わたしって「人を愛する」ってことをしたことないんだよねぇ。
それとは逆に「人に愛される」ってこともない。
そりゃあ、もちろん男の人とお付き合いはしたこともあるよ?
でも一度でいい。一度でいいから「人を愛する」ってことをしてみたい…。
愛することって?〜第1話〜
あ。申し遅れました。わたくし、木崎 ゆみかと申します。
ごく普通の高校生で、本当につまらないほど普通に生活してます…。
彼氏もいなければ、好きな人もいません。
常に彼氏は欲しいのですが、全く出会いがございません。
中学の頃は仲のいい男子とつきあった記憶はあるけど、高校2年の今はどうよ?
って感じ…。マジでさみしい〜!!
ってゆうか聞いて?この前メル友の男が最悪だったの〜!!
だって私をダシに使って友達のさゆりんをGETしようとしたんだよ?許せない!!
でもさゆりん、本名 藤堂 さゆりさんは私と違って超可愛くて、
超優しいから男の子にモテモテなんだよ。
でも他校に彼氏いるから最近はアプローチする男は減ったかな?
「ゆみか?ゆーみーかー。」
「あ。さゆりんか。」
「どうしたの?ボーっとして。」
「さゆりんはいつでも可愛いなぁって。」
「誉めても何も出ないぞ?さ。帰ろう。」
「うん。でも今日は一緒に帰れそうもないね。」
「どうして?」
「校門のところ。」
と、わたしは意味ありげな笑いを浮かべて、校門を指差す。
「やだっ。昇くんたら今日はいいって言ったのに…。」
「いいよ。行ってきてよ。」
「ごめんねぇ。ゆみか。」
本当に申し訳なさそうに謝る。
「いいってば。ほら、早くしないと〜。」
「うん。本当にごめんね。」
と、行ってしまう。
ん〜。いいなぁ。
行ってしまってから後悔…。
一ヶ月ぶりにさゆりんと帰れると思ったのに〜。
ま、いっか?
でもさみしいなぁ。
「おいっ。」
「え。」
呼ばれた瞬間、腕を引かれる。
な、何?この人…。
いきなり人の腕つかむなんて…。
「階段。気をつけろよ。」
あ。
目の前には階段があり、全く気づいてなかったわたし。
恥ずかしい…。
「あ、あのっ。ありがとうございましたっ。」
「あんたM高だよな?」
「は、はい…。」
「…じゃあ…。」
えっ?何だったの?
でも去ってゆくその人の背中を見ながら、ほのかな胸のときめきに少し戸惑っていた。