「悲しいほどお天気」という表現は変と思うかもしれないけど
あまりに天気がよすぎて、あまりに空がきれいすぎて、
かえってさびしくなる事もある。ユーミンならではの表現かな。
《ジャコビニ彗星の日》
《影になって》
《緑の町に舞い降りて》
《Destiny》
《丘の上の光》
《悲しいほどお天気》
《気ままな朝帰り》
《水平線にグレナディン》
《78》
《さまよいの果て波は寄せる》
夜のFMからニュースを流しながら 部屋の灯り消して窓辺に椅子を運ぶ
小さなオペラグラスじっとのぞいたけど 月をすべる雲と柿の木ゆれてただけ
彗星がくるってきくと、わくわくする。ハレー彗星のときもそうだった。
でもね、なかなか見れないんだよね。そうわかってても夜遅くまで起きて、待ってる。
山へいけば、毎晩流れ星みられるんだけど。
72年10月9日 あなたの電話が少ないことに慣れてく
私はひとりぼんやり待った 遠くよこぎる流星群
この歌をおぼえていれば、ジャコビニ彗星の来た日がわかるね。
流れ星をみることができたら、きっといいことがありそうで、だからじっと待ってる。
指が痛いほど 残らずダイヤルしたけど
呼び出しの音だけが耳の底にくりかえす
誰かに会いたくて、誰かと話がしたくてたまらないのに、誰もつかまらないときってある。
よけいにさびしくなっちゃうよね。電話なんかしなければよかったって、思っちゃう。
なんて不思議な なんて不思議な霧の夜なの
どこへ続くの 街路樹の影たち
孤独にひたって夜の街に出れば、景色がいつもと全然違って見える。
でも、そおっとやさしく私をつつんでくれる。
輝く五月の草原を さざ波はるかに渡っていく 飛行機の影と雲の影 山すそかけおりる
着陸間近のイヤホーンが お天気知らせるささやき MORIOKAというその響きが ロシア語みたいだった
私のお気に入りの曲。緑があざやかになる頃おもわず口ずさんじゃう。
盛岡は行ったことがないけど、宮沢賢治の作品にもあるように、郷愁を感じさせる町だね。
もしも もしも この季節 たずねくればきっとわかるはず
あなたが気になりだしてから 世界が息づいてる
この気持ちはすごくよくわかる。恋をしてるときって、どうしてこんなに世界が
違って見えるんだろう。すべてが生き生きとして見えるんだよね。
ホコリだらけの車に指で書いた True love my true love
本当に愛していたんだと
のりがいい曲。裏拍をうまくとってね。
彼に冷たくされても、いつかみかえしてやるって思ってる強い女の子。
でも、こうじゃなきゃ。失恋もバネにして、いい女になっていくんだよ。
冷たくされて いつかは みかえすつもりだった それからどこへ行くにも 着かざってたのに
どうしてなの 今日にかぎって 安いサンダルをはいてた
今日わかった 空しいこと むすばれぬ 悲しいDestiny
こんないい女をふっちゃったなんて、って男に思わせてみたいよね。
でもさ、それは着飾ったり、いい靴をはいててもだめなんだよ。
内面からあふれてなきゃ。それに気付かないから、ふられちゃったのかもね。
すみれ色のまま夕暮れを止めて 新しい自転車で高原をすべる
夏へ急ぐ空 おだやかに翳り このまま二人ずっと漕いでゆきたいの
こんな美しい風景に出会えたなら、時を止めたいよね。
私は今しあわせなのーーっていう気持ちをじわーっと感じていたいから。
いつしか 今日の日も思い出に
少しずつかわる
どんなに素敵な日々だとしても、それもいつかは思い出になってしまう。
そして、少しずついろあせていってしまうんだよね。かなしいことに。
名もない蔦や柳がひくくたれこめて 絵をかく私達 それぞれひとりにさせた
まるで先の人生を暗示するように
ユーミンは美大で日本画を専攻してた。その頃のことを歌った曲だね。
どんな絵をかいていたのか見てみたい気もする。
みんなまだ 気づかずすごしていたんだわ
ずっといっしょに歩いてゆれるって だれもが思った
学生時代の友だちって、なんでもわかりあえて、何をするにもいっしょで。
それぞれ別の道をあゆんでいくなんて、その頃は考えてもみなかったよね。
北風のベンチでキスしながら 心では門限を気にしてた
なごりおしい顔をして半分ホッとして 電車のドアで手をふる私
二人でいる時間はあっという間にすぎてしまうよね。
まだいっしょにいたいと思っても、門限の時間は容赦なくやってくる。
父親がうらめしかった昔が なんとなくてれくさくなつかしい
だって今は誰ひとりとがめることのない 気ままな朝帰りなの
あんなにいやだった事なのに、誰もしかってくれる人がいないと
それはそれでさびしいし、不安にもなる。勝手なもんだね。
白い燈台が浮かび上がる 海は暮れなずみ 帆影は急ぐ
舵をとりながらふりむいたら 私もたなびく景色でしょうか
静かな曲。幻想的な風景だよね。
ヨットに乗るなんて普通だったらうきうきしちゃうのに、気持ちは沈んでる。
錆びたスクリューにさわってみる 今日は初雪が沖を吹いてる
古い溜まり水 船底から ズックですくった 凍らぬように
ずっと一緒って約束したのに、あなたは帰ってこない。
心の中にぽっかりとあいた穴はしばらくうまることはない。
ふるさと忘れない渡り鳥の群れは どこかに磁石を持ってる
見えない法則を人は神秘と呼び 操れるものを怪しむ
このアルバムができたのは、1979年なんだけど、ユーミンは78っていう数字が
お気に入りなんだって。なんか、神秘的な雰囲気がするとかで。
流れ流れの果て手にしたタロットは 黒いアラベスクの模様
太古の昔に失くした全ての力を ここにとり戻す
のりがいい曲なんだけど、バックコーラスの上田正樹がまたいい味だしてる。
「悲しい色やね」のアルバムも持ってる。泣けるよね。
泣いてかけてゆけばそこに きらめく海原 けれど受け入れはしなかった私の弱さを
沖をすべってゆく船と 足もとで遊ぶ犬と 風を切る鳥たちだけ 自由だった
私はやっぱりバラードが好き。じっくりと詩の内容を感じとれるから。
海はゆっくりと時間が流れる。私は一日みていてもあきない。
夢中になれる何かがどこまでも導き
いつしか遠く旅したとこの海に立ちつげよう
海にいけば、必ず海と向かい合う。そして、いろんなことを聞いてもらう。
返事があるわけでもないのに。でも、また海にいって、話す・・・。