今日は先生のお宅でお勉強。
ってゆーかデート・・・かな?
先週社会見学だって言ってドライブに誘ってくれたんだけど、あいにくの雨。
車なんだから関係ないのに『今日は中止だ』なんて。
私を家に帰そうとする先生に、私は少しわがままを言ってしまった。
「先生の家、いってみたいです」
もちろん大反対した先生だけど、勉強を見てもらうってことで、しぶしぶ折れてくれた。
先生は誤解されやすいみたいだけど、ほんとはすごく優しい。
でも・・・先生には悪いけど、私は誤解されたままでいてほしいなんて思ってる。
言葉通りみっちり学校の教科書から数学を教えてもらって、今は休憩中。
「先生、テレビつけてもいいですか?天気予報みたくて」
明日も雨、なのかな。
雨は嫌いじゃない。でも先生ががっかりすると、私も悲しい。
「かまわない。つけなさい」
先生はコーヒーをいれてくれている。
いいにおい。
「・・あ・・・」
4CHと8CH今同じCMやってた・・
「・・・・君は子供か」
背後から聞こえる先生の呆れ声と、溜め息。
私のまえにコーヒーをおくと、先生はソファに腰掛ける。
「あ、つい・・・でもっ先生もやりませんか?無意識に・・」
無意識に、私は4CHと8CHを交互にまわしてCMを見ていた。ついやっちゃうのよね。つい。
「わたしがそんなことをすると思うか」
先生の理路整然とした物の言い方。好きだなあ。・・・冷たく聞こえちゃうときもあるけど。
「しないと、思います」
「よろしい。それで?天気予報はなんといっていた」
「明日も雨ですって。・・・先生は雨、嫌いですか?」
テレビを消して私も先生の隣、床に座ってソファによりかかる。
先生の長い足がもう肩がふれそうなくらい、近い。
「そうだな・・・あまり好きではない。車が濡れるのも好きではないし傘を持ち歩くのも好きではない」
「そうですか・・・私は、雨、ちょっと好きです。あの土のにおいっていうか、アスファルトのにおいって
いうか」
ちょっとずつ、先生に近づく。逃げないでね、先生。
「君がいうのなら・・・雨も悪くないかもしれないな」
先生の口からでた意外な言葉。
びっくりして上を振り仰いだ私の肩に、先生の手がふれた。
一瞬、目が合って・・・みつめあう格好になって・・・先生の顔が、近づいてくる。
とっさに目をつぶった私のまぶたに、ひんやりとした先生の・・・・・唇の感触。
「せっせんっ・・・」
「・・・さあ。勉強の続きだ。ノートを開きなさい」
次の瞬間にはいつもの先生・・・でもないかな。だって先生、顔が赤い。
「せんせぇ」
「なんだ」
「雨の日の海も、とっても静かで、幻想的なんですよ」
「ああ。・・・そうだな。もし今度、君を・・・・また誘ってでかけるようなことがあれば、
そしてその・・・君が、よければ、だが・・・」
今度雨が降った日は、君と海を見に行くのも悪くない。
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