空は黄昏色に染まっていた。適当に曲をあさろうと、店に立ち寄り、つい視聴に熱中して、随分と時間を食ってしまった。  ピヨ彦は、いつもの土手の上を、少し早足で歩きを勧めた。  ――食事当番だったの忘れてた。  寮に帰れば、おそらくジャガーが何ともいえない凄まじい表情で、寝転がってテレビを見ているのが目に浮かぶ。  せめて土産に何かとも思ったが、残念ながら所持金は無いに等しかった。  寮へつく頃には、随分と日は暮れて、夜の侵食、藍色の空、星々が顔を出し始めていた。  急いで部屋への階段を駆け上る。ここにはリーゼントの彼と、変なロボ、あとは僕らしか居ないんじゃないか、と思うくらい何故か静かだった。多分、登場してないからだ。何を言ってるのか。  ジャガーの怒号を覚悟で、ピヨ彦は恐る恐るドアを開けた。 「ただいまー。ごめん、ジャガーさん。遅くなって!」  ――返事は無い。  鍵は掛かっていない。ハマーの部屋にでも居るのかと思い、屋根を覗いてみるが、やはり居なかった。 「あ、れ――?」  トイレ、洗面所、風呂場、やはり居ない。 「怒って出て言っちゃったかな――」  仕方なく、外に探しに行こうと、玄関を出ようとした刹那、音は聞こえた。  ――押入れ!?  盲点だった。急いで靴を脱ぎ捨て、布団などをしまってある、この部屋唯一の押入れの障子に駆け寄り、一気に開け放った。 「ジャガーさん、みつけ――」    ――それは、あまりにも奇怪で、普段の現実とはかけ離れた光景。 「――え?」  ピヨ彦は狼狽する。錯覚であって欲しいと、幾度も願った。 「ジャガーさんそれは」 「ぴ、ピヨ彦――」  そこにあった光景。押入れの中のジャガーは、あろうことか下半身を露出し、愛用の笛をおもむろに、自分のアヌスへと深々と挿しいれ、尚その右手には、自分のペニスを握り締めていた。  そうやら、ピヨ彦が帰ってきたところだが、絶頂寸前の為、急いで抜こうと、慌てたのが運の尽き だった。体制を崩し無残にも、哀れな光景をピヨ彦にさらすことと相成った。  その証拠に、体制を崩しながら射精したのが手にわかるように、小さな押入れの下段のスペースには、所々点々とその跡が残っていた。それは濃厚な匂いを放つ。 「――そ、それ」 「ぴ、ピヨ彦! 無断で開けるのは失礼だろうやりなおせよっ!!」 「ご、ごめん!」  言われたとおりにピヨ彦は障子を閉め――。 「ってガビィィィーン!! なんかそれ、すごく違うよ! もっと言うべきところあるだろう!!」  ――思わず突っ込みつつ、再び開け放った。 「――あ、あぁそうか。 飯当番ピヨ彦だろう!!」 「あぁ、ごめん! あぁ、てか違う!いやあってるけど違うって!!」 「なんだ、五月蝿いなぁ――」 「そ、その」  身なり一つ直そうとしないジャガー、思わず顔を赤らめ目をそらす。 「オナニーだよ、変態だよ!! いつも、一人のときは、やっているんだ――」  悲しそうに、ジャガーは顔を俯ける。 「好きなだけ軽蔑しろよ――」  自嘲気味に言い放つジャガー。 「ば――ばかぁぁぁぁ!」 「ぶべらぁ!?」  ピヨ彦は全力でジャガーの頬をぶった。 「ば、なんばいいよるとか! 生理現象は仕方のないことだべさ!! そ、それに僕は気にしないし、そんな顔はジャガーさんに似合わないよ――」  膝を折り、ジャガーの顔を見つめるピヨ彦。 「だから――さ」 「ぴ、ピヨ彦」  おもむろに上着を脱ぎだすピヨ彦。 「――僕も、ジャガーさんと、そうゆうことしたいな」  ジャガーの理性は弾けた。襖からとびだし序でに、ピヨ彦を押し倒す。 「――あっ」  あらわになった、ピヨ彦の小さくて控えめな乳首を、優しく舌で弄ぶ。 「――んっ、はぁ」  ジャガーは精液でべっとりと濡れた右手で、ピヨ彦の口に指をいれ、その味を覚えさせる。  ピヨ彦の股間に伸ばした手で、ズボンのジッパーを下げ、そそりたったペニスをつかみ出す。 「――顔に似合わず、大きいじゃないか」 「――は、恥ずかしいよジャガーさん」  熱く膨れ上がった、ペニスの先に唇をつけ、短く幾度か吸い付ける。ピヨ彦は思わず腰を引いた。それを逃がさないとばかりに、今度は喉の奥までペニスをくわえ込んだ。ジャガーは、ピヨ彦の快楽におぼれる顔を見つめながら、頭を前後に動かす。先ほど射精したばかりというのに、ジャガーのペニスは、ピヨ彦のそれよりも大きく膨れ上がっていた。残った右手で自分のを擦りながら、濃厚なフェラを続ける。 「ご――めん、もうっ!!」  濃厚な精液は、勢いよくジャガーの顔に、二度三度とぶち撒かれた。 「ったく――こんなに溜めておいたのか。今日は搾り出すからな」  そう、いやらしい笑いを浮かべたジャガーは、ピヨ彦を四つんばいにさせる。 「力を抜いて――」 「――え?」  いつのまにかジャガーの手に握られていた、ソプラノより太いアルトリコーダーが容赦なくピヨ彦のアヌスに突き刺さる。 「――あぅぁぁぁぁぁっ!!」  後ろから、ピヨ彦のペニスに手を伸ばし、まだまだ元気なイチモツを擦り続ける。同時に笛の前後で 彼の理性を砕く。 「あっふ――ぅはぁぁぁぁ!」  ピヨ彦の二度目の射精。ぐったりと上半身を畳に落とす。 「そろそろ、俺も楽しませてもらうよ――」  笛を抜き、広がったアヌスに、今度はジャガー自身のペニスをあてがった。 「本物は美味いぞ」  一気に根元まで突き入れる。ピヨ彦が快楽の絶叫を上げもだえる。 「それ――それ!」  両腕でピヨ彦の腰を抑え、高速ピストン運動を続ける。涎をたらしながら、耐えられない快楽に身を任せ、再び勃起した、自分のペニスに、精子を絡み付けて、ねちょねちょと強く撫で付ける。 「――っはぁ!行くぞピヨ彦、何所に出されたい!」  さら激しく腰を振るジャガー。 「――ひゃぁ! か、顔で、顔でおねがいしまひゅ!!」  最後のピストンを押さえアヌスから自分のペニスを抜き放ち、ピヨ彦を仰向けにする。 「い、一緒に――」  最後の一擦りで、二人は同時に絶頂を向かえ、勢いよく射精。空中で交わった精液が互いの身体をぬらした。 「――はぁ、っっあはぁ」  ピヨ彦は顔に出された精液を、嬉しそうに舌でなめる。 「――臭いよジャガーさん」 「まだ――終わらないぞ」    ――こうして夜は深けていく。  男達のいやらしい喘ぎ声は、朝まで耐えることは無かった。  了