xmasb
ホワイトクリスマス
ドリー夢小説










「なっちーん!かわいー!!」

「またまたー!も似合ってるじゃーん!」

クリスマスパーティー前日のバーゲン、つまり昨日、一緒に買いに行った色違いのチャイナドレス。

なっちんはブルーであたしはピンク。

結構大胆なスリットが入ってるそれに、色違いの大きめなお花の髪飾り。

「これがあの値段で買えちゃうなんてねー」

「なっなっちん、声大きい!でも、得したよねー」

先生に早く見てもらいたい。

かわいいって、思ってくれるかな。

それとも、学生らしくないって、怒られるのかな?

ー!ひむろっちがにらんでるー」

「え?!」

気が付かなかった!

いつからいたんだろう。

壁際で、ほかの先生たちと話をしながら、たしかに時折こっちにきつい視線をながしてる。

「あたしはひむろっちの目の届かないとこに退散しよーっと。ひむろっちきっとあんたのこと見てんだよ。

まあ、今日くらいはからかわないでおいてあげよう」

「えー?!あたしにらまれるようなことしたかなー」

「まったくあんたも鈍いわねー!ひむろっちはあんたの太ももを、ほかの男に見せたくないんだって!」

なっちん、なっちん、先生、こっちに向かって歩いて来てるよ!

「なっちん!」

きっと先生に聞こえてるよー!なっちん声大きいんだもん・・

恥ずかしいこと言って〜・・

「私がどうしたって。藤井」

「うわあっ!ひむろっち!びっくりしたなあもう」

あちゃーって顔してるなっちん。

やっぱ聞こえてたか・・

「ひむろっちメリークリスマース!さっきからずっとのスリット気にしてたでしょー!」

「なっ・藤井!もっと他に言うことはないのか。教師にむかって」

「ありませーん。じゃあね、。あたしはともだちにあいさつしてこよーっと」

あまりにあっさりひいたなっちんに、先生は少し疑わしそうな顔をしてる。

「なっちん、今日くらいは先生のことからかわないでおこうって言ってましたよ」

「まったく・・君たちの年代は他にやらなくてはいけないことがいくらでもあるだろう」

「勉強とか部活動とか・・・恋とか、ですか?」

あたしは先生に振り向いてもらいたくて、少しでも先生に近づきたくて勉強してるだけなんだけどね。

「まあ・・そうだな」

「先生今日のスーツすごくかっこいいです」

いつもかっこいいんですけど。

「そ、そうか?・・その、君の、そのドレスも似合っている」

「ほんとですか?うれしい!」

先生のその一言で、着てきたかいがあった!!

「しかし・・・・その、少し露出しすぎじゃないのか?上着は、ないのか」

この上にはコートを着てきただけ。

「だって、クリスマスですもの。ちょっとくらい大胆なかっこうしてもいいかなーなんて」

「・・君は先ほどから男性の視線に気づかないのか」

視線?

「視線、ですか」

「あまりそのような・・肌をだす格好は、その・・」

先生が口篭もってる!斜め下を向きながら頬を少し赤くして話すその姿が、大人の男性なのにかわいいとさえ思ってしまう。

「ああ。これ、なっちんとおそろいだから、みんな見てるんじゃないですか?」

「おそろい?」

「ええ。色違いなんです。なっちんがブルーであたしがピンク。頭の飾りも同じなんですよ。一緒に買いに行ったんです」

先生ははじめて気が付いたようになっちんの姿を探すが、彼女はもうこのあたりにはいない。

「そうだったのか」

先生、さっき気が付かなかったんですか?

「そうですよ」

「しかし・・藤井はともかく、その、先ほどずいぶん男子生徒に声をかけられていただろう」

「あ、先生見てたんですかー?」

見てたなら助けてくれてもいいのにー。

「そうなんですよー。違うクラスの知らない子とかに名前聞かれたりいきなり携帯番号教えてとか。

怖いですよねー」

「君は・・・」

先生は長い指を額にもっていき、わざとらしいため息をついた。

「とにかく。そういう・・格好は今後控えなさい」

「だって先生さっき似合うって言ってくれたじゃないですか」

あれはお世辞?それともうそですか?

「似合っている。しかしそれとはまた別の問題だ」

「もー先生!いじわるばっかり言って!」

帰り支度をはじめた先生にならって、あたしもコートを羽織り、先生を追って外にでる。

行きがけに降っていた粉雪は、変わらずゆっくりと視界を白く染めていた。

「いじわるではない。・・まったく。・・・少し目を閉じなさい」

「え?」

「いじわるで言っているのではない。それを証明してやる」

しぶしぶ目を閉じた次の瞬間。

おでこに、暖かい唇の感触。

「せんせっ!」

びっくりして目を開けると先生はもうすたすた歩き出していた。

「待ってくださいー」

「どうだ?せっかくのホワイトクリスマスだ。少し歩かないか」

「先生今日は車じゃないんですか?」

「ああ。パーティーでお酒を飲まないわけにいかないからな。はバスできたのか?」

ここから家まで歩いて30分。バスだと10分。あたしはここまでなっちんとバスできた。

「はい。先生は歩いて?」

「ああ。どうする。バスはまだ出ているが」

「先生と一緒に歩きたいです」

当然。

ちょっと寒いけど、少しでも長く、先生と一緒にいたいから。

「家まで送ろう。かまわないか」

「はいっ。ありがとうございます」

先生がそっと肩を抱いて引き寄せてくれる。

びっくりして顔を見上げると

「寒いだろう。大丈夫か」

少し照れた顔。

「先生、あったかいですね・・」

今日くらい、いいよね。クリスマスイブだもん。

先生によりそって、あたしたちははらはら降る雪を眺めつつ家路を辿った。


もっと家が遠くにあればもっとたくさん一緒にいて、いろんなことしゃべれたのに。

あたしを送ってくれた先生の、また道を引き返して帰っていく先生の後姿を見ながらそう思った。


来年のクリスマスも、こうして先生と一緒にいれたらいいな・・

先生と寄り添って、同じ時間を過ごせたら・・