<7> 斯波@クソゲーハンター
・・・フラグを全て潰していけばいい。簡単な事じゃないか・・・。
保身とともに現実まで捨てた斯波の不可思議な余裕に、美和はますます興味を抱いて
いた。斯波は笑みさえ浮かべて、問いに答える。
「愛する睦木たんの秘密なんだから、口が裂けても誰にも言わないさ。」
愛、という言葉を聞き、途端に美和の視線が厳しいものになる。
「愛って、プラトニックなもの?」
目元から笑みが消え、今までに無い低いトーンの声。数分前の斯波なら失禁ものかも
しれないが、今の斯波は危険を察知するには多くのものを捨て過ぎていた。
「まあ、最初はね。」
躊躇無く地雷原を爆走する斯波。絶句する美和。
「でも、睦木たんにハァハァする上で、そのうちむにむにとかもしたい。男だし。」
「で、最後は・・・うわぁぁぁっ!!」
美和の手にあったメスが、斯波の腹部をかすめるようにシャツを切り裂き、シーツに
深々と突き刺さる。
「男とか女とか、関係ないでしょっ!!」
さすがの斯波@クソゲーハンターも、フラグ無関係、殺意無関係の発作的な攻撃には
ひるみもするが、一度入ったスイッチは止まらない。
「死ぬかと思ったよママン。でも、男も女も関係ないって・・・。」
斯波は、満面の笑みでまっすぐ美和を見る。
「美和たん、やっぱり百合だったんだね。ハァハァ・・・。」
斯波のモニターに、もはや縛られた自分の姿は映っていない。映っているのは、攻略
対象に過ぎない萌えキャラ美和たん、ただ一人。互角以上(?)の戦況に、斯波の顔
には笑みさえこぼれていた。