深み





深く、深く・・・

もっと奥まで。

堕ちて・・

更に深く。





陽の光など届かない。

深海のように暗くて、静かで、冷たくて。

そんな場所でひっそりと君の身体に抱かれたい・・



対照的に身体は熱く、激しくて・・

そんな君の身体に溺れたい・・





最初のキスは軽く、短く。

回数を重ねるごとに重く、長いキスに移り変わってゆく。



滝沢が右に左に顔を傾け、むさぼるように唇を奪う。

唇をついばまれるようなキスにタイミングを合わせ、

滝沢の薄い上唇を心待ちにする。



止めどなく口に流し込まれる甘い蜜を舌先で味わう。

それは花の蜜のように甘ったるく、僕の身体をけだるくさせる。

麻薬を打ったかのように身体を痺れさせ、意識を朦朧とさせる。

この薬が刺激と快感を倍増させる・・





腰に回された滝沢の腕。

浮き出た脈が厭らしい。

山脈を流れる川のようにその白い腕の上をくねる蒼い血流。



その腕で、もっときつく、しっかり抱きしめて欲しい。

もっと・・

もっと、近くに・・・

引き寄せて、離さなさないで・・

厭らしくても構わない。

その腕を緩めて欲しくない・・

他の人を抱かないで、いつまでも僕だけを抱いて欲しい。



切ない想いで滝沢を見つめる。

熱で瞳は潤み、身体の中心から生じる熱を逃がすため唇を緩める。

肌は汗の粒で怪しく光り輝き、妖艶さが一段と増す。



唇から零れ落ち、耳元で囁く滝沢のその言葉が全身を昂揚させる。



「翼、かわいい。」



キスとキスの小休止に熱い吐息混じりに滝沢が呟く。

普段こいつ以外に言われれば絶対に気分を害される言葉。

今、滝沢に言われるのなら構わない。

熱い吐息を耳元に噴きかけられ、くすぐったくて頭を振る。



滝沢の首根っこに腕を回し、

"もっと・・もっと・・"と、滝沢の唇を求める。

そんなキスに餓えた僕を無視して、



滝沢は更に続ける。



「キレイだよ・・・」



僕を上から見下ろす滝沢の目の奥には獣が潜んでいるようだ。

滝沢はおいしそうな獲物を目の前に置き、今にも齧り付こうとしている。

逃げられないように、声を上げないように・・

ひっそりと、しかし、確実に獲物の息の根を一撃で止めようと、

獲物の警戒心を解こうと必死になって言葉を投げかける。





「色っぽい・・つばさ・・」



普段、人に面と向かって言われないような言葉を滝沢に与えられ羞恥心を感じる。

自分を"色っぽい"だなんて思ったことは一度も無い。

この単語がこんなにも厭らしい気分にさせるなんて知らなかった。

こいつになら何をされてもいい・・

思いっきり喰い散らかされたい。





脳が麻痺する・・

甘い言葉が秘薬のように僕の思考をを痺れさせる。

鈍器で脳髄を叩かれるように鈍い痺れが身体中を走る。

感覚がなくなり、自分と滝沢の身体の区別が無くなる・・

この腕はどちらのものなのか?

この舌は・・?

このモノは・・・



間接の太い指はその見かけとは異なり、しなやかに僕の身体をなぞる。

その指使いに身体中がゾクゾクする・・

指が通ると身体には火がついたように熱くなる・・

その手で他のヒトに触れないで・・

いつまでも僕だけの身体しか知らないでいて欲しい。



もっと乱して、全てを忘れさせて。

男に抱かれていることなど感じさせないように。



もっと激しく、濡れさせて。

もっと切なく、喘がせて。

もっと苦しく、恥らわせて。



もっと・・・

もっと深く、地の底まで連れて行って。

もっと・・



快楽は起爆剤。

欲望に熱を持たせ、力強く脈打たせる。

快感は発情装置。

欲望を大きく膨れ上がらせ、そそり立たせる。

こんなものはいらない・・

欲しいのは滝沢。





滝沢は僕のモノより遥かに大きく膨れ上がった自分のモノをゆっくりあてがってきた。

先端を入り口に当て、待ち受ける僕の身体を裂こうとしている。

身体はもう待ちきれないほど滝沢を待ちわびている。



そんな僕を焦らすかのように滝沢は自分のモノをそっちのけて、

僕のモノに手を伸ばしてきた・・・

先端に軽いキスをされると、身体がビクンと反応した。

滝沢にもそれが伝わった。



「気持ちいい??」



と、滝沢が下から見上げる。

白い肌に、清み切った瞳、甘いマスクで

左手にしっかりとモノを握って・・・

その画があまりにもアンバランスで余計にエロチックさを増し恥ずかしくなった。



"ふふふ・・"と笑って滝沢はまた頭を肢体に埋めた。

気づけば、滝沢にすっかり身を任せていた。

寄せては返す快楽に身体が飲みこまれ、滝沢に欲望の全てを吐き出していた。



滝沢はモノを口に銜え、口いっぱいに満たされた欲望を満足そうに飲み干した。

上目でこちらを伺いつつ・・・

口から白い液体が流れ落ちる。

手の甲でそれを拭って、こちらに挑むような視線を投げつつ、

真っ赤な舌でペロリと舐めてきれいにした。

見た目が正統派な滝沢が今夜はとても怪しげで、妖艶に見える。

いやらしさを身体いっぱいにし、僕の身体を求める滝沢はすごく魅力的だ。







滝沢は朽ち果てた僕にありがとうのキスをして、

快感で息の上がる僕に囁いた。



「これからだよ・・」



恍惚の表情で熱っぽい瞳を向けた。



さっき焦らされた僕の身体は朽ち果てているがその表情に一気に発火した。

ずっと耐え続けていた滝沢のモノは更に大きくなっていた。

改めて滝沢のモノを目にし、快楽と苦痛の選択を迫られた。

 



受け入れる痛みは、身体の痛み。

受け入れる快楽は、精神の喜び。





滝沢を深く、深く愛している。

滝沢を早く感じたい。

すぐに受け入れたい・・・

全てを包み込みたい・・

そして、滝沢に愛されたい。

こんなに身体は滝沢を求めている・・・



もう一度優しくしっかりと抱きしめて。

これから一つになることを二人で噛みしめあいたい。



そう思ってこの床の中から滝沢に手を伸ばす。

滝沢の広い背中にゆっくりと手を回す。

汗ばんだ身体が静かに合わさる。

滝沢の腕がこの軽い身体をしっかり包み込み最後の確認をする。



滝沢はゆっくりと、ゆっくりと、扉を開いてゆく。

静かに、優しく、ゆっくりと・・・



滝沢が一つになろうと身体を重ねようとする。

扉をこじ開けた滝沢。

「んあぁ・・・」と声を漏らす。



滝沢はそっと、柔らかに進入してくる。

今まで知らなかった新しい快感を滝沢が教えてくれる。



身体の内側が滝沢の脈を感じ取り、自分の脈に重ねようとする。

ゆっくりと押し広げられる自分の未知なる扉。

先には何が待っているのか。



身体の中に押し進んでくる滝沢が行き止まる。

壁を壊そうと滝沢は腰を引き寄せ、力強く突き当たる。

「はっ、あんっ、んっ、んあっ・・」

その腰の動きに合わせて、喘ぎ声が漏れる。



身体をしっかり抱かれ、気を失いそうなこの痛みと快楽から逃れようとしても逃れられない。

滝沢の厚い胸に両手をあて、思いっきり腕を伸ばし奥への滝沢の侵入を阻止しようとする。

しかし、滝沢の強い力が肘を伸ばすことを許してくれない。

痛みで顔を歪め、眉を寄せ、瞼をきつく閉じ、顔を左右に動かす。

首を反らせて、滝沢の身体から逃れようと身体をくねらす。

唇は痛みを正直に言葉にする。



滝沢はそんな言葉に注意を払おうともしない。

さらに激しく、更に強く、身体を貫こうとする。

奥へ、奥へ・・・





何度目だっただろう・・・?

次第にその痛みが快感に変わり、滝沢を素直に受け入れていた。

激しく突かれるその痛みは嘘のように気持ちよく感じられる。

滝沢の動きに合わせて自分の身体もリズムに乗せる。

もっと深く、もっと奥に・・



もっと、もっと・・

滝沢をもっと深く感じたい・・



もっと、激しく・・

もっと強く。



打ち寄せる波のように快感が寄せては引き、引いてはまた打ち寄せる。

引かないで・・・

あまりの気持ちよさに、快楽が引いてゆくのを引き止めるように自分から近づく。

滝沢の腰の引きに合わせて、自分が腰を突き上げる。



もっと・・

もっと、もっと・・



一緒に動きを合わせて快楽がやってくるのを待つ。

次第に快楽の打ち寄せる感覚が早く、大きくなり、僕らは一緒にその波に飲まれた。



その波の中で僕らは溶け合い、混じり合い、融合する。

快楽の海のなかでゆらゆらと揺れ、

この快楽の深みに溺れる。





深く、深く、この海の底に・・・

引きずり込まれて、この快楽の海に。

波の音も無い静かな世界へ。



この耳に響くのは滝沢の優しい声だけ・・・

このままずっと・・・

この海の深みに。



滝沢の身体の深みに堕ちて行きたい。

この深みに溺れて、堕ちて、永遠に・・・



深く・・

深く・・・














                  Fin...






■あとがき■

またまた上げてしまいました。
ビッグウェーブが訪れている碧です。
今回のはまたしてもエロエロで・・・
(お好きですか?えっ?あなたも??笑)
初めての本格的滝攻でございます。(と碧は感じております)
途中で気が抜けたので突然「?」と
感じる場所があるかと思いますが、それでも無理やり終わらせました。
今の碧の力ではこれが限界です・・・
碧はとんでもなく我がままですので見逃していただければ幸いです。