「艶 芯」

-その3-



もう一度私は彼女と離れて、再度接合を確認したいと思った。
しかし私の引こうとする動きに合わせて、彼女は自分のその部分を押しつけてくる。
私の思いに逆らい、彼女は私という木にからみついた蛇になっていた。
情欲は波のように押し寄せては退いていく。
今、その瞬間に果ててもいいような快感が身体をつきぬける。つきぬけては退いていく。
自分の身体の中に、今まで味わったことのない何かが存在し始めた気がした。
それは予想出来ない感覚となって脳を支配しようとしていた。
私は危険な、ぞっとするような予感を持った。
まさか、飲み物に媚薬のようなものが混入されていたのではないか。
そのイメージは彼女の腕の動きによって見事に封じられた。
彼女の腕が自分の首に巻きつき、私の顔を自分の胸に押しつけようとしている。
 呼吸が苦しくなって私は唇を彼女の乳房の先端まで運んだ。
それでもまだ、彼女の腕は私の頭を上から押さえつけるようにしたまま離れない。
私のはかない知恵は「動け」と命じている。
動いて征するのだ、と叫んでいる。
揺れながら果てることを本能は希求している。
しかし彼女の絡まった足から逃れることは出来ない。
その腕は二対あるかのように私の上半身を行き交う。
私は半ば強引に彼女の唇を塞ぎにいった。
間髪を入れずに彼女の舌が滑り込んで来た。
その瞬間に私は狙っていたように彼女から自分の身体を剥がそうとした。
ところがその時思いもよらぬ事が起こった。

彼女の胸から下腹部にかけての皮膚が、ほぼ私の同じ部分に吸い付いて離れないのだった
。  暗がりのなかで、私は目を大きく見開いて彼女と自分の腹部の皮膚がどのようになっているかを確かめようとしたが良く見えなかった。
 たちまち私のその部分は萎え始めたような気がした。
 「動かないで・・・・」
と彼女が甘ったるい声で言った。
 「今、離れないで・・」
と彼女が言い終わらないうちに、彼女の中に変化が起こった。
私のものは波打つような彼女の中の動きに呑まれ、またその根本をぐいぐいと締め上げられて先程までの堅さが甦ってきた。
その快感は筆舌を尽くせぬもので、これまで味わった事のない新鮮な快楽だった。




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