
晃子へ
ここまで飛んできてくれて
本当にどうもありがとう
正直言うとね
晃子の顔うろ覚えになってきてるの(笑)
たった一度しか逢ったことがないから
ああ こんなんだったけかなってイメージは湧いても
その笑顔ですらはっきりとは思い出せない
だけど
あんな寒い冬の一日に
そこだけ日溜りが出来るような
晃子の雰囲気だけは覚えてる
温度のある種を
人の記憶に植えることの出来る人だと思った
健ちゃんの彼女だから知り合いになったけど
健ちゃんの彼女だから友達になりたいと思ったわけじゃないんだよ
そんな晃子に
少しでも微笑んでほしくて
焦って作ったミニ・サイトに
焦らずに綴った言葉を載せて贈ります
Words の Clearness と The Way You Are は
ちゃんと許可を得て
あたしの双子と呼んでいる親友から借りた言葉です
多分世界で誰よりもあたしに近い彼の話を
少しだけ晃子にしたいと思う
彼のたくさんの言葉は
彼が婚約していた女性に向けて綴られたものなの
二人はね
周りの誰もが羨むようなカップルだった
表向きは彼女のほうが甘えているようで
だけど彼女にしか支えられない彼の悩みがあって
二人が結婚することに誰も疑問なんて抱かなかった
だけど
一年半近い交際期間を経て
二人は恋人関係に幕を下ろしたんだ
彼が心変わりをしたから
彼はね
彼女のことを心から愛していると
彼女のほうに非はまるでなかったと
今だって失うのは怖い
彼女が与えてくれる安心感と愛情は
俺にとって掛け替えのないものになっていたのにと
何度男泣きに泣いたか知れない
ただ
愛して大切に想うが故に
一度裏切ってしまった自分の手で彼女の手は取れないって
そう言って別れたんだよ
"Clearness" は彼の意訳で
”昇華” という意味なんだって
別れたあと
周りから責められ続ける中で
一言も逃げの言葉を発さずに
ただひたすら謝りつづけてたよ
そして彼はこの言葉を綴った
彼が最後に落としてしまった唯一の黒い染みを除いては
何一つ穢れのなかった想いだったと
彼自身のためでも彼女のためでもなく
二人の時間と記憶の為に昇らせようとした彼の心が少しでも伝わったら良いと思う
真中の Forever は
あたしが工藤静香の歌を添えて綴った短い恋の言葉
あたしには心の底から愛した人が一人だけいる
彼と離れてしまってから丸二年が過ぎてしまったけれど
そのあとどれだけ恋をしても
いつまでも止まったままの時計を抱いている自分がいてね
今でも机に一枚だけ飾った写真は
彼と二人で撮ったものなんだよ
そんなあたしを可哀相だと言う友達もいる
時が解決してくれるよって見守ろうとしてくれる友達もいる
だけど
あたしの中のあたししか知らないあたしは
そういう人たちの言葉や眼差しに心一つ傾けないで
ただ自分の宝箱の中の想い出を
開いては見て
またしまっているんだと思う
後悔と懺悔と叶わない願いばかりが
頭の中を行き来する長い夜が続いて
いっそのこと出会わなければ
いっそのこと無理にでも気持ちをかき消してしまえたらと思うこともある
二年経つ今でもある
けれど不思議なもので
苦味にしかならない楽しかった想い出でも
自らの手で連れ去ってしまわない自分を誇りに思えるの
あの人がかけてくれた言葉や優しさまで
闇の中に立ち消えてしまうようなら
それこそあたしは生きていけないと今は思う
そんな恋の仕方もあるのだと
そんな愛し方を学べたのだと解放される瞬間があるの
昇りゆく華は本当に見事
その華が
新しい種を蒔いていないとも限らない
もしくは違う土地に咲こうとするかも知れない
あらゆる可能性を抱きながら
どこまで薫りを残しに行くんだろう
とても不思議だけれど
晃子がこれから歩く道が
どの方角に向いていたって
その道に種が蒔かれるように
あなたがくれたような温度のある種が芽吹くように
あたしは風を吹かせてみせる
気がつかないため息ぐらいの風でも
葉がわずかに揺れるぐらいの風は起こしてみせるから
晃子の道に咲き乱れる花が
彩りに富んでいますように
心の底から願いを込めて
言葉の泉より愛を乗せた風を贈ります
玲より
2002年 8月29日