Birthday・・・一つ目の誕生日・・・
TDL(東京ディズニーランド)に30代のご夫婦が遊びに来た。
そして、レストランに入いった。
料理を注文
大人二人分と、子供一人分。
ウエイトレスが料理を持ってきたときには、ご夫婦二人だけしか
見あたらなかった。
(お子さんが何処かで遊んでいるのかな)
そんなことを思いながら、ウエイトレスの彼女はしばらく様子を見ていた。
が、一向に子供の姿が見えない。
心配になった彼女が、ご夫婦に尋ねる
「お子さまはどちらへ」と
すると一枚の写真を取り出し、
「子供は2歳の時、交通事故で亡くなりました。
一緒に此処へ来たかったのです。」
と、写真には幼子の笑顔が零れていた。
彼女はとっさにバックヤードに行き、子供用の椅子と写真立てを 持ってきた。
椅子は、料理の前に、そしてテーブルには写真立てが飾られた、
その子の写真を添えて。
ご夫婦は大変に喜ばれた。
「今日は子供の誕生日。来て良かった。来て良かったです」と
「私も今日、誕生日なんですよ」と彼女。
ご夫婦の瞳に彼女の姿が優しく映った。
二つの誕生日が重なる日
それは、魂の共鳴が広がる瞬間。
ご夫婦は帰り際、その店のスタッフ全員に
「素敵な人がいらっしゃいますね。
素敵な人がいらっしゃいますね。」
と声をかけたそうです。
その話が社長の耳に入り、彼女はベストスタッフ賞を頂いたそうです。
彼女はきっとこう言ったでしょう
「当たり前の事をしただけです。」と。
Birthday・・・二つ目の誕生日・・・
いつもの日常…。
いつもとさして変わらず…少し違うといえば起きぬけのメールチェックを
した時、 珍しくあいつからメールが入ってた…。
「今日、夕方から時間あけとけ!」
なんだぁ〜???
締め切り間近で忙しいって言うのになに考えてるんだろう…
ば〜か!無理、無理。
そんな独り言を言いながら…煙草をくわえ…コーヒーを炒れる。
いつもと変わらぬ朝の支度…。
時間に追われ…時間に追い抜かれるような一日が過ぎていく。
神経が疲れはてて、PCに向かう指先が悲鳴をあげそうになって…
ふっと息を吐 く…。
気が付くと…外はそろそろ夕闇のカーテンが下りる頃…。
電話…。
「もしもし…、俺。」
「なに?今朝、変なメール入ってたけど…。」
「出かけるぞ。」
「なに言ってんのよ。忙しいのしってるでしょ?」
「おまえさあ、今日何の日かわかってないの?」
めまぐるしく走り回るように記憶のファイルが頭の中で、
パタパタパタ・・・めくら れていく音が聞こえる。
「あ…。誕生日…。」
「お洒落しろよ。1時間後に迎えに行くから。」
「え?…うん…。」
「今日くらい仕事忘れて俺のところへこいよ…。」
−お客様から頂いたメッセージです。−by オーナー
ドライブ 
午前3時の待ち合わせ
「たまにはドライブもいいわね。」
秘密の湖に君を誘った。
三日月と会話する賑やかな天空、流星が僕らを迎えてくれた。
朝靄の中うっすらと見える湖面、
湖畔にたたずみ、揺れる月を見る
静寂の空間
こじゅけいの鳴き声と羽音に、朝の訪れが近いことを予感させる。
風が向きを変えた。
山の稜線がうっすらと紫色に染まりはじめる
夜明けだ。
自然のシネマが幕を開ける時、観客の僕は君の肩をそっと抱いた。
これから始まる二人のストーリーに身震いした。
君と演じたかった。
パートナーは君しかない。
それは
君と迎える夜明け 君と僕とのプロローグ
僕が囁く
「愛していいの?」
小さく頷く君
「もう一人にしない。」
僕は君を強く抱きしめた。
逢う瀬のほとり。
Birthday・・・三つ目の誕生日・・・ 
彼女は、その日か嫌いだった。
それは自分の誕生日。
毎年巡り来るこの日を漠然と過ごしてきた。
そんな誕生日が今年もやって来た。
いつものように朝目覚めて、そしていつものように仕事に出かけた。
いつもの一日がはじまり、
そしていつものように一日が終わろうとしていた。
5分前までは。
それが、終業時間の5分前に、こんな事が起きた。
突然、部屋の照明がパッと消えて、自分の周りから、パン、パン、と
クラッカーの音。
そして、照明が明るくなったと思ったら、
男子社員が周りを取り囲んでいて、
「お誕生日おめでとう」の声、
花束とケーキが目の前に。
欧米に見られるサプライズパーティの光景
ビックリしたのと、うれしさのあまり声が出なかった。
そして、有り難うを言おうとしたその瞬間
隣から、
「有り難う!とっても嬉しい」
今日は後輩の女子社員の誕生日だった。
まさか、同じ日に。
その子から、彼女へ「ありがとう」のお礼。
どんな顔して、何をしゃべったのかわからない。
そして、彼女はそこに居られなくなった。
その場を後にした。
誰もいない部屋で、一人で食事、一人で過ごす時間
自然と涙が零れてしまう。
「誕生日なんて、なければいい」そう思った。
その日が終わりかけていたその時、
チャイムの音・・・
こんな時間にいったい
少し明けたドアから声がもれた。
「誕生日おめでとう。コンビニでショートケーキを買ってきた。
一緒に食べよう」と僕。
大きく明けたドアには、眼に大粒の涙をためた君がいた。
花束 
「ありがとう。とっても綺麗」
「でも、あなたは花屋さん?」
そう、僕は花屋かもしれない。
彼女の花を見つめる姿が見たくて、僕は花をプレゼントする。
優しい眼差し、透明な瞳、女性だけが見せる魅力の一瞬である。
とても素敵。
「花束を作ってください」
「どのようなご用にお使いですか?」
その質問に、僕はいつも困ってしまう。なんて言おう。
「誕生日なのです」
プレゼントしたいから、ただそれだけの理由だけなのに。
「お幾つの方ですか」
本当の君の歳は言えない。
「二十歳です」
そう、君が花を見つめる瞳は二十歳のころと変わらない。
二十歳の君に出逢った事は 無いけれど、
出逢っていたら、きっとそうだろうと想像する。
たとえ幾つになっても、花束を渡すとき二十歳の君にいつでも逢える。
TDL(東京ディズニーランド)での夜のパレードを見つめる眼差しと同じ。
どんな人でも笑顔、
温かい眼差しで次に起こるアクションに胸弾ませて、見つめている。
それは僕の想い過ごし?
嫌、違う。
君の瞳を見ていると、僕の心も不思議と優しくなれる。
そんな魔法の瞳が見たくて 僕は、君に花束を贈る。
「どおするのよ〜。素敵すぎて恥ずかしいじゃない」
君の迷惑そうな、笑顔も素敵だ。
p.s.
今度はTDLでデートしよう。夜のパレードを見る、君がみたいから。
つばさ
「何でつばさが付いているの」
僕の車のリアスポイラーを見ると、いつも君はそう質問する。
確かに翼だ。
「スピードを出したときに、空気抵抗を抑え、安定させ、
車を操り易くするためだよ。」
と説明しても
「何で羽根が付いているの」と又同じ質問。
全く、納得していない。
君らしい。
おどけた横顔が好き、ふざけたふりして囁く愛の言葉も好き
君は気づいていないと思うけど、僕は君の癖を知っている。
並んで歩くとき、嬉しいときは左、右の肩は哀しいときにもたれてくる。
いつも君の温もりを感じている。
今日は、はじめは右だった。哀しいことが有ったのかな
でも、僕は聞かない。
空港のターミナルから駐車場に向かうエントランスで、
歩きながら君へ囁いた。
「哀しい理由は聞かない、でも、弱いのは君だけじゃない。
僕もそうだよ。その涙は、僕がふく」
伏し目がちのまなざしは一呼吸おいて
「ありがとう」
の言葉と、瞳を僕の正面に合わせた。そして、左の肩にもたれた。
ありがとう
理由なんていらない。
君の”ありがとう”が僕は好き
その時、僕が君の中にいるから。ただそれだけでいい。
だから、守るべき女性(ひと)なんだ。
駐車場で僕の車を見つけた君は
「何でつばさが付いているの」
「魔よけかな」
「なるほど!」
やっと納得してくれた。
「僕の翼は君を運ぶためにあるんだよ。」
僕の独り言は君には聞こえない。
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