地球転生

                                  H・M

二〇七〇年 八月

「魔界軍が来たぞ!皆、逃げろ!うゎっ!」

見張りは撃たれてしまった。

「キャーキャー」

更に銃の音は止まない。

「こっちも反撃だ!」

隊長部下に命令した。

そして、銃撃戦の中、一人の少女が武器を持ち、共に戦っていた。

「仕方ない!あの兵器を使え!」

「隊長!でも、あれはまだ調整中です!」

「他に手段が無いんだ!結局は誰か行かなくちゃいけないんだ!」

「分かりました。では、自分が行きます。」

「それならこれを持っていけ」

隊長は敵を打ちながら、袋と時計を渡した。

「これは?」

「小型爆弾とアクセル装置だ。爆弾は貼り付ける事ができる。アクセル装置はボタンを押して三秒間チャージすれば十秒の間だけ音速の速さで動ける。ただし、3回しか使えない。」

「ありがとうございます。それでは、行ってまいります。」

そう言って飛び出した瞬間、

「うゎー・・・!」

部下は敵に撃たれてしまった。

「草加‐‐‐‐!」

隊長は悔やんだ。油断して部下を失ってしまったからだ。

その時、なんとか生き残っていた一人の少女が、部下の所持品を拾い、飛び出して行き、ある装置の前に立っていた。

「装置を起動させて!」

「何を言っているんだ!」

「いいから早く!」

「起動させてやれ!」

隊長が言った。

研究員の一人が装置の電源を入れた。

「でも、上手くいくか分からない。」

「それでもいいの!必ず皆を助けるから!」

そう言って少女は、その装置に空いた穴に入っていった・・・。

第一章 謎の少女

二〇〇三年 八月

原宿のマンションに住んでいる、時坂 直紀君(現在十三歳)は、いつも通りに夏休みを満喫しているはずでしたが。今日は一学期中、授業をサボってばかりだったので、補修を受けていました。

そして、その帰り。

「あ〜あ。せっかくの夏休みなのに補修なんてつまんね〜よな。」

「あれ?人が倒れている。」

そこには少女が倒れていた。

「おい!どうしたんだ!しっかりしろ!」

「う〜ん。」

「はっ!こっ、ここは。貴方は誰?」

少女は気がついた。

「それは、こっちが聞きてえよ。おまえ誰なんだよ。なんで、こんな所で気絶してんだよ。」

「私は、美継。タイムルートを通って此処へ。そうよ!今は何年なの?!」

「何言ってんだよ!変な奴だな。二〇〇三年に決まっているだろう。」

「それで。何月。」

「八月だよ!全く、本当に変な奴だな!」

「後、八ヶ月。」

美継は呟いた。

「とにかく、俺は今から友達の家に行くんだ。じゃあな。」

直紀は、友達の今生 進君の家に向かいました。すると、美継がついて来ます。

「もう!何なんだよ!」

「お願いです。話を聞いてください。」

「もう!分かったよ。じゃあ、進の家で聞くから。」

直紀は、諦めて一緒にの家に行った。

                                                 

                                                 

                                                       

                                                 

                                                 

                                                 

                                                  

                                                    

                                                     

                                                 

第二章 仲間

「よう直紀。やっと来たか。おっ!もしかして後ろに居るのは彼女か?とうとう作りやがったな。いいよなあ!おい。」

「そんなんじゃねえよ!こいつが勝手に付いて来たんだよ。」

「気絶している所を助けて貰ったんです。たしか、貴方は進さんでしたよね。私は、美継です。よろしくお願いします。」

「よ、よろしく。」

は急に言われたので少々、戸惑いながらも答えた。

「なんで、戸惑ってるんだよ。まさか・・・こいつの事!」

いきなり直紀にそんなこと言われては慌てて、

「違うって!急に言われて驚いただけだよ!」

「あはは・・・。何慌ててんだよ。怪しいぞ!」

「本当に違うって!」

「ところでさぁ。さっき話そうと思っていた事って何?」

直紀は自分で言い出したくせに、もう話題を変えている。

直紀美継に聞いた。

「はい。それでは話します。あれは、私に物心が付いた頃の事でした。母が私に話したのです。二〇〇四年の四月に魔界軍が攻めて来て、地球の至る所を支配し始めた事を。そして、」

せっかく美継が話している時に直紀が、

「な〜に言ってるんだよ。くだらねぇ。」

「おい直紀!美継ちゃんが、せっかく話してるんだから邪魔すんなよ!」

「はいはい!分かりましたよ。」

「はい。そして、人間はずっと言う事をきかされてきたのです。そして、二〇一〇年一二月に、とうとう反乱を起こしたのです。そのせいで、父は私が生まれる半年前に魔界軍のせいで亡くなりました。母は私が九歳の頃に、やはり魔界軍の手に掛かって亡くなりました。それからと言うもの、わたしはずっと魔界軍と戦って来ました。そして、二〇三〇年八月の事です。」

 

その時、なんとか生き残っていた美継が、部下の所持品を拾い、飛び出して行き、在る装置の前に立っていた。

「装置を起動させて!」

「何を言っているんだ!」

「いいから早く!」

「起動させてやれ!」

隊長が言った。

研究員の一人が装置の電源を入れた。

「でも、上手くいくか分からない。」

「それでもいいの!必ず皆を助けるから!」

そう言って美継は、その装置に空いた穴に入っていった・・・。

 

美継は話し終わり、それを待っていたかのように

「へぇ。そんな事があったんだ。いや、この場合は起こるんだ、か。」

美継は笑った。

「よっしゃぁ!俺もなんかするぜ!」

「ありがとうございます。」

そこで直紀が、

「おいおい、そんな話を信じんのか?」

「美継ちゃんが嘘を言っているって言うのかよ!」

「へっ。当然だろ!誰がそんな話、信じるかよ。」

美継が二人の間に入って

「もう止めて下さい!」

美継が大声を出した。

「すみません、大声出して。でも、本当なんです。信じて下さい。」

直紀は、やっと信じる事にした。

「でも、だからって何をしろって言うんだよ。」

「私、行ける場所を知っているのです。」

その夜、父親がラーメン屋を経営していて、直紀が好きな同級生の立花 未来の家に相談しに行った。

「こんにちは〜。」

「あら、時坂君達。どうしたの?」

未来は不思議そうに聞く。それはそうだ。こんな時間に尋ねて来るのは初めてなのだから。「まあいいから、ちょっとさ。」

「後ろの女の子誰?」

未来は微妙に怒りっぽく言った。じつは、未来直紀の事を好きだったのである。

「この子の事で相談が有るんだ。とにかく、詳しい話は奥で。」

そう言いながら皆は奥の部屋に入って行った。

「それで。この子は誰なの?」

「話しづらいんだけど・・・」

直紀が言いかけた所をが制して

「直紀の彼女!」

と、ふざけて言った。すると、未来が食らいつくかの様に大声で

「本当なの!?直紀!」

と言ったので直紀は急いで誤解を解くために

「違うよ!進の勝手な嘘だよ!」

「なんだ。そうだったの。」

未来はやっと落ち着いたようだ。直紀も落ち着いてきて、

「彼女は未来からやって来たんだ。」

と言うと、未来はいたって普通に

「ああ、そうなの。」

と、そっけなく答えたので直紀

「どうして驚かないんだ。」

と、言ったら未来

「だって、どうせ嘘なんでしょ。本当は何なのよ。」

なんて言うから、直紀は怒って

「本当の事に決まってるんだろ!何言ってんだよ!俺がこんな時に嘘をつくと思うか?」

直紀がそう言うと未来は、自分の前で見せる初めての直紀の怒った顔に、恐怖を感じ、

「ごめんなさい。でも、そんな話を信じる人が居る?」

と、言うのでだいぶ落ち着いてきた直紀

「ああ、居るよ。此処にね!」

と、かっこつけて言うから未来は呆れて

「はぁ〜。どうしてこんな奴と仲良くなったんだろ。こんな馬鹿と。」

「なんだと!この野郎!」

と、直紀は楽しそうに怒っていた。そこに、

「本当に仲が良いんだな。」

とか、言うもんだから二人は一緒に

「良くない!」

と、言ってしまった。そこに美継が引きながらも割り込んで、

「あの〜。もう話しても良いですか?」

と、言ってくれたおかげで痴話喧嘩もおさまり、本来の目的を思い出した。

「そうそう。そうだったね。さあさあ、話し・・・」

と、気前良くが言おうとしたが今度は直紀が制して

「その前に紹介しておく。美継!こっちが俺の同級生の未来だ。未来!こっちは未来の世界から来たと言う美継だ。」

と、直紀が紹介し終わると二人一緒に

「よろしく!」

と言い、一緒に手を差し出して握手した。そして、美継は今までの事、行くための場所の事を未来に話した。すると、未来は、

「O・K!だいたいの話は分かったわ。私にも協力させて。」

と、可愛く言ったので思わず直紀は

「いいとも!ぜひ協力してくれ!」

と言ってしまい、

(危険な冒険になるかもしれないのに、なんでO・Kしたんだ。俺って馬鹿だな〜)

と、後悔した。一方、未来

(危険でしかも足手まといになるかもしれないのに、なんで「協力させて」なんて言っちゃったんだろう。私ってば馬鹿。)

と、同じように後悔していた。と、その時、

「さあ、もう今日は帰ろう。腹も減ったしな!」

と言ったので皆、吹き出してしまった。

「美継は俺ん家に来いよ!親は俺がなんとかするからさ。」

と、直紀が言ったので未来は、ちょっと顔をしかめたが、それに気付かず美継

「はい!よろしくお願いします!」

と、言ったのを聞いて未来は心の中で

(何よ!いきなり現れて直紀と仲良さそうに。私の方が直紀と長く居るんだから!)

と思っていた。

                                                    

                                                     

                                                     

                                                     

                                                     

                                                      

                                                     

                                                 

                                                 

                                                 

                                                   

                                                 

                                                 

                                                 

                                                     

                                                 

                                                    

                                                     

                                                  

                                                 

第三章 出発

そして、次の日。

「おい!美継!早く起きろよ!」

直紀は朝っぱらから大声で怒るように言った。

「ふぁ〜ぁ。おはようございます。あれ?何怒ってるんですか?」

「お前にベッドを取られたからに決まっているだろう!」

相変わらず怒っている。

 

昨晩、親に美継を紹介した時に直紀から

「部屋は余ってないんだから、あんたの部屋で寝かせて上げなさい。もちろん、あんたのお客さんなんだからベッドも譲ってあげなさい。それができなきゃ、お客さんとは認めませんからね。」

なんて言われたもんだから、つい

「ああ。いいとも。譲ってやるさ!」

 

と言ってしまい後悔した。そして、今朝この有り様。

そこにが来て

「直紀!朝っぱらから大きい声出さないの!」

「だってよぉ!譲るとは言ったものの俺は床だなんて聞いてないよ!」

「しょうがないでしょう!布団は無いんだから!いきなりお客さんを連れてきた、あんたが悪いでしょう。」

「わかったよ!それより美継さっさと行くぞ!」

いきなり言われて美継は戸惑いながらも

「は、はい。」

と返事をしたものの何処へ行くのか、まだ分かっていなかった。直紀は当ても無く公園に行くと、未来が話をしていた。

「よお、直紀元気してたか?」

「おう、っておい昨日会ったばかりだろ!」

「あれ、そうだっけ?」

はわざと、とぼけた。美継未来と目が合って、いきなり

「昨日は良く寝れた?」

美継に聞くので

「はい。おかげさまで!」

と答えた。未来は心の中で

(なによ!こっちの気も知らないで!私なんて直紀の家に入った事も無いのに、その直紀の家で寝るなんて、絶対許せない!いつか、後悔させてやる!)

と、思っていると直紀

「ところで、お前たちは何を話してたんだ?」

未来は、はっ、として

「あっ、うん。ちょっと例の事でね。」

「やっぱり、行くつもりなんだ。」

と、直紀は小声で言ったつもりが

「???何を言っているの?」

と言われ驚いたが、幸い未来には聞こえていないようだ。

「いや。なんでもない。」

そんな、こんなしていると美継

「そろそろ、行きましょうか?」

と言うので、ごまかせた事で頭がいっぱいだった直紀

「あ、ああ。そうだな。」

と、上の空のような返事をした。それに気付いた未来

「どうしたの?何か、考え事?」

と聞いてきた。直紀は笑顔で

「別に、何でもないよ。」

と言った。すると未来

「ふ〜ん。じゃっ、いいや。行きましょ。」

うまく、ごまかせた。

そして、直紀達御一行が向かった先は、なんと学校だったのだ。

「此処、学校だろ。」

「でも、此処にゲートが有るんです。」

「でも学校の何処にあるんだ?」

「中に有ります。それも、二階の端の教室に有ります。」

直紀は、それを聞いて驚いた。

「おい。たしか、そこって・・・」

「美術室だ!」

三人は声を揃えて言った。

「美術室に怪しい所って有ったっけ?」

直紀に訊いた。

「無いよな?」

直紀未来に訊いた。

「無いけど、変な噂は知っているよ。」

「どんな噂だ?」

「美術室に、上に龍の様なのが彫ってある鏡が有るよね?」

「ああ。」

「その鏡と普通の手鏡を四時四四分に合わせるの。いわゆる合わせ鏡をするの。そしたら、鏡に引き込まれて鏡の向こうの世界に行っちゃう・・・って言う噂なの。」

「そんなくだらねえ噂が有ったのかよ!」

噂嫌いな直紀が言うのに反して

「俺も、もう一つの世界ってのは聞いた事有るぜ!」

三人が話していると美継

「多分、その噂の別の世界が魔界です。早く行きましょう。」

と、いそいそと言ったら三人は顔を見合わせて、直紀から口を開いた。

「でもよ、誰か手鏡を持っているのか?」

皆は顔を見合わせた。

「私、家から取ってくる。」

未来が、そう言って取りに行こうとしたら、はある事を思い出し、

「いや、取りに行かなくて良い。美術室に授業用の鏡がある。」

「そういや、あったような、なかったような。」

直紀は、そういうものには興味を示さないので憶えていなくて曖昧な事を言った。

「そうよ!あったわ!だって、休み時間に使っていたもの。」

「じゃあ、早く行きましょう。」

そして、四人は美術室に来た。すると、なんと、そこに先生が居た。

「お前達、何しに来た?」

直紀たちが返事に困っていると美継

「噂を確かめに来ました。」

「噂だと?」

「はい。合わせ鏡の噂です。」

「俺も聞いた事はあるが、なぜ確かめる必要がある。」

「このままだと、皆は怖がって噂ばかりを気にするようになります。そしたら、授業が手につかなくなります。」

「なるほどな。分かった。でも、何かあったら自分たちの責任だぞ。あと、転校生か知らんが気を付けろよ!」

「はい。」

先生は返事を確かめてから、美術室を出て行った。ちょうど四時四四分になる頃だった。

「よし!美継、よくやった。さあ、やるぞ!皆、鏡の前に集まれ!」

四人とも鏡の前に立った。そして、手鏡を取り謎の鏡の正面に置き合わせ鏡をした。すると、鏡が光りだした。

「皆さん、この鏡に飛び込んでください。」

美継の声とともに四人は鏡の中に飛び込んでいった。          次回へ つづく