親しい友人1



どしゃ降りの雨。
あの日と同じで...すぐには止みそうにないな...。
10時か...。もう寝ようかな...。
私の名前は高園智巳。
中等部の頃からこのF高校の学生寮、花宮寮に入っている。
中、高とずっと一緒の寮である。
私は4月から高校生になる。
「あら?高園さん。まだ起きていたの?」
「ええ。もう寝ますから...。」
「そう。おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
寮母の近藤さん。
とっても優しい人だけど...人のことに干渉するくせがある 。
家の学校は大学までエスカレーター式のはずなのに、
寮に残る人は私以外にいなくなった。
でも淋しくなんてない。
親しい友人もいなかったし、別れて哀しいなんて感情は全くな い。
「ふぅ。」
近藤さんが行ってしまってからキッチンで一人でココアを飲ん でると、
ガタン、ガタンッ。
大きな物音が玄関のほうからする。
「???」
何だろう?
玄関のほうへ行くと、大きな旅行カバンを持った女の子がいた 。
「あ。こんばんは。わたし、飯田藍です。今日からここの寮で お世話になりまーす。」
「...あっそう。」
ここの門限って...10時じゃなかったっけ?
まぁ、別に関係ないけど...。
「まぁまぁまぁ。あなた何ですか?こんな夜遅くに。」
あーあ。近藤さん来ちゃったじゃん。
放っておこう。
「あ。寮母さんですか?私、飯田藍です。4月からここでお世 話に...。」
「常識ってものがないの?もう10時よ?あなた門限ぐらい知 ってるでしょ?」
「すいません...。」
しょんぼりした顔をする飯田さん。
「分かればいいのよ。じゃあ二階の奥から二番目の部屋使って ね。」
と、鍵を渡す。
「はい。すみませんでした。」
「はい。じゃあおやすみなさい。」
「おやすみなさーい。」
近藤さんが行ってしまうと、
「えへへ。怒られちゃった。」
と、舌を出す。
何てゆう神経した奴だ...。
「あなたも4月から高等部?」
「ええ。」
関わりたくないから手短の答えて二階へ上がろうとする。
「あ。待ってよー。ちょっと話さない?」
「...もう寝るから。」
ああゆうやつって私、合わない。
早く寝よう。
ベットに入って数秒して...。
コツコツ。
何なのよー?人が寝ようとしてるのに...!!
「はい?」
「ごめんね。寝ちゃってた?」
「...別に。」
見たらわかるでしょ?
今まさに寝ようとしてたのよ。
「ここってまだ人入ってきてないの?」
「さぁ。どうかしらね?私もう寝るから。」
バタン。
私、睡眠を妨害されるとかなりムカつくのよね。
さ。寝よう。


次の朝、すずめの泣き声で目を覚ます。
もう9時かぁ。
「んーっと。」
背伸びをしてから、下へ降りていく。
「おはよう。高園さん。」
「おはようございます。近藤さん。」
「おはよー。」
昨日の門限破り女...。
「おはよう。」
プイッとそっけなく門限破り女の斜め前に座る。
「あなたの名前聞いてなかったよね?」
「...そうね。」
「......じゃなくてー、聞きたいのよ。名前をー。」
「高園智巳よ。」
朝からうるさい...。
「高園さんはトーストでいい?」
「すみません...。春休みなのに作ってもらっちゃって.. .。」
「いいのよー。ついでよ、ついで。はーい。いっぱい食べてち ょうだい。」
と、お皿にトーストを乗せてくれる。
「じゃあ...いただきます。」
「どうぞ。」
今日も1日暇だな...。
和くんまだ大学かなぁ?
和くんてゆうのは私の彼氏。
本名、大西 和矢。 春から大学2年になる。
「高園さんは中等部からここにいるの?」
「ええ。」
「そう。」
他人に興味ない私は、いつもこんな感じで友達ができない。
女の子はだいたいおしゃべりが好きだから話が続かない私はだ いたいウザがられる。
でも、無視とかいじめとかはなく、今まで平凡にここまでやっ て来た私。
周りが大人だったって事もある。
私の周りの友人は、私にとってほとんど移動するだけの友人関 係だった。
それが一番楽だった。
友達なんていらない。
人間なんて信用できない。 でも...私にとって和くんだけは違うんだと思う。
うまく説明できないけど、和くんにだけは嫌われたくない自分 がいる。
私と和くんは友達の紹介で出会った。
最初はどこにでもいるヘボイ男かと思った。
でも、和くんはまたいい加減な男だと決めつけてそっぽ向いて たクールな私に言った。
「君、今日ぐらいは楽しくしていようとか思わないの?紹介し てくれた友達に失礼じゃん。」
確かにムカついたけど、グサッとくる言葉でもあった。
それから、私は和くんに興味を持った。
あの日以来、私は他人に心開いた事がなかったのに...。
いつの間にか和くんのこと好きな自分がいた。
すごくすごく好きになっちゃってる自分が...。