〜Part5〜







気づいたら柔らかいベッドの上だった。

"気持ちいーな・・"

寒さと寂しさにだいぶ参ってたんだ・・

細い指が首に絡みつく。
長い黒髪が背中に回した腕にかかる。
女の首に顔を埋めてアイツと同じ香りを確かめる。
シャワーを浴びた女の肌からはシャボンの香りと
身体に染み付いた吐き気のするような化粧の香りしか残ってなかった・・



おいっ!!
オレ何やってんだよっ??



はっと顔を上げると見知らぬ女が笑ってた。
オレの過ちをあざ笑うかのように・・
もう戻れないことを暗示するように・・

こんなバカ女に構ってられる訳ねーだろ?

オレ・・
朝からずっとアイツのことばっかじゃん?
今だって・・

どうしてこんなにアイツが気になんだよ?!
オレが一番嫌いな優等生で、
オレが一番嫌いな八方美人で、
オレが一番嫌いな真面目で熱いヤツで・・・

でも、オレが一番気になる"特別"なヤツ。



"特別"・・・


ソレって何だよ!?
分かってんだよっ、オレだってソレくらい。
仁じゃあるまいし・・・
でも、それを認められるほどまだ大人じゃねーんだよっ・・

だからその訳も分かんねーその"特別"を受け入れたくなくて
いらいらして、悪態ついて、一生懸命誤魔化してたんだろっ!

今日一日中ずーっと。
アイツの事でいっぱいなんだよっ・・
もー・・アイツだけなんだよ・・・

ほんとにアイツには敵わねーよ・・・

オレが一番大嫌いで一番大事なヤツ。
よくもこのオレをここまで本気にさせたよな・・・


やっと認めてこのままで良いわけねーだろ?
一応気づかせてくれたバカ女の頬に礼と侘びのキスを一つ落として
ホテルの部屋を今までで一番はっきりと目標を持って駆け抜けた・・・