issho
一緒にいたい











「きゃあ〜〜〜〜」

どっどうして・・

「どうしてここにあ・あ・ああ綾人くんがいるの?!!!!」

「ん〜・・・・うるさいなあ・・」

どうして・・・目が覚めたら同じベッドの上で、綾人くんが眠ってるの?!

「・・・遥・・さん?・・・・・」

綾人が寝ぼけ眼で半身を起すと二人の距離が更に近づく。

そりゃシングル用の1枚の敷布団に1枚の掛け布団で2人はきつい。

それは・・・わかってるんだけど・・・きっと寝てる間に肌がふれあったり・・・・・・・・

「も〜どうしたのよ朝っぱらから〜・・・せっかくの休日・・・・きゃー!!!!」

遥の悲鳴に駆けつけた恵も悲鳴をあげた。

「どーどーどーーーーしてあんたがお姉ちゃんの部屋にいるのよ!!!」

「なっなんで?」

「なんでじゃなーい!!おねえちゃん!平気?なにもされてない?大丈夫だった?!」


「ちょっ、ちょっと待てよ、待ってってば」

綾人は恵にひきずられるようにして遥の部屋を退場した。

「・・・綾人くんに・・寝起きの顔、見られちゃった・・・・」

遥は一人ごちて、必死に夕べのことを思い出す。

ただ一つはっきりしてるのは夕べはかなり酔ってたってこと。

まだいまいち覚醒しきれない頭を抱えた。

「シャワー浴びたら目がさめるかな」



昨晩遅く、酔っ払って帰ってきた遥を出迎えたのは歯磨きを終えて自分の部屋に戻ろうとしていた

綾人だった。

別に珍しいことじゃない。

「遥さんが酔って帰ってきて、それで僕が部屋まで運んだんですよ。遥さん、一人でまともに立てなかったんですよ」

「うう・・ごめんなさい」

「それで〜?!どうしてお姉ちゃんの部屋にいる言い訳になるのよ」

恵がきれいにそろえた箸の先を綾人に向けた。

「っそれは・・」

ちらっと遥に視線を送る。

・・・言いにくいこと?

口に出せないようなことを、あたし・・したのかしら?

・・・・・・お風呂に入って思い出せたのはエルフィと焼き肉を食べに行ったこと。

帰りはどうやって帰ったか覚えてない。

でも・・なんだか今・・・・なにか・・・・綾人くんが迎えてくれて・・それで・・

・・・・・・・お・・思い出した・・・。

「あ〜!あ〜・・・・・・その、あたしのせい・・だわ。ごめんなさい」

「え〜?なに?なんなの?」

恵には聞かせにくい、話かも。

あたしが・・・つかんだ暖かい手のひらは夢じゃなくて・・・

「別に・・・いいですよ」

「でも・・ごめん」

不審そうな顔で二人を見る恵をよそに遥が謝りながら醤油に手を伸ばした。

「ほんとにごめんなさい・・」

ちらりと上目遣いで伺う遥の黒い髪が濡れて光る。

「・・いいですって」

綾人がマヨネーズに手を伸ばす。

「もうどうでもいいけど・・・どうしてあんたたちは朝から普通にご飯も食べれないのよー!」

一人中途半端に巻き込まれ、結末も分からないまま話もすんでしまった恵のイライラは手に取るようにわかる。

わかるけど・・・やっぱり言えない。



「・・・ごめんなさい」

もう何度目かの謝罪と、

「・・・別に怒ってませんよ」

何度目かの許しの言葉。

遥は綾人の部屋まで来てまた謝った。

ぶちをひざにのせて。

濡れたままの遥の髪が気になるのか、綾人がタオル片手にひざをよせた。

「風邪、ひくよ」

「あっ・・・ありがと・・あの、さっきのことも、ありがとう」

「ん?」

「あたしが・・あなたの手をつかんでたから・・それをその、黙っててくれて」

優しい綾人の手。

うっとりするほど・・

「・・うん」

「迷惑かけて、ごめんね」

「もう謝らなくていいから。・・・お詫びに今日、本部まで送ってよ」

「そっか。今日検診か。わかったわ・・ありがと、綾人」

開け放たれた窓から涼しい風が舞い込み二人の髪を揺らした。

「気持ちいい・・・」

「ほんと。・・・・ねえ、今日、本部での用事が済んだら・・暇?」

遥の表情を見ることはできないけど、その声は先ほどまでとは違って明るい。

「暇だよ」

「こんなに天気がいいんだし、ドライブでもしない?綾人さえよければ・・」


もうあの頃に戻ることはできないから。

今、とこれからの時間をすべてあなたと過ごしたい。

もう・・離れたくない。

「うん」

あなたを忘れてしまった過去をうめ尽くすほど、一緒にいよう。