、やめろ――!」
光は、巨鳥を全速力で追いかけた。
『クラッ』
光は、急に目眩がした。
「め、目眩が。いや、今はそんな場合じゃない。」
『ゴゴゴゴゴッ』
「何が!?」
光に向かって何かが飛んできた。
「あれは、火球!?」
巨鳥は、光に火球で攻撃してきた。
「うわ―!」
光は攻撃を、ぎりぎりの所でかわした。
光が巨鳥の攻撃に苦しんでいると、一本の矢が飛んできた。
「今度は、なんだ!?」
その矢は、巨鳥の足を射止め、愛をつかんでいた足が一瞬緩み、愛は真っ逆さまに落ちていった。
「愛!愛!だめだ。気を失っている。」
光は、愛に声をかけながら、愛の方に走りだした。しかし愛は、気を失っていたので
光は愛を受け止めようと下で構えた
「愛ぃぃぃぃぃ!!」
光は、愛を受け止め、地面に下ろした。
「おーい、大丈夫か!?」
「だれだ!」
猟人らしき男が光の方に走り寄ってきた。
「大丈夫か?」
「はい。あなたは?」
「俺はトール。近くの村で、いや、そんな事より女の子の方は?さっき鳥に襲われていただろ。」
「もしかしてさっきの矢は、トールさんが!?」
「まあ、そんなとこだ。」
「ありがとうございます。」
「ああ。俺の村に来いよ。」
「いいんですか?」
「もちろんさ、女の子の方も休ませた方がいい。」
「すいません。」
「なに、人間助け合いだろ。」
「はい!」
光は男の後を、愛をおぶって、着いて行った。
しばらくしてトールが、
「御前、大丈夫か?」
「別に疲れてなんか・・・。」
「そうじゃなくて、頭から血が出ているぞ。」
「これは、大丈夫です。」
「そうかそれならいいが・・・。」
「お、見えてきたぞ!」
「あそこですか!?」
「そうだ。」
Y 別世界での仲間・ハヤテ
フェールの村に着くと、トールは
「ちょっと、待っていろ!」
と言うと、村の村長を呼びに言った。
しばらくしてトールは、1人のおじいさんを連れてきた。
「こちらの方は?」
「この村の村長だよ。」
「僕は、光です。」
「そうか光君と言うのか。光君ここじゃなんだし、わしの家で話さないか?」
そう言うと、村長は光とトールを家に案内した。
「すいません。」
「何じゃ、トール。」
「怪我をしている子がいるんですよ。」
「怪我?だったら、来客用の部屋にベッドがあるから、そこで休ませるといい。」
「ありがとうございます。」
「礼を言われるほどの事じゃない。部屋まで案内しよう。」
光は村長に来客用の部屋に案内された。
部屋に着くと村長が
「そこのベッドにあるから、寝かせておいてあげなさい。」
光は、村長が言ったベッドに、愛を寝かせ部屋から出ようとした。
『トサッ』
「お、おい!」
この時、光はゴブリンとの戦闘や巨鳥の放った火球のダメージと、重度の出血をしていた上に
村に着くまで愛をおぶってきた光の体力は限界に達していたため、倒れてしまった。
「ひ、光君だいじょうぶかい!?」
トールは、光が愛より重度の怪我をしている事に気づいた。
「こっちの方が酷いぞ!」
トールは、光が怪我をしている事は、知っていたが
さっきまで元気だったのでここまでとは思ってもいなかった。
トールは
「まるで、モンスタ―か何かと戦った跡だ!」
村長はト―ルに
「ひとまず、手当てをして隣のベッドで休ませておけ!」
と言った。
トールと村長は驚いたが光をもう一つのベッドで休ませることにした。
その日の夜。光はある夢を見た。そう、99%を占う男の夢を
「失う。」
「大切な者を失う。」
「・・・・・・・・」
「光君!光君!」
誰かが光を起こしてきた。
光が起きると、そこには愛がいた。
「愛さん。」
愛は、光が起きて安心しているようだった。
「大丈夫?」
「もちろん。」
光は、ベッドから降りようとしたが、
『ズキッ』
「うっ!」
光を、急に頭痛が襲った。
「光君!」
愛が急に苦しみ出した光を心配して声をかけた。
「無理するな!」
「トールさん。」
「若葉さんに、話しは聞いている。ゴブリンと戦ったそうじゃないか。」
「ま、まあ。」
トールは、光に
「後で来い。紹介したい奴がいる。」
「あっ、はい。」
そう言うとトールは部屋から出ていった。
光がまたベッドに横になると愛が
「紹介したい人って誰だろうね。」
と言ってきた。
「そうだな、誰だろう?」
『コンコン』
「誰か来たみたいだよ。」
愛がそう言いながらドアに向かって走り出した。
「だれだすか?」
愛がドアを開けると自分と同い年くらいの少年が立っていた。
「よっ!」
「貴方は?」
少年は
「オレはハヤテ。御前らが親父が言っていた・・・・・」
「どうしたの?私は愛。あっちが光君。」
「愛さんって言うんだ(か、可愛い)。」
「え、ええ。」
「良い名前だね。」
愛は、笑いながら
「ありがとう。」
とハヤテに言った。
「やあ、僕は光。よろしく!」
「光君だね。オレはハヤテ。こちらこそよろしく(こいつは邪魔だな)。」
「なんか言った?」
「べ、べつに(あ、あぶね―)。」
ハヤテが光達と話しているとトールが来て
「どうだ、少しは楽になったか?おっ、ハヤテも来ていたのか?」
「トールさん。もう大丈夫です。」
「親父、何しに来た?」
「おいおい、ハヤテこそ何で此処に居るんだよ。」
ハヤテは、言葉に詰まった。
「そ、それは(止めてくれ、親父)。」
「まあいい。光、ちょっと来い!」
「あっ、はい!」
「じゃあ、俺はしばらく此処に居るよ(OK)。」
ハヤテがそう言うと、トールが、
「すぐに戻ってくる。」
と言って、光を連れて部屋を出て行った。
Z 光の暴走・シャドー
光は、トールに歩きながら話しかけた。
「トールさん、僕に合わせたい人ってだれですか?」
「俺の親友だ。」
「どんな人ですか?」
トールは光に
「剣術の使い手だ。まあ会えば、だいたいどんな人かは分かるさ。」
「そうですか?」
そう言いながらトールは、光をある家に案内した。
「おーい、ディス。」
「なんだ。」
1人の男が出てきた。
「トールか、なんだ?」
「おいおい、御前の腕を見込んで光を連れて来たのによ。ディス。」
ディスは思い出したかのように
「ああ。昨日言ってた奴か。」
「ああ。」
トールは、光に
「あいつはディス、俺の親友だ。」
「ディスさんですか。」
「そうだ、この辺はモンスタ―という化け物がいる。御前も剣の使い方ぐらい覚えておいた方が良い。それに・・・。」
「それに?」
「ガールフレンドも守れないようじゃな。」
「そんなのじゃ在りません!」
「てれるな。てれるな。」
「トールさん!」
トールが光にそう言っていると
「なるほど、そう言うことか。」
「ディ、ディスさん!」
気づくと、隣でディスが光とトールの話しに聞き耳を立てていた。
トールがディスに
「そう言うことだ。よろしく頼むよ。」
ディスは
「しゃーねえな。」
「さすが、我が友。」
「はいはい。」
「それじゃあ俺はこれで。後はよろしく!」
と言いながらトールは去っていった。
光がトールを見送っていると、ディスが光に
「光だっけ?」
「そうですけど。」
「じゃあ光君、始めに俺の家の前に剣が何本かあるから、2〜3本持ってきてくれ。」
ディスはそう言いながら家の方を指差した。光は
「はい!」
と言って、すぐに取りに行った。
家の前に着くと、剣が5〜6本置いてあった。光はその中から適当な剣を2〜3本とって
ディスのいる方に戻っていった。
「持ってきました。」
そう言うと光は持ってきた剣を地面に置いた。
ディスは、その中から剣を1本取って光に渡し、
「ついて来い!」
と言いながら光を連れて家の裏にある林の中に入っていった。
「どこに行くんですか?」
と光が聞くとディスは
「特訓のための秘密の場所だよ。」
と言って、草木を掻き分けて奥の方に進んでいった。
しばらくして池の近くの木が、あまり無い場所に出た。
ディスはそこで止まると、光に
「ここが特訓用の場所さ。」
そう言うとディスは、光に剣の持ち方から戦い方を教え、
その練習が2〜3時間続いた。
3時間ほど経って、ディスが
「光君、休憩を入れよう。」
と言った、光はディスに
「ディスさん、剣を借りていていいですか?」
「別にかまわんが、今は休憩時間だから休んでも良いんだぞ。」
光は
「個人的にちょっと、練習を・・・。」
「そうか。だったら、しばらくしたら戻ってこいよ!」
「はい!」
光が行ったのを確認してディスは
「ちょっと、つけてみるか。」
ディスはそう言うと
光の後をつけることした。
そのころ、光は林の中を歩いていた。
「僕は守りたいものがある。だから僕は強くなる。そのためには・・・。」
『ガサガサッ』
「なんだ!?」
突然、光の目の前に鳥のような生き物が出てきた。
「こいつは!?」
その鳥は光を襲ってきた。光は攻撃をかわした。
「こいつもモンスターか!」
光はそう言うとモンスターと戦い始めた。
鳥のモンスターに光は攻撃を与えられずにいた。
「くっ!」
不意をついて鳥のモンスターは、翼を光に叩きつけて攻撃してきた。
「こいつ!」
しかし、光が攻撃しようとすると、鳥のモンスターは、すぐに光から離れ攻撃をかわした
「ど、どうすれば。」
その時、光は思った。
『ここで弱音を吐いている様じゃ絶対誰も守れない!』
光がそう思った瞬間、剣がいきなり光だした。
「こ、これは!?」
そのころディスは光を探していた。
「あいついったいどこまで行ったんだ?」
「け、剣が!」
光の声が聞こえてきた。
ディスは、
「あっちか!」
と言うと声が聞こえた方向に走り出した。
光はいきなり光だした剣にびっくりしたが、それと同時に
(行ける!これなら行けるぞ!)
と思った。
光は、鳥のモンスターを渾身の力で切りつけた。
「くらぇぇぇぇぇ!!」
そして、なぜかその時、光には時間が止まったかのように見えた。
「や、やった!」
ディスはその一部始終をみていた。
「あ、あれは。」
その時、光の悲鳴が聞こえた。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
「なんだ!?」
「ひ、ひか・・・。」
ディスが光に話しかけようとした瞬間、光が叫んだ。
「ディスさん!に、逃げて!ぼ、僕は!わぁぁぁぁぁ!!」
ディスが
「ど、どうした!?」
と訊くと光がディスに、
「は、早く逃げて。早く!」
ディスが
「どういうことだ!?」
といったその時、光がディスに向かって剣を振りかざした。
「や、やめろ!」
ディスは、なんとか光の攻撃を寸前で交わした。
しかし次の瞬間、光はディスの背後に回っていた。
「は、早い!」
そう言った瞬間、光はディスを斬りつけていた。
「ぐはっ!」
光はディスを斬りつけ走り去った。
ディスは光がいなくなったを確認して
「と、止めなくては!」
と言い、
光の後を追い、駆け出した。
そのころ、愛はハヤテに村を案内してもらっていた。
「愛さん。」
ハヤテが愛に話しかけた。
「なに?」
「いや、何でも無い(いざ言うとなると光君とはどういう関係なんて聞けないよな)。」
「どうしたの?」
「何でもないよ。」
その時
「逃げろ!早く!」
と言う叫び声が聞こえてきた。
「貴方は?」
「俺はディスだ。それより早くここから逃げろ!」
「どうして?」
「後から話す。だから今は早く!」
愛とハヤテは、走り出した。
「ハヤテ君、どうして逃げろってディスさん言ってたんだろう?」
ハヤテは深刻な顔して
「わからない。でもディスさんは村で1番強い人だ。
そのディスさんが言うんだ。ここは逃げた方が良い。」
と言った。
しばらく走って村の中心部についた。
ハヤテはついたとたんにトールに
「親父!」
と叫んだ。
「なんだ!?」
トールが走ってきた。
「トールさん!」
ハヤテがト−ルに
「親父、ディスさんが逃げろって!」
トールは
「どういうことだ!?」
「わからない!」
「ディスはどこだ!?」
「あっちだ!」
「わかった!」
そう言うとトールは、ハヤテが指を指した方向に走っていった。
「ディス!お〜い、返事しろディス!」
トールは走りながらディスの名を呼び続けた。
「こっちだ!」
ディスの声がした。
「ディスどう言うことだ!それに背中の傷は!?」
「これか?光にやられたんだ。」
トールは驚いて
「光が!?どうして!?」
「わからないが、とにかく今の光は正気じゃない。」
「なに?」
「とにかく、今は早く皆を村から・・・。」
その時、
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
愛の叫び声が聞こえた。
「なんだ!」
トールが向かう。
「俺が先に行く。御前も後から来い!」
「ああ。」
そのころ、愛の目の前でハヤテが光と戦っていた。
「こいつ!」
ハヤテの隙をついて光が斬りかかった。
「うわぁぁぁぁ!」
その時、トールがぎりぎりの所でハヤテを助けた。
「大丈夫か!?」
「助かったぜ親父。しかし光の奴いったいどうしちまったんだ!?」
「わからん。しかし、今の光は正気を失っている。御前の弓だ急所を外して攻撃してくれ!」
「わかったぜ親父!」
ハヤテがそう言った瞬間、光がハヤテに斬りかかってきた。
「来たぞ!」
トールが言った。
「分かっている!」
ハヤテは、そう言うと光に向けて矢を放った。
しかし、光は矢を受け止め、そのままハヤテに剣を振り上げ攻撃してきた。
「なに!?オレの矢を素手で!」
「危ない!」
ハヤテは急いで避け、すれすれのところで光の攻撃をかわした。
トールが叫んだ。
「右だ!」
「えっ!?」
光はハヤテがかわした方向に先回りしハヤテの横っ腹を殴りつけた。
「うわっ!」
光は、ハヤテにとどめをさそうとしていた。
「止めて!」
愛が光を止めようと後から抱きついて
「光君、もう止めて!」
と光に叫んだ。
その頃、ディスは光が急に正気を失った理由を考えていた。
「なぜ光は急に正気を失ってしまったのだろうか?たしか鳥のモンスターと戦った後に・・・。」
ディスは急にもう1つの疑問が浮かんだ。
「そういえば、あの鳥のモンスターは普段は人を襲う事はない温厚なモンスターだ。
しかしなぜ・・・・・ま、まさか!」
ディスは光が正気を失った理由が分かった。その時、
「光君、お願いもう皆を傷つけないで!」
と光に言っていた。
「ト−ル、わかったぞ!」
ディスが、血を流しながら走ってきた。
「ディス、何がだ!?」
「光が正気を失った原因だ。」
「なに!?」
ディスはト―ルに
「原因は『シャドー』だ!」
と言った。
「他の生物にとりつき。害を与えるモンスターか!」
「そうだ。」
「しかしどうすれば。」
「たしかシャドーは、光系の魔法、攻撃に弱いはずだ。」
「しかし光系魔法、攻撃なんてどうすれば?」
トールとディスが話している最中に愛が
「トールさん、光が・・・。」
「光がどうした!?」
トールとディスが愛達の方を見ると、光が気を失って代わりに黒い影のようなモンスターがいた。
「黒いのが急に光から出てきて、そしたら光が。」
それを聞いたトールはあせって、
「逃げろ!そいつが光を操っていた奴だ!」
「黒いのがですか!?」
「そうだ、だから早く!」
その時、
「うううっ!」
光がうめいた。
「光、大丈夫?」
「僕は、今まで?」
光は気がついて起きあがろうとした時トールが、
「危ない!」
と言った。光が後を見ると、黒いモンスターが襲いかかってきた。
「こいつは!?」
光がト−ルに言った。
「シャドーだ!今の今まで御前を操って俺達を襲わせたんだ。」
「僕が・・・あいつに!?」
「そうだ!」
その時、
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
愛の悲鳴が聞こえた。
[ 光の精霊・ルクス
光が見るとシャド−が愛に攻撃をしようとしていた。
「愛!今行くぞ!」
しかし光が行くとシャドーは、愛を盾にしてきた。
「光君!助けて!」
しかし、シャドーは愛を盾にしていて思うように攻撃できない。
「くっ!(僕は、また愛さんを守る事ができないのか?)」
(光の剣。光の霊剣を使うんだ。)
「だ、だれだ!?」
(光の精霊『ルクス』)
「ひ、光の精霊!?」
(そう。光の精霊。)
「光の精霊、どうすればいい!?」
(今さっき言っただろ!)
「光の霊剣!」
(そう。光の剣さ。)
「ど、どうすればいいんだ!?」
(僕の力を君が引き出すんだ。)
「引き出す?」
(うん。僕の力は君の守りの心に反応する。)
「守の心?」
(大切なものを守りたいと思う心さ。)
「心!」
(君の守りの心を僕の力で具現化する。だから君も僕の力を引き出してくれ!)
「分かった!」
光は剣を地面におき、守る心を念じてみた。
(僕は、守るための力が欲しい!)
ルクスの声がした。
(行くよ!)
そう言うと、ルクスは呪文のようなものを唱え始めた。
(我が主の守りの心、我が光の力を用いて剣とする、いでよ光の霊剣!)
ルクスが唱え終わると、光の前に光り輝く剣が出てきた。
光は、輝く剣を取ってみた。
「これが、光の霊剣。」
(そうだ!)
「これで奴を倒すことができるんだな。」
(後は君の実力しだいさ。)
「分かった!」
光はそう言うとシャドーに向かって走りだした。
「食らえ―――!!!!!」
光はシャドーの一瞬の隙をついて斬りかかった。
シャドーは愛を放して逃げ始めた。
「ハヤテ、愛を頼んだ!」
そう言うと光はシャド−の後を追いかけ始めた。
「お、おい。光ちょっとまて!」
ハヤテが光を呼び止めようとしたが、すでにそこにはいなかった。
「光の奴。」
ハヤテはため息をついた。
その頃、光はシャドーを追いかけていた。
「くそっ!追いつけない!」
光はどんどん森の奥へと入っていった。
光とシャドーの追いかけっこは、しばらく続いたが、ある滝の近くで追いつめることができた。
「やっとおいつめたぞ!覚悟しな!」
そう言うと光はシャドーに斬りかかったが、シャドーは攻撃をかわし、光がひるんだ隙をついて襲いかかってきた。
「危ない!」
ルクスが叫んだ。
「そう簡単にやられてたまるか!」
光はとっさに剣をシャドーに突き立てた。
「これでどうだ!」
シャドーは攻撃を止めて間合いをとった。
そのまま手から黒い球状の物体を光に向けて飛ばしてきた。
「な、なんだ!?」
光は一瞬ひるんだが、シャドーに接近して斬りかかった。
シャドーは光にまた黒い球状の物体をぶつけてきた。
「同じ手を何度もくらうかよ!」
そう言うと、光は攻撃を避けつつ、シャドーに接近しシャドーを斬りつけた。
「こ、これでどうだ!?」
光はそのまま連続で攻撃しシャドーを倒す事に成功した。
「とっとと、くたばれ!」
光は、もと来た道を走り村に戻り始めた。
\ 襲撃・フェ―ル
光は村に戻って言葉を失った。
「な なぜ・・・・・・・・?」
光が村に戻ると村は廃墟となっていた。
「いったい・・・なにが!?」
「ひ、光か?」
トールの声がした。
「お、俺だ。ト、トールだ。」
「ト、トールさん!いったい何があったんですか!?」
「モンスターの軍団が・・・・!そ、それと連れの娘は大丈夫だ。ハヤテもついている。
あいつの弓の腕はたしかだ。安心しろ。」
「そうですか。」
「ひ、光。御前は・・・・・・。」
「ト、トールさん!トールさん!」
トールはそう言うと静かに息を引き取った。
「な、なんで皆が!?」
「これが貴方の運命。」
不意に誰かの声がした。
「御前は『99%を占う男』」
そこには99%を占う男が立っていた。
「フフフ、この村を襲ったのは魔王の使い。」
「魔王の使い?」
「そう。」
「だったら僕はその魔王の使いを、この村に差し向けた魔王を倒す!」
「なぜ?」
「こっちの世界(別世界)に来て始めて僕を受け入れてくれた人達だ。」
「それで敵を討ちたいと。」
「それもだけど、これ以上、村や町が襲われるのは見たくない。」
「そうですか、だったらライドミックに行きなさい。」
「ライドミック!」
「フフフ、聞いたことくらいありますよね。」
「そこに行ってどうしろと。」
「町の護衛隊長をたずねてみてください。」
「護衛隊長をたずねてどう・・・・・い、いない!」
光が見るともうそこに男の姿は無かった。
「行ってみるか、他に当ても無いし。」
光はライドミックに向かって歩き始めた。
] 護衛隊長・ロイ
それから数日、光はライドミックに向かって歩き続けた。
向かっている間にも数十匹のモンスターと戦い、
並みの戦士にも劣らないどころか、それ以上の実力者になっていた。
そして次の日、光はライドミックの門の前にいた。
光は兵士に、
「護衛隊長と話しをしたいんですけど。」
と言った。
兵士の1人が光に
「ロイ隊長は忙しいんだ。御前みたいな奴と話しをする暇は無い。」
と言ってきた。
「でも・・・。」
「でもじゃねえ。」
「何をしている!」
後から声がした。
兵士の一人が慌てたように
「ロ、ロイ隊長。な、何か御用で?」
「いや、声がしたので何かあったのかと思ったんだが勘違いか。」
「それが、そこの餓鬼がロイ隊長と話したいと言っているんですよ。」
光を見てロイは
「お、御前は先日の・・・。」
「あ、貴方は初めて此処に来た時の・・・。」
「ここに何しに来た!?」
「だからさっき聞いていた通り話をしに来ました。」
「御前などと話す事はない!」
兵士の一人がロイに
「隊長、大変です。」
「どうした!?」
「モンスターがこちらに向かって来ています。」
「なんだと!?」
「しかも、最近この辺で暴れ回っていると聞く、ブラッドホーンです。」
「なに巨大な角を持つというあれか!?」
「はい!」
その話を聞いていた光は
「すいません。あいつを倒せば話をしてくれますか?」
「御前にあのブラッドホーンが倒せるか!いくぞ!」
そう言うとロイは兵士を連れてブラッドホーンに攻撃をしに行った。
しかし、兵士の攻撃はあまり効かないようだった。
兵士の一人が
「ロイ隊長、応援を呼んだほうがいいのでは?」
「そうだな呼んできてくれ!」
「はい!」
それを聞いていた光は
「その必要はありません!」
と言うとものの3分ほどでブラッドホーンを倒して再度
「話をしていただけますか」
と訊いた。
ロイは光に、
「いいだろう。しかし、ここじゃなんだから城にある私の部屋に来てくれ。」
「はい。」
「そうだ!そろそろ交代の時間だ!もう少ししたら戻って来い!」
そう言うとロイは光を自分の部屋に案内した。
部屋に着くとロイは
「私はこの城や町の護衛部隊隊長のロイだ。君は?」
「僕は光です。」
「では光君、私に話をしに此処まで来たらしいがいったい何の話をしに来たんだい?」
「魔王の事について聞きたいんです。」
「魔王『デイル』の事か。」
「知っている事があったら教えてください。」
「いいだろう。このライドミックのあるフォンル大陸から遥か東にラファイラと言う大陸がある。
その大陸の南に当たる位置にある谷があるのだがそこにデイルの城がある。
通称『デイル城』と呼んでいる。デイルは闇の魔法が得意で武術、剣術にも長けている。
特にデイルが持つ闇の宝刀ダークネスソードは一振りで、
山を削り、川の流れを変え、大地に谷を作るほどと知られている。
光魔法に弱いと聞くが実際はどうなのか私も知らない。私が知っているのは
このくらいだが役に立てたかな?」
「はい、ありがとうございます。」
「光君、ここで相談だが今さっき言ったフォンル大陸とラファイラ大陸の間に
ミランと言う大陸がある。そこにコックルと言う国がある。その国がデイルと戦争
をしていて先日応援をよこしてくれと言う連絡があったんだ。それでそのための
部隊が作られたのだがその中に私の息子がいるのだ。君も一緒に行って欲しい。」
「僕がですか!?」
「王の方には私から言っておく。もしこれで手柄を立てれば私が王に、頼んで我が国のデイル討伐隊に入れてくれるよう言ってみてやってもいいがどうする?」
「少し時間を下さい。」
と言うと光は考え始めた。しばらくして、
「2つ約束してください。」
「なんだね、言ってみなさい。」
「1つ目は前に僕が此処で捕まった時、同じ牢に入れられていた娘がいましたよね。
愛って言う名前なんですけど、もしここに来たら、力になってやって下さい。」
「良いだろう。で、2つ目とは?」
「2つ目はさっき言った、愛と言う娘が来たら僕は死んだと言っておいて下さい。」
「約束しよう光君。しかし、なぜ自分を死んだ事にしようとする?」
「僕の目的のために大切な人を危険な目に合わせたくないんです。」
「なるほど、そうだ君に合わせたい人がいるんだ。」
そう言うと、ロイは光を連れて部屋を出た。
]T ・レイ
「誰ですか?」
「さっき言った、私の息子だよ。」
そう言うとロイは光をある部屋の前に連れてきた。
光がロイに
「ここがさっき言っていた人の部屋ですか?」
「その通りだよ。」
そう言うとロイは部屋のドアをノックした。
「だれですか?」
中から1人の少年が出てきて
「なんだ父さんか。」
と言った。
「レイに紹介したい人がいるんだ。」
「だれですか?」
レイが聞くとロイは光に
「とりあえず、自己紹介をしてくれ。」
と言った。
光は、
「音霧 光です。よろしく!」
「僕はレイ、こちらこそよろしく。」
「光君もレイ達と一緒にコックルに行く事になった。」
「そうですか。せいぜい足を引っ張らないよう言っといて下さいね。」
そう言うとレイは光の横を通って城の奥の方に歩いて行った。
ロイは光に、
「レイは子供の頃から剣術を教えてきた。しかし、そのせいで周りをバカにしたような態度を
とる事があるんだ。だから友達が少ないんだ。良ければ仲良くしてやってくれないかな?」
「いいですよ。」
「そうか、ありがとう。今日はここに泊まっていきなさい。」
「いいんですか?」
「もちろんいいとも、部屋に案内しよう。」
そう言うとロイは、光をある部屋に案内した。
「この部屋で休んでくれ。明日は早いからよろしく頼むよ。」
「はい。」
「そうだ、まだ昼だから町の様子でも見ながら散歩でもしてみたらどうだ。」
「じゃあそうさせてもらいます。」
「早めに戻ってこいよ。」
「分かりました。」
そう言うと光は、ロイの横を通り部屋からでて行った。しかし、すぐに戻ってきて
「すいません。出口はどこですか?」
と言った。ロイは少し笑いながら
「私の後をついてきてくれ。」
と言った。
けっきょく光は、ロイに案内をしてもらって、やっと出る事が出来た。
光は、城の外に出て町に入ると、武器防具屋に入った。
店の中は戦士やハンターが壁に掛かっている大小様々な剣や盾を選んでいた。
壁に掛かっているのは剣や盾だけでなく、弓矢や鎧、マントもあった。
光はたくさんの剣や盾の中で青い盾を見つけカウンターに持っていった。
店の人に剣を見せると店の人は光に、
「あなたは実にお目が高い。この盾は、この町で1番の盾職人リグウさんの力作、ミスティシールド。」
「ミスティシールド?」
「はい。このミスティシールドには、水と氷の魔法石が埋め込まれており炎の攻撃には強くできています。」
「魔法石?」
「魔法石とは魔力が宿っている石の事です。魔法石にはそれぞれ属性があり、その属性に強い属性や逆に弱い属性があります。」
「じゃあこれをください。」
「毎度!」
光は盾を買って店を出た。
光は町の飲食店に入った。
光は空いている席に座ってパンとサラダとミルクを注文した。さすがに注文したものが簡単なだけにあっという間に届いた。
光の後ろの席でゴツイ男が仲間のゴッツイ男と何かを話していた。
光は、ゴツイ男達が話していた事を聞いて驚いた。ゴツイ男達は、
「知っているか?また村がモンスターに襲われたらしいぜ。」
「ほんとかよ?」
「ほんとなんだよ。それで、運良く逃げられた子供が2人居てな、この町の宿屋にいるんだよ。」
「その運が良い子供どうしてるんだ。」
「一人は弓矢を持っていて、もう一人は未熟だが白魔法が使えて。そうそう、なんか人探しをしているっていっていたな。」
「誰を探してるんだ。」
「たしか、音霧がどうとか言っていたな。」
光は驚いて食べていた物がのどに詰りかけた。
光はすぐに店を出ようとしたが、ちょうど愛とハヤテが店の前を通ったので、店の人に無理を言って
裏口から外に出た。その後、光がひと気のない場所を通って城に戻ったのは言うまでもない。
城に戻るとロイが光を待っていた。
「君に見せたい物があるんだ。」
「なんですか?」
「見れば解る。」
そう言うとロイは、光を連れて城の庭に案内した。
「見せたいものってなんですか?」
光が聞くとロイは庭の真ん中を指差して
「あれだ。」
と言った。光が見るとそこには、十字架が立っていた。近くで見ると音霧光と書いてある。
「ロ、ロイさんこれはなんですか。」
「見てのとおり、君を死んだ事にしたのさ。」
「なるほど・・・。」
「それと、城の兵士や王、女王様にも君の事を死んだ事にしておいてくれと頼んでいるから安心したまえ。」
光とロイが話していると、一人の兵士が走ってきた。
「ロイ護衛隊長、緊急の隊長会議があります。」
「隊長会議かわかったすぐ行く。君、ちょっと光君をあそこに連れて行ってくれ。」
「あそこって・・・つれていっていんですか?光君は子供ですよ。いくら、ロイ隊長が見込んだからって危なくありませんか?」
「彼なら大丈夫だ。」
「しかし・・・わかりました。」
ロイは光に。
「今から会議があるんだ。兵士に後の事を任せている。後で来るから今はそこの兵士の言う事を聞いてくれ。」
そう言うとロイは城の中の方に向かって歩きだした。
]U VS・レイ
兵士が光に、
「武器を今持っていますか?」
光は先ほど町の武器屋で盾を買ったので盾は持っていたが剣は部屋に置いてきていた。
光は、
「すいません。部屋に剣は、置いたままなんですが、取って来てもいいですか。」
「構いませんよ。取って来てください。」
と答えた。
光は城の部屋に置いてきた剣を取りに行った。
しばらくして、光は剣を取って戻ってきた。
光が戻ってきたので兵士は、
「僕は、グフォン。僕の跡についてきてください。」
と言ってきた。光は、
「グフォンさん、どこに行くんですか?」
「行けば解るさ。」
と答えた。
しばらく歩くと、大きな建物が見えてきた。
光は、グフォンに
「あの建物はなんですか?」
と聞いた。
「闘技場だよ。」
と答えた。
グフォンは光に、
「ここは、さっき言ったけど闘技場で格闘大会や剣術大会などが開かれているんだけど、月に2回〜3回くらいなんだ。それでさっき言ったような大会がない時は兵士の練習場所として使っているんだ。」
「なるほど。」
「光君はコックルに行くんでしょ?だったら、ここで少し練習するといいんじゃないかな。」
「わかりました。」
光はそう言うと闘技場のなかに入って行った。
闘技場の中では、たくさんの兵士がお互いに剣を交えあったり、一人で基礎練習をしたりしていた。
その中にレイが練習しているのを見かけた。
光はレイに、
「いっしょに練習しないか。」
と言ったが、レイは
「君みたいな雑魚と練習をするくらいなら1人でやった方がまだ上達するよ。」
と言って別の場所に移動していった。
1人の兵士が光に、
「あんな奴ほっといて俺と練習試合でもしないか。」
光は、
「あ、はい。やらせてください。」
兵士は
「おっ、威勢が、いいな。じゃ、はじめるか。」
そう言うと、兵士は光との間合いをつめてきた。
兵士は光に
「行くぜ。」
と言うと、斬りかかった。
光は持っていた盾で攻撃を受け止め、
「次はこっちの番だ。」
と言って兵士の横腹を斬りつけた。
兵士はその場で倒れてしまった。
光は兵士に駆け寄って
「大丈夫ですか?」
と言った。
兵士は光に、
「大丈夫だ。でも、君なかなかやるな。まさか1撃でやられるとは思わなかったよ。」
「でも、貴方の攻撃も一瞬冷やりとしましたよ。」
「それはありがとう。でも、おそらく俺より君の方が強いと俺は思う。」
「僕はそんなに強くはありません。」
「やっぱり『能ある鷹は爪を隠す』な。俺は前にレイと練習試合で戦った事があるけど、君の方が強かった。いつも自分は強いみたいに言っている奴より、君みたいにでしゃばったりしない奴が意外と強かったりするもんだ。」
その話を聞いていたレイは兵士に向かって
「おい!僕がそこの雑魚より弱いって、ふざけるな!あんな奴より僕のほうが強いに決まっている。」
「だったら戦ってみたらどうだ。」
「言われなくてもそうするさ。おい、僕と戦え。」
「別にいいけど。」
光がそう言うとレイは剣を2本、鞘から抜いた。
それを見た光はレイに、
「おまえ、もしかして。」
「そうだ、2刀流だ。いくぞ!」
そう言うとレイは、光に斬りかかった。
光は右の攻撃を剣で止め、左の攻撃を盾で止めた。
レイは、光に、
「少しはやれるようだな。しかし、これならどうだ!」
そう言うとレイは、間合いを取りそのまま光に向かって走り、斬りつけてきた。
光は攻撃を盾で止めた。レイは、光に、
「気を抜くなよ。」
と言った。光は、次の攻撃が来るのに気付いた。
「しまった!」
光がそう思った次の瞬間、レイは光を斬りつけた。
「くっ!」
光がうめいた。
レイは光に、
「この『ダブルスラッシュ』は僕の攻撃の中でも強い攻撃だ。立ち上がってこられるはずがない。」
レイは光にそう言って立ち去ろうとした時、
「待て!」
レイが振り向くと、光が立ち上がって剣を構えていた。
レイは、光に、
「お、御前・・・。なんで立ち上がってこれる?」
「今、君に負けたら、僕はきっと、この先、護るべき人を護る事が出来ない気がする。」
「だったらこの僕を倒すんだな。まあ、出来ればの話だがな。」
「絶対に倒す。いや、倒して見せる。」
「ああそうかい。じゃあ、そろそろ本気をださせてもらうよ。」
そう言うと、レイは光に再度、『ダブルスラッシュ』を使ってきた。
光は、1度目の攻撃を止めた。
レイは光に、
「光、1度目の攻撃を止めたくらいでいい気になるなよ。」
そう言うとレイは1度目の攻撃より、さらに速く攻撃を繰り出した。
光は、
「これならどうだ!」
と言うと、ジャンプして攻撃をかわした。
レイは光に、
「たっ、たった、1回攻撃を見ただけで僕の『ダブルスラッシュ』を交わしただと!?」
レイは光から離れて間合いを取ると、
「これならどうだ」
と言って、剣を後ろから前に地面を引っかくように振りながら、
「くらえ、僕の必殺技『アーススラッシャー』」
と言うと、地面の中を何かが光めがけて直進してきた。
「な、何だ?」
光がそう言ったとたん、何かが光を切り刻んだ。
レイは、光に、
「この技は絶対に交わす事は出来ない。さっきの『ダブルスラッシュ』とは比べ物にならない威力の技だ。」
そう言うとレイは、5回連続で『アーススラッシャー』を繰り出した。
しかし、光はアーススラッシャーを全て交わした。
それを見たレイは、
「な、なんで、僕の必殺技である、『アーススラッシャー』をす、全て変わる事ができるんだ!?」
光はその時、レイの隙を突いて、間合いを詰め、
「油断したな!」
と、レイに言うと、光は、そう言うとレイの腹部を峰打ちした。
「ぐはっ!」
レイはその場で倒れた。
レイは気がついた。そこは、レイの部屋にあるベッドの上だった。
「僕は・・・。一体・・・。」
そこには、光とロイが居た。
「気がついた?」
光が心配して声をかけた。
「僕は・・・。負けたのか…?」
レイが訊くとロイが答えた。
「どうやら、そうらしいな。言っただろ、光は強いって」
ロイが言うと光は
「僕はそんなに強くありません。それより、レイ君。大丈夫?」
光が訊くとレイは驚いたような顔で
「何故だ。何故、僕を心配する?」
「何故って、仲間だからに決まっているよ。」
光は当然のように言った。
「僕は君と仲間になった憶えは無い。」
そんな事を言うレイに対し、光は
「それでもいいよ。いつか、認めてくれれば。」
光がそんな事を言うのでレイは驚いて
「なっ!単純だな、御前って。」
そこへ、ロイが話にわって入り
「その単純に御前は負けたんだろ。」
「ちょっと油断しただけさ。次こそは、光、御前に勝たせてもらう!」
と、レイは言った。
「それだけ言えれば大丈夫だな。私はもう行くからな。光君、今日はもう遅いから、休んでおくといい。」
そう言ってロイは部屋から出て行った。
光が部屋から出ようとするとレイが、
「光、明日が楽しみだな。」
と言ってきた。
光は、
「そうだな。」
と言って、部屋を出た。
光は部屋に戻ると、疲れていたので、すぐに眠りについた。