もっと・・・
そう、もっと。
 
 
触れて。
触れさせて。
 
感じて。
感じさせて。
 
教えて。
知って。
 
ねぇ?山下。
 
 
 
 
 
 
満ちるカラダ
 
 
 
僕の身体と山下の重みで沈みこんだベッドは、
僕らの身体を形どるようにすっぽりと心地よく包み込んで、
その繭のような柔らかさと温もりが僕に不安を抱かせなかった。
山下の肌の温かさ以外に僕は何にも感じなかった。
 
 
 
ただ好きで、
ただ、ただ好きで、
足りなくなってしまった山下の愛情。
カラカラに干からびた心を満たすように
山下の優しいキスの雨が降ってくる。
天国より近くから降ってくるその甘い口付けに
僕のカラダは幸せでいっぱいだった。
 
山下のキスは短くて、長くて、優しくて、気持ちよくて。
ただ、ただ、何度も・・・
 
 
 
 
 
 
 
目を静かに閉じて、山下がくれる指の動きを想像してみる。
はちきれそうな気持ちをなだめて山下を待っていると、
ドキドキと胸を鳴らす音が早く大きくなっていって、
身体中に響いてまるで身体全部が心臓みたいに思えてきた。
 
そのドキドキが山下に伝わればいいなって思って、
腕を回して身体を近づけ合わせてみた。
重ね合わせた2つの心臓が刻むリズムは不規則だったけど、
だんだんと2人の鼓動が近づいていって、
僕の鼓動を追いかけて山下の鼓動が早くなって、
山下の鼓動に合わせるように僕の鼓動は落ち着いて、
意識を集中させているとそのうちぴったりと重なりあって、
2人の身体にひとつになって響き渡った。
 
 
 
 
2人抱き合ってそのひとつの音が続く限りこうして一緒に・・
いつまでも2人でいたいとその止まることの無い鼓動に願った。
 
 
 
 

僕の頭の中の山下は僕の頬に優しく手を添えて、
指で包み込んで唇の端にキスをしてくれる。
僕の軽く開いた唇から漏れる呼吸を
頬で受けるのが好きだといつか山下が言っていた。

でも、目の前にいるはずの山下はいつまでも何もしないで
ただ眼を閉じた僕を見つめるだけだった。
その長い長い沈黙の時間、僕は山下のキスに酔いしれ
とろけそうな想像で時間が埋まっていった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ちょっ・・タンマ」と、
突然山下は空想に耽っていた僕に言い残してベッドの上から降りて行った。
残された僕は初めて目蓋を上げて、
山下のいなくなった広い空間を目に映した。
想像と現実の間が大きく開いて
追いつかない自分の頭と心の距離を近づけながら、
部屋を出て行く山下の背中を無言でぼんやり眺めていた。
 
 
不思議に置いていかれたような淋しい感覚は身体になくて、
ただ、触れられない山下の熱だけが僕の意識にくっきりと残っていた。
 
 

見慣れたはずの部屋の中で、ベッドに寝転んだまま
一度も見たことの無かった山下の部屋の天井をじっと見つめていた。
初めて見た山下の部屋の天井は
待ちくたびれ始めた僕を吸い込むようなほど単色で寂しそうだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

静かに寝室の扉が開き、
山下は僕と目を合わせないように髪をいじりながら
ベッドのふちに僕に背を向けて腰掛けた。
部屋を出て行った山下の背中と、
今の山下の背中は全く別人で初めて見た山下の部屋の天井みたいで
そんな背中が愛しくて、吸い込まれるように手を伸ばした。
 
山下の背中に頬を寄せて鍛えられた腹筋に腕を回した。
 
「山下・・・」
 
小さく声をかけてきゅっと自分を抱きしめるように山下を抱きしめた。
山下は少し驚いたみたいで、
しばらく行き場を迷わせた手を僕の手の上に重ねて、
「ワリィ・・・」と小さく呟いた。
 
 
「何が?」と問い返すと
「ほっぽって。」と答えた。
 
 
 
頬を背中に合わせたまま僕は動かない首を左右に振る。
背中を介して伝えられる僕の気持ちに山下はまた肌を介して僕に伝える。
 
 
重ねた手の指を絡めて・・・
 
 
力を込めて握り締めるその指に続かない山下の言葉の重みを知る。
片手を絡めたまま山下は片脚をベッドに上げ僕と向き合った。
2人ともカラダを包む布などとっくに脱ぎ捨てていて、
生まれたままの姿だったけど、今の2人には自然なことだった。
 
山下は気まずそうに左手で長めの前髪をいじりながら、
僕から目をそらしたままいつまでもまっすぐ僕を見てくれなかった。
手で顔は隠れていたし、部屋も薄暗かったから良く分からないけれど、
山下の顔はまっ赤だった気がする。
でもどうして山下がそんなに照れていたのか
僕には全く分からなかった。
 
 
首をひねって山下の顔を覗き込み視線を合わせると、
山下は恥ずかしそうに前髪をいじっていた手で口元を覆った。
そして照れくさそうに上目使いで僕を見上げて、
もう一度「・・・わりぃ」と今度は目を見て言ってくれた。
 
でも僕はやっぱり同じように「何が?」としか聞けなかった。
 
 
 
「・・・・」
 
 
 
やっぱり山下は言葉を繋げない。
無言のままの山下は僕とつないだままにしていた手を
ゆっくりと自分の身体に導いた。
そこには柔らかくて、温かい山下のモノがあった。
 
初めて触れた山下のそれは自分のものと同じつくりだったけど、
温かさも、柔らかさも、大きさも、形も、
山下のあのきれいな顔と同じようにやっぱり全然自分のものとは違ってた。
 
だから全然イヤじゃなかった。
怖いとか、汚いとか、そんなの全然なかった。
山下だからイヤじゃなかった。
 
 
触れたほんのりした温かさが
今の僕が想っている山下への温度に良く似ていて、
とっても心地よくて、ふにゃふにゃのそれをそっと水をすくうように
優しく手のひらで柔らかく包み込んでしばらくじっと見つめてみた。
見つめているとなんだか愛しさがこみ上げてきて、
たまらなく大事に思えて、優しくしたいと思えた。
 
 
だから僕はそれを左手にそっと乗せて、
右手で小さい子どもにいい子いい子するように撫でてみた
そこから伝わる山下の肌の温もりが
僕の心にまた新しい愛しさを運んできて、
きゅーんと胸が甘くしびれる。
 
その柔らかで暖かいぬくもりを携えた愛しい山下を片手に
胸に募っていく僕の知らなかった新しい感情が僕を満たしていく。
手のひらから伝わる山下の脈がメトロノームのように
二人のときを正確に刻んで、その乱れの無い音に
山下が好きだという気持ちが増えていく。
 
 
 
また近づきたいと思って・・・
 
 
でもどうしていいか分からなくて・・・
 
 
でも溢れる山下への愛情は行き場を求めていて・・・
 
 
もっと・・・もっと・・・
 
 
 
この気持ちが、ただ自然に・・・
無意識にくちびるを山下に合わさせた。
音を立てずただその柔らかさを唇で確認し、
その温かさに近づきたいと頭を下ろした。
 
山下は僕の指の間に自分の指を添わせ優しく包み込み、
顔を上げた僕の表情を確認すると僕の口唇に口唇を重ねた。
そのまま山下は優しく僕の手を握り締め、
この幸せな瞬間(とき)を止めるかのようにいつまでも口唇を合わせ続けた。
 
 
  
 
 
 
 
 
2人で重ね合わせた口唇を静かにはずしながら
まつげのヴェールをまぶたと一緒に上げると、
今まで触れ合わせていた山下の口唇が視界に入ってきた。
何だか突然、離れていく山下の口唇が恋しくなって
僕はもう一度遠ざかる山下の口唇を追いかけて行った。
 
2度目に触れた山下の下唇は僕の唇の熱で
溶けてしまうんじゃないかと思うほど柔らかく、
もう2度とこのクチビルとキス出来ないんじゃないかと思ったけど、
でも、もうそれでもいいや・・・って深くなる口づけの気持ち良さに思わされた。
 
口づけで介される山下と僕の体温が熱に変わって、
自然と絡め合った指と同じように舌を絡めて、
時々ずれた口びるから漏れた途切れた文字をつなぎ合わせてみたら
言葉を忘れたかのようにただ「や」「ま」「し」「た」を繰り返していた。
 
 
 
 
 
「好きだよ・・斗真」
伏せたまぶたが邪魔して近くの山下を捕らえきれずにいる間に降ってきた
山下の言葉が2度目のクチビルの別れだった。
だから僕はもう2度と山下を追ったりしなかった。
その言葉の甘い響きに満足だった。
 
 
 
キスをはずした僕の口唇は山下を見つめて
「なんか可愛いねー」なんて言っていた。
山下が“可愛い”って言われるのあんまり好きじゃないの知ってたのに。
僕が“可愛い”って思ったのは山下の顔でもなく、態度でもなく、
最初に触れた山下だったからそんなこと忘れて山下に笑いかけていた。
 
「自分にもおんなじモノがあるのに、こんな風に思ったことないや。」
と僕はきっととても優しい目をして山下を見つめていただろう。
でもそれくらい僕は甘い感情に支配されていた。
 
山下は顔を赤くしたまま、
やっぱり照れくさそうに僕と視線を合わさないようにして
ほっとしたように照れ笑いしていた。
 
その顔を見たらまた堪らなく愛しくなって、
山下の身体を抱きしめていた。
そして、山下の耳たぶにそっと短い口付けをした。
 
ピクっと山下の身体が反応したのを感じて、
そんな小さな反応でも僕が山下に与えることが出来たんだと、
また嬉しくなって今度はもう少しだけ長く唇を合わせてみた。
 
好きな人の身体に触れる幸せを身体いっぱいに感じて・・・
 
 
 
 
 
「・・・オレさー」
「うん?」
 
僕と山下はぴったりと抱き合って鼓動と身体をくっつけたまま
山下は僕に躊躇いがちに話し出した。
 
 
「さっき・・さ、コイツなだめてたのっ」
 
 
ちょっとぶっきらぼうに山下は言って
さっき僕が手にしていたものを指差した。
僕はきょとんとして山下の顔と指差されたものを交互に何度も見比べた。
さっきまで抑えられない熱を持っていたなんて信じられないほど、
そこに納まる山下はあったかくてやらかかったから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ぷっ・・・ハハハっ。
斗真の顔っ!!すっげーバカっぽい。」
 
山下は思いっきり噴出して笑い出した。
突然の甘い雰囲気が一気に和んで、
すっかりいつもの山下に戻っていた。
 
「でも、かわいー。」
山下はまだ目を白黒させている僕の頭を抱きこみ
きゅっと自分の顔を押し付けた。
くしゃくしゃと頭を撫で回され、
ほっぺたとほっぺたをぴったりくっ付けて、
また唇の端に短いキスをして山下は
 
「あーすっきりした。斗真ほんっとにかわいい!」
なんて言ってぎゅって抱きしめられた。
多分山下は抱きしめたかったんじゃなくて、
抱きしめられたかったんだと思った。
だから、僕も精一杯腕を伸ばして山下をぎゅっと抱きしめた。
 
 
抱きしめるだけでもう満足だった。
強く、優しく、温かく、やらかく・・
山下の“ぎゅっ”は大好きだったから。
今日のは特別優しくて、温かくて、優しくて、大好きで、
涙が出そうなほど幸せだと思った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ねー?山下。さっき、そのー・・何回くらい・・なだめたの?
お互いの身体を抱きかかえたまま
僕は消えかけた言葉で気になっていた事をたずねてみた。
さっきの山下より絶対僕の方が赤くなっているに違いない。
 
3回」
さっきとは打って変わって恥ずかしげも無く山下は答える。
絶対山下はずるい。
 
「誰思ってたか教えてやろーか?」
意地悪く笑う山下の顔は今は嫌いだけど、本当は凄く好き。
いつもみたいに悪気なんて全然なくって、
ただその答えを言いたくて、
言いたくて仕方なくて僕に質問したみたいだった。
僕はもちろん自分じゃ言えないその答えを知っていた。
 
 
 
 
言いたい山下。
言わせたくない僕。
 
 
答えさせたい山下。
答えたくない僕。
 
 
 
「僕以外じゃ僕がイヤダ」
答えてすぐに山下の胸に顔をうずめた。
 
 
これでおあいこ。
 
山下は胸にうずめた僕の頭を今日一番優しく抱きかかえてくれた。
 
 
「斗真・・・オレ、ちゃんと好きだから、斗真のこと。だから怖がんないで・・。」
さっきの答えに回した腕に力を込めた山下が僕の耳元で小さくささやく。
もう何にも答えられない・・・
高まる緊張に言葉を忘れちゃったみたいだった。
 
ゆっくりと静かに山下の下肢には熱が集まり、
さっきとは違った温度と質感に変わっているのが肌を通して感じられる。
それが一層僕の緊張を高くしていく。
 
 
山下は僕の頬を手のひらで包み込み、
ゆっくりと黒い髪に指を差し入れ、
愛でるように髪をとかし、
襟足の髪をきゅっと掴んで、
ちょっとだけ手を止めて、
首に沿って頬にまた手を戻す。
 
それを繰り返しながら時々キスをする。
そのキスに合わせて瞳を閉じて山下の唇だけに集中する。
小さく音を立てて繰り返される小さな口づけと共に
山下は少しずつ僕のカラダをベッドの中に戻していく。
 
しっかりとベッドに抱きとめられると僕は山下を見つめて笑いかけた。
山下も僕に向かって笑顔で答えてくれた。
これから始まる2人の幸せな時間の確認だった。
もう僕は幸せで胸が満タンだったけど、
もっと、もっと山下は幸せをくれるだろうし、
僕も山下に幸せをあげられるその嬉しさでもっと幸せだった。
 
 
幸せな気持ちを抱いた僕のカラダを
山下はひとつひとつ丁寧に触れて、
初めての僕の反応を覚えていった。
 
胸は心臓のある左の方が触れられるのが好きだとか、
背中は触れるか触れないかの微妙な触れ方をされると声を出してしまうとか、
内腿に強く唇をつけられると気持ちいいとか、
そんなカラダの反応を見つけると、
山下はとっても楽しそうに「斗真、コレ好き?」と僕に尋ねた。
 
子どもみたいに無邪気で邪心のないその質問に
僕はひとつひとつ答えていった。
それとおんなじように山下のカラダにも触れて、
山下が好きなコトを探していく。
2人して別の場所ですっごい大きな宝物をどっちが先に見つけるか
宝探し競争しているみたいにどんどん楽しくなって行った。
 
山下のカラダは僕より筋肉がついていて、
山下はおへその周りを触るとくすぐったいみたいで
お腹をよじって身じろいだ。
そんな山下が可愛くて何度も同じ場所をいたずらしてたら
山下が「仕返しだ」って僕の弱い首筋に舌を這わせて攻撃してきた。
 
ベッドの上でじゃれ合って、触れ合って、
知り合って、感じ合って、
そのうち余裕が無くなっていって・・・・
気づいたらまた2人口唇を重ねていた。
 
夢中になってくちびるを合わせていると、
山下はそっと指を僕のカラダに歩かせて、
下へ、下へと向かわせていった。
 
山下は僕のモノを見つけると包み込むように握って、
根元から先端にかけてゆっくりと撫でてくれた。
そして人差し指で先端を優しく撫でるように擦り、
きゅっと握って、手を根元に戻すのを何度も、何度も繰り返した。
 
気持ちよくてそう伝えたかったけど、
山下のくちびるが邪魔して僕の言葉は山下に届かなかった。
でも、7度目の山下の人差し指が僕の先端に触れたとき
言葉よりカラダが反応して山下に心全部を伝えてくれた。
 
気持ちよさで息切れた呼吸をまた容赦なく山下のキスが乱していく。
ただ一言山下に「好きだよ」と言葉を伝えたくて、
時々漏れる声が山下の欲情を煽ることは良く分かっているけど、
この身体いっぱいに満ちた快感を押さえるものなんて何にも無くて、
ただ、心に身を任せて山下との行為に自分の身体の反応を素直に表現した。
 
 
山下の濡れた指が前から後ろに移動していって、
僕も知らない部分に近づいていく。
何だかくすぐったいような、気持ち悪いような、
不思議な感覚で知らないうちに僕は声を上げてた。
 
山下はゆっくりとその中心に近づいて、
最初はおっきな円を描くようにまぁるく指を動かしていた。
その円ををだんだん小さくしていってその円の中心に指が触れたとき、
僕は初めて山下に「イヤ・・・」だという言葉を伝えた。
 
山下は「気持ち悪い?痛い?」と聞いてくれたけど、
僕は「イヤ」だとしか答えられなかった。
何がイヤなのか全然分からないけど、
なんだかイヤな感じがしたから・・・
自分がヘンになっちゃいそうな、
どっかに飛んでちゃいそうな、
なんかヘンな感じがしたから。
 
「イヤなことはしないよ。でも何がイヤか教えて。
分からないとどーしていいかオレ分かんないよ、斗真」
山下は僕の拗ねたくちびるに軽いキスをひとつした。
 
「怒ってないから、ね?斗真。教えて」
中指と親指でほっぺた掴んで僕のくちびるを突き出して、
山下は人差し指で僕の下唇をはじいていたずらする。
 
「分かんないけど、『イヤ』って思ったんだもん。
ヘンな感じがしたんだもん。自分じゃなくなっちゃうみたいなヘンな感じっ。
さっきまでは気持ちよかったのに。分かんないよ、だって初めてだもん。」
いたずらされたままのくちびるで僕は山下に言った。
 
「痛かった訳じゃないし、気持ち悪くない・・・。
じゃ、いーじゃん。続けよっか?
大丈夫、大丈夫。そのうち気持ちよくなるから。」
山下はいたって軽い口調で僕の身体にまた指を這わせた。
 
“イヤだってばぁー!!気持ち悪いよー”
僕の抗議も山下の耳には届かない。
山下が僕のくちびるにふたをしてしまうから・・・
懸命に身じろぎして何とか山下の指から逃れようとするけど、
山下ってばそんな事お見通しでしっかりと僕の身体に覆いかぶさっていて
僕はしばらくの間その山下の指の動きを我慢し続けなくてはいけなかった。
 
 
 
でもやっぱり山下の言葉はあっていて、
しばらくすると我慢の身じろぎから気持ちよさの身じろぎに変わっていた。
「イヤ」という声が声にならない単語に変えられていた。
その頃になると山下はゆっくりと指をその中心に抜き差しし始め、
意識が気持ちよさに薄れ始めた僕の身体を抱きしめ、
キスを施しその中心に身体を近づけた。
 
「少しだけ我慢して・・」
熱い吐息と共にもたらされた言葉の意味を
考える間もなく身体の中に山下の熱が入り込んできて、
その痛みに耐えることなく叫んだ僕に
山下はただ身体をきつく抱きしめ痛みが過ぎ去るのを待ってくれた。
 
 
 
 
落ち着きを取り戻した僕の身体を抱きしめていたその腕を緩め、
そっと肩を撫で、腕から手のひらにかけて山下の指が動いていく。
僕の指に指を絡めきゅっと握ると耳元で「好きだ」と一言囁いて、
静かにカラダを揺らし始めた。
 
静かに揺れるその視界に山下のキレイな顔が映って、
僕はただ下から山下を見上げてその額を伝う汗の道筋や
薄く開いた厚い唇から不規則に漏れる呼吸を眺めていた。
 
だんだんと速くなっていくその動きに意識がついていかなくなって、
怖くなって握り締めていた手に力を入れ、
握り返されたその感覚を最後に僕はまぶたを閉じた。

 

 

 

 

 

               あとがき


                   どーもこんにちは。
                   ようやっと書き上げた「満」ちるシリーズの第二弾。
                   どうなんでしょう?
                   個人的には最初の方が好きです(笑)
                   そんなこんなで大分前に書いたので色々なことを忘れてしまいました。
                   楽しんでいただければそれで。
                   続きの事はあまり口にせずに・・・(笑)

                   それにしても「どれみそら」のウッチーは素敵だわvv



                                         2002/08/16    碧