Pure Love2

プシューとドアが開いて席に座る。



「・・・・どうして隣に座るんですか?」


「だって空いてたから・・・。」




他にも空いてるのに・・・。まぁいっか。




「滝田さんはどこ行くんですか?」


「オレ?オレはバイト。」




会話が続かない・・・。






(ブーブーブー)あ。携帯鳴ってる。朋美からのメールだ。



=ホントおつかれ〜(^^)今からバイトだ〜!希梨は今からバイト?=



「彼氏?」


「え。いえ。友達です。」



=今からバイトの面接だから今は電車の中だよ。=



「高校の子?」


「いえ。中学校の頃からの子です。」


「仲いいんだね。」


「はい。」


「小崎さんにとってその子は親友?」


「はい。」


「オレさ、思うんだけど、生きていく中でオレのこと好きに
なって、寄ってきてくれる人は何十人もいると思うんだ。
男も女もね。その中で一番オレのこと理解してくれる人が、
オレにとって最愛の人なんじゃないかって思う。」


「・・・その人が男だったら?」


「そいつがオレの親友になるんじゃないかな?小崎さんは
運命の人っていると思う?」


「え。えぇ・・・。まぁ。」


「運命の人ってさ、異性でも同性でもピンとくるんだって。
異様にウマが合ったり、何も言わなくても通じあってるんだって。」


「滝田さんは・・・信じてるんですか?」


「わかんない。一応いるとは思うけど現実はそんなに甘くないよね。
だいたいさ、世界中には何百万人、何千万人もの人がいるのに
出会えること自体奇跡だよね。」


「でも・・・私と朋美は出会いました。」


「世の中には小崎さんみたいに親友を見つけられる人と、みつけ
られない人がいる。出会えたのは奇跡だと思うよ。」


「運命の人がいたとしても・・・出会えることは少ないってことですか?」


「でも運命の人だって思うのは、本人しだいでしょ?
本当の最愛の人を見つけられる人は少ないってこと。」


「以外と・・・ロマンチストなんですね。」


「そう?」


「普通の男の人ならそんなこと言わない。カッコつけたりするのに・・・。」


「カッコつけたりするってことは、ウソの自分ってことでしょ?
なるべく人には本当のオレを見てほしい。あ。オレ降りなきゃ。」


「あ。私も・・・。」


「・・・・もしかして小崎さん、この駅の近くにあるパン屋のバイト?」


「あ。はい。」と、うなずく。


「オレあそこの息子。」


「え!?」


「一週間前、母親が倒れちゃってさ、だからバイト募集したんだ。
よし。採用っ。」


「え。えぇ!?でも面接するのはお父さんなんじゃ・・・。」


「大丈夫。大丈夫。ただいまぁ。」


「コラッ。直っ。店から入るんじゃないっ。裏口から・・・
あれ?君はもしかして小崎さん?」


「はい。そうです。」


「いいよね?親父。」


「何だ。直の知り合いだったのか・・・。」




今日知り合ったんですですけど・・・




「これ、エプロンね。」


「はいっ。」


「じゃぁ、何曜日が来られそうですか?」


「え〜っと・・・・火水土なんですけど・・・。」


「わかりました。じゃぁ、おねがいします。」


「はい。よろしくお願いします。」




「ねぇ、ところで親父。今日木曜で超ヒマじゃん。何で呼び出されたわけ?オレ。」


「ん?あぁ。今日は直にバイトの面接やってもらおうと思ってな。」


「じゃぁ、もう用なしなの?」


「ああ。」


「何だ・・・・。」


「あの・・・・。パン作るところ見てもいいですか?」


「あ。いいよ。いいよ。全然OK。」


「お前が作るわけじゃないだろう。小崎さん、中へどうぞ。」


「ありがとうございます。」












中へ入るとパンの香りがする。


すごぉ〜い。


「オレ好きだったなぁ。親父の作ってる姿。小さい頃はいつもパンの香りさせて・・・。」


「いいですね。じゃぁ、滝田さんはお父さんの背中見て育ったんですね。」


「あぁ・・・直でいいよ。」


「えっ?」


「名前。」


「はい・・・じゃぁ、直さん。」


「うん。」




そして私のバイト生活が始まった。