親しい友人2



『そっかぁ。そんなことがあったんだー?』
「感心してる場合じゃないよ。和くん。」
『ごめん、ごめん。でもさ、一緒にいたら面白そうじゃない? 』
「じゃあ和くんが一緒にいれば?」
『あれー?智巳ちゃんヤキモチ焼いちゃったかなぁ?』
と、おどけて笑う。
「和くん!!」
『はいはい。ごめん。でも正直、そうゆうやつが一番、智巳に は合ってるんじゃない?』
「冗談でしょ?何であんな人と気が合うってゆうのよ?和くん も知ってるとおり、
私は親友なんていらないの。だから気が合う友達もいらないの 。」
『でもその子がたった1人の親友と呼べる運命の人かもよ?そ れに人間そばに一人ぐらい気のおける
友達がいないと疲れちゃわない?』
「もう慣れたし、私は...。」
『そんなのいらない...だろ?でも俺と出会った時もそうだ けど、まだわからないじゃん?』
「わかるわよ。私はああゆう人が生理的に苦手なのっ。」
『俺も生理的に苦手だって言ってなかったっけ?』
そう。私は、妙にテンションの高い人間は生理的に苦手である 。
だから和くんと初めて会った時も、テンションの高い和くんを 冷たい目で見ていた。
「とにかく早くみんな入ってこないかなってことを言いたかっ たの。」
『でも、俺の予想だと一人で不安でたまらなくて初めて寮で会 った智巳に執着すると思うけど?』
「...和くんの意地悪。私が困ってるのに面白そうにしてる 。」
『実際楽しいもん。普段クールな智巳がこんなに困ってる事な いからね。』
何なのよ。和くんてばー。
「あ。もう11時だ。和くん明日も大学?」
『いや。明日はバイト。ごめんな。あんまり構ってやれなくて 。
って言っても智巳が嫉妬したり、淋しいとか言って泣き付くよ うな女じゃないか。』
それは我慢してるからだよ...。
とは...言えない。
こんな醜い私を和くんが受け止めてくれるかどうか恐い。
「当たり前じゃない。淋しくなんてありません。じゃあまた電 話するね。」
『ああ。じゃあな。』
電話を切ると、途端に淋しさが押し寄せてくる。
本当はすごくすごく淋しかったりして...。
素直になれない...。
こんな私を和くんは受け止めてくれるのだろうか...?


「ふぅ。」
下でいろいろ考えながらココアを飲んでると
「たっだいまー。」
と、玄関から音がする。
またこいつか...。
「智ちゃん、ただいまー。」
この人、この先大丈夫なの?
だって門限破りすぎじゃん...。
絶対追い出されるわ...。
「あれ?智ちゃん、待ってよー。」
キッチンに戻ってココアを手に取ると、飯田さんの後ろから入 ってきた男の人がいた。
「あ。智ちゃん。紹介するね。この人私の彼氏の荒木くん。こ の人は友達の智ちゃん。」
いつからあなたの友達になったっけ?
「よろしく。」と、手を差し出される。
あーあ。これでこの人には私は飯田さんの友達だと認識されち ゃうわけね...。
「よろしく。」と、仕方なく手を取る。
「ってゆうかここ男子禁制よ?」
「知ってるー。でも寮母さんいないしー、いいじゃん?」
マジでこの人いつかは追い出されるわ...。
まぁ、私には関係のない話だけど...。
「あ。私トイレ行ってこよっと。」
言わずに行けないのか?この女...。
「なぁ。君、可愛いね。彼氏とかいるの?」
この男...とんでもないナンパ男なんじゃないの...?
飯田さんもこんな奴に引っかかってかわいそうに...。
「彼氏はいます。それより彼女がトイレ行ってる隙にいつもそ んな風に街の女の子を
ナンパしまくってるわけ?今時、『君可愛いね。』って言葉で 落ちるバカな女はいないけど?」
「何だよ?クールぶっちゃって...。お前なんか可愛くもな んともねぇよっ。」
バカの典型的なパターンだね...。
自分で前言った言葉を訂正して否定するあたりがバカっぽい。
「そうね。私は自分で可愛いなんて思ってないもの。」
「...お前の彼氏がかわいそうだぜ!!」
「私はあなたがかわいそうだわ。だってあなたバカだもの。」
「なっ...!?」
怒り奮闘のナンパ男。
「ちょっとあなた!!ここで何してるの!?」
ほーら、来た。近藤さんが...。
近藤さんって規則には超厳しいから、こうゆうときは恐いんだ よね...。
即座に退場のナンパ男。
「高園さんっ。誰なの!?あの男!!」
「あの...さっき勝手に入ってきたみたいですよ?玄関の鍵 が開いてたみたいです...。」
「まぁ、そうなの...。そうよね。高園さんが男なんか連れ てくるわけないものね...。
ごめんなさいね...。今度はちゃんと戸締まりするわ。じゃ あおやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
何で私ってば飯田さんをかばってるのかな?
「智ちゃん。ありがとう。」
「別に。夜にゴタゴタしたくないだけよ。」
「でも、ありがとう。あいつもバカだよねー。智ちゃん口喧嘩 強いのね。」
「あの人よりかは頭の回転早いから。...あ。ゴメン... 。」
「ああ。いいの、いいの。元々ナンパされてつきあったけど、 あいつ私より馬鹿だし...。
ってゆうかちょうど別れようと思ってたし...。」
「そう。」
「私はどっちかってゆうと荒木くんのナンパ癖のショックより 、智ちゃんがかばってくれたことのほうが
嬉しかったりするのよ。」
この人...案外いい奴かもしれない...。
「...智ちゃんはココアが好きなの?」「ええ。」
「毎日飲んでるの?」
「最近はね。春休みに入ってからみんな出てっちゃってから毎 日飲んでる。」
「どうしてか...聞いてもいい?」
「落ち着くのよ。私、友達いないも同然だから、いつも一人で ココア飲んでるのよ。」
「何言ってるの?私は何があっても智ちゃんの友達よ?」
今まで...ここまで友達、友達って言った人初めて...。
「ぷっ。ははははははは。もう限界。飯田さんって面白い.. .。」
なぜだかわからないけど、とても笑えた。
それは飯田さんが入寮して3日目のことだった。