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いらっしゃいませ、ごゆくっりどうぞ ここは夕日のカウンターです。

ビジネス|温かい心プレゼント恋・・・想いでの場所充電



ビジネス 

日本人記者が、パレスチナで取材をしていた。
少女が街頭で、手作りの籠を売っていた。
その記者の両手には籠が二つ、
別の籠売りから買ったものだ。

でもその少女は、籠を買ってくれと、近寄ってくる。
記者が必要ないと断っても、買ってくれと。
拒みながら、記者は迎えのバスに乗った。
哀れんだ彼は小銭をペーパーで包み、バスの窓から少女の足下へ投げた。
散らばる小銭・・・

でも少女はその小銭を拾おうとしなかった。
群がる子供たちの中で少女が一人立ち、こちらを睨んでいた。
記者はその目を見たとき感じた。
少女は正当な報酬として利益を求めていたことを。
ビジネスとしての報酬を。

そして、その瞳は語っていた。
一人のパレスチナ人としての誇りと
こんな世の中にした原因はあなた達だと。
私たちは、あなた達の犠牲になったのだと。



温かい心 

その少年は喘息の病と闘っていた。
季節の変わり目になると必ずと言っていいぐらい、入院を余儀なくされた。
今年も季節が流れ、彼にとって辛い季節がやって来た。
どうしても咳が止まらない。呼吸が苦しい。病院へ搬送された。
点滴の処置をして少し咳が落ち着いた。
発作が起きると、3〜4日は入院だ。
6人の大部屋で彼は入院生活をおくる。
同じ病状の子供達が集ると、病院とは 思わせないぐらいに
遊び場と化してしまう。いつもの仲間のように。
子供達の”不思議”。

彼もその中で、一緒に遊び、そして大いに友達として交流し退院していく。
でも彼は決してその友人達の名を、名前で呼ぼうとしない。
○○ちゃんって。

それは、一昨年の春、やはり入院をしたとき。
隣のベットにいた彼より年下、5歳の男の子と仲良しになった。
彼はお兄ちゃんぶって、弟のような男の子にアドバイスしていた。
「大丈夫。注射、痛くないから」
「大丈夫。僕が先生に痛くないように頼んであげるから」
その姿はとても意地らしかった。いや男らしささえ感じた。
お互い名前で呼び合って、それこそ病人と思えないほど、はしゃいでいた。
それでも、別れは必ずやって来るもので、彼が退院する日がやって来た。
弟君はもう朝から泣きっぱなし。彼はそんな弟君を、慰めて
「早く元気になって一緒に遊ぼうね」って約束をした。
弟君の住むんでいる場所さえ知らないのに、でも彼にとって見れば、
精一杯の優しさだった。
彼は退院をし、 迎えの車の中に入ったとたん、急に泣き出した。
その涙は、家に帰っても止まらなかった。
それから、彼は病院で親しい友人を作ろうとしない。
友達の名前は名字でしか呼ばなくなった。
別れの辛さが病気の辛さよりも、苦しいから。

プレゼント 


「はい、お土産」
僕は、仕事を抜け出して彼女に逢っていた。
「なんだ出張に行ってたの。どおりで連絡つかないんだから」
「ごめん、だからこのお土産」
と僕は彼女に小さな包みを差し出した。包みの中には、星の砂の入った小さな小瓶。
シーサーを象った蓋、沖縄らしいと思って買った。
「今度は沖縄?ありがとう」
彼女はちょっと不満顔
それもそのはず1週間連絡を取らなかったのだから
僕には考えがあった。
その小瓶を渡して僕は彼女と別れた。
「今、仕事中だから、また後で連絡する」と一言、彼女に言い放って、
その場を後に した。
それから彼女の家にFAXを送った。
”星の砂は真夜中の12時に光り出す伝説を知っている?”
っと書いて

12時過ぎに電話が鳴る。
「星の砂が輝いているわよ。そう、リングと一緒に」
星の砂の中にリングを隠して入れておいたのだ。
「安物だよ」
「いいの、あなたの優しさが詰まっているから」
僕は君の正直なところが好きだ。
プレゼントは2段になっていることもある。

恋・・・ 


好きな人に
「君が良ければ、つき合ってください」
みたいな言い方をしていました。
一見相手の立場に立った言い方のようで
でも、それって意外にずるい位置にいたりするわけで
結局それぐらいの想いしかないと自分で言っているようです。
でも、それでは悲しいじゃない。
本当に好きならば
”好き”っていおう
口で言うときはかなり照れくさいけど
想いを伝えようって
それってエネルギーがいることだと思いますけど・・・
そんな考え方に変わりました。
なんでもそうじゃないかな。

おみくじで大吉を出すことって結構簡単でしょう。
大吉が出るまで繰り返せばいいのだから
出逢いも、大吉が必ずでるよ。
何回目で出るかわからないけど
自分の大吉がきっと有るはずだよ。
自分に納得がいくまで挑戦しよう
そう自分自身に言い聞かせています。

想いでの場所

俺がラーメン屋で働いていたときの話。
いろんなお客さんがいてね。その中で印象に残っている人がいる
彼、年の頃は二十代だろう、月曜日のだいたい同じ時間にやって来る。
そして、同じ料理を注文する。
月曜日の常連さんだ。そんな常連さんが沢山いると料理を作る側として嬉しい限りだよ。
その日、月曜日、その時間がやって来て、彼が現れた。その日は団体さんが入っていて少し混雑していた。でも、満席ではなく、ちらほら席は空いていた。
そして、彼が店に入るなり、あたりを見渡して外に出ようとしていた。そんな時声をかけたんだ。
「お客さん、こちらのカウンターへどうぞ」
彼は、手を横に振って
「混んでるみたいですからまた来ます」
「こちらへどうぞ」
彼を強引に、カウンターの席へ座らせようとした
「僕、あの席で食事したいのです」
指した指先には4人掛けの席で、団体さんが食事中だった。
「じゃあ此処で待ってください」
彼をとりあえずカウンターに座らせた。
「すみません」彼がぽつりと謝り
「あの席は思い出の席なのです。」
彼はそんな話を語ってくれた。

この店を教えてくれた友人がいた。
「とても美味しいラーメン屋なんだ」、そいつが言うから僕は連れられて
やって来た。ほんと美味しかった。そいつと始めてきたときに座った席が
あそこです。
それから、しばらくして、彼の急死が知らされた。心臓の病だった。
そいつは僕の親友。
いつもそいつと二人でいた。
何でも話し、何でも語ってくれた。そんな友がいなくなってしまった。
そいつに相談すると、「とにかくやってみようぜ」って応える。
どんな簡単なことでも、どんな難しいことでも、悩んだあげく
「とにかくやってみようぜ」って。
勇気が出るんです。
だから僕はその友と話をするために此処へやって来ているんです。
彼が始めて
「この店美味しいぜ。俺の知っている中では一番だよ。食べてみなよ」って
言った場所だから。

充電 

休日のブランチの後
彼女との闘いが始まった。
僕は新聞を両手で広げファイティングポーズをとった。
彼女はキッチンに向かい背中を向け食器を洗う防御態勢。先制攻撃の時をうかがう。
「・・・」
均衡は破れた。
「別れよう。」僕が切り出す。
「・・・」
君から言い出したんだ。
「・・・」
「何時も君はだまってしまう。こっちを向いて聞けよ」
「・・・」
挑発に乗ってこない。
「僕たちは、電池が切れているようなものなんだ。
時間をかけて充電しよう。
離れることが今一番たいせつなんだ。」
「・・・」
泣き落としもだめだ。
「僕は浮気をしていた。君より素敵な彼女・・・
彼女といると優しくなれるんだ。」
僕は嘘をついた。浮気などしていない。
グスン
彼女が鼻をすすった。
「・・・」
彼女が泣いている。背中が震えているようだ。
いわなければ良かったと後悔した。
大げさにいった方が、離れやすいと思った。
今更嘘だなんて言えない。彼女に申し訳ないことをした。
「ごめん。僕が悪かった」
僕は自爆した。
「何か言った?」
彼女はウォークマンを外しながら振り向いた。
「いや・・」
風邪ひいていたの
「花粉症みたい」
「よかった」
で何?」
「愛しているよって言ったんだよ」
「なによ、馬鹿ね」
彼女に話したことは、聞こえていなかったみたいだ。
僕の一人芝居で終結した。
そして、休日の午後が優しく流れた。

彼は彼女のウォークマンの電池が充電切れになっている事を知らない。

男は女性に戦いを挑んではいけない。


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オーナー 小田
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