ムーンライトと共に最古の温泉
新卒で入社した会社を退職のため最後に出勤した日の夜、名古屋駅でMさんを待っていた。
Mさんとはある会社に派遣された時、同じように派遣されていて仲良くなった同僚である。
一緒に働いていた頃から道後温泉に行く話はしていた。
彼の案で夏季にしか運行されないムーンライト松山で松山駅に向かう事になっていた。
再会した二人は新幹線で京都に向かった。
ムーンライト松山は京都発、松山終点の快速なので、まず、京都まで行かなくてはならなかった。
新幹線の中では二人の会話は絶えなかった。
京都駅に着くと急行「銀河」が入線するようなので列車が好きなMさんは写真を撮っていた。
僕らのほかにも列車の写真を撮っている人は何人かいた。
ちょっと奮発してグリーン席を取っておいた二人はムーライト松山に乗り込んだ。
車内の写真と出発の瞬間を動画に収めたMさんは僕の寝顔を撮って喜んでいた。
その後、私は眠りに着いたのだが、Mさんは寝付けずにいたらしい。
車内で目が覚めたときには、右側に夜明けの瀬戸内海を見ながら四国を西に向かっていた。
途中までムーンライト高知と一緒に走っていたけれど、ここでは単独で走っていた。
そういえば、ムーンライト高知のグリーン車にはごろ寝が出来るスペースもあった。
そこがよかったね。などと話していたのが乗り込んですぐだった。
しかし、もう夜明けを迎え、松山駅に着いた。
そこでも写真を撮っている人は多かった。もちろんMさんもその一人だ。実は私もケータイで撮っていた。
ある深夜番組でここの「じゃこ天」が出ていた事があったので、朝ごはんは「じゃこ天そば」を食べた。
駅から道後温泉までは路面電車で行った。小説「坊っちゃん」にちなんで「坊っちゃん列車」という
観光用に作られた小さなSLのような路面電車もあったがここは普通の路面電車で向かった。
道後温泉に着いて本館を目にして入るお風呂によって値段が違う事に少し戸惑った。
とりあえず、一番安いお風呂に入った。
まるで「千と千尋の神隠し」のお風呂屋もここをモデルにしたのではないかと思ったほどだった。
お風呂は全く同じ作りのお風呂が二つあった。泉質は同じ湯加減も丁度良く、出た後はほかほかだった。
その後は坊っちゃん列車で松山の繁華街へ行った。
ちょうど夏休みという事もあって、高校生の俳句の全国大会が行われていた。
確か、ハンカチを句に折り込んで俳句を作ってあった。その商店街の食堂でお昼を食べた。
店員のおばちゃんがパソコンの使い方を聞いてきたので、ちょうど仕事で使っていた事もあり、Mさんと二人で教えてあげた。
昼食後は松山城を一通り見て周り、デパート屋上の観覧車にも行った。観覧車から松山城を見るとまた違った。
しかし、工事中というのが少し残念だった。
デパート内の喫茶店で少し話してから、空港を行き、名古屋まで戻ってきた。
この旅行から数週間経って、MさんからCD-Rが送られてきた。この旅行の写真のデータが入っていた。
今もそのCD-Rはこれを書いているパソコンのところに置いてある。