栗拾い |
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あれはまだ僕が小学生だった頃です。田舎の僕の実家の近くには、歩いて10分程のところに栗の木がありました。その栗の木が実をつける程に成長していると知った僕は、ある日曜日の朝、妹を誘って栗拾いにでかけることにしました。 ほら、小さい頃ってお休みの日が嬉しくって早朝から目が覚めたりするじゃないですか。僕と妹も朝早くに目が覚め、家族を起こさないようにそっと栗拾いに向かったのです。季節はまだ初秋だったと思います。栗の木までたどり着いても、残念ながらお目当ての栗はまだ落ちてはいませんでした。 しかし、上を見ると確かに立派なイガグリが枝のあちこちについているではありませんか。見えているのに、それを取ることができない。子供にとって、これほど悔しいことはありません。僕は何とか栗を手に入れたいと思いました。そして周りを見渡し・・・これだ! 僕は傍に落ちていた手のひら大の石を拾い上げると、栗の木の枝目掛けて投げ上げました。 よっし、あの石が栗に命中さえすれば見事に栗をゲットすることができる!!わお、完璧な作戦!!俺ってスッテキィーーーーっ!!さぁ、命中しろ、命中しろ、命中しろぉっ!! しかし、僕の念に反して石はイガグリどころか枝にかすりもせず、そのまま重力にしたがって落ちてきました。 ちっ、駄目だったか。しゃーねーなぁ、どれ、次の石を・・・。 しかしその瞬間、僕は見てしまったのです。 |