居酒屋に到着して座ったとたんいきなり自己紹介をしろとのこと。リッパーでーす、初めましてー。 DR閣下と久我先生とkさんは約1週間ぶりですー。
コリさん(女性)はあまりミステリにこだわらない読み手さんらしい。今『終戦のローレライ』を読んでいると本を見せていただく。 かっくいー。メフィスト賞作家では浦賀と中島と古処と殊能が好きなんだそうな。 「浦賀は食ってナンボ」「殊能に萌えずに誰に萌える」「朝香二尉萌え」「黒田研二作品のキャラは許せない」 「新堂の『忘れ雪』は生ぬるい」etc.. その至言暴言の数々にリッパー感服いたしました。
久我先生は例の体育会系ミステリを楽しまれたらしい。富士ミスの他の本の紹介文を朗読したりしてました。 怪奇と美少女に彩られ探偵小説へのオマージュがわんさかつまっている作品とかどうですかね?(笑) あと、「にはは、ぶいっ」を流行らせたいと久我先生が先生スレで書いていたけど、どうやら本気らしい。 「今さらですかー」とつっこんでしまいましたが、了解いたしました。ぜひ流行らせましょう。にはは、ぶいっ。
hmさんとは隣に座っていたこともあってちょこちょこあれがいいこれがよかっただのと話をさせていただく。
『世界は密室でできている』で泣いた人3名、もう1人はリッパーです。ブギーポップは『パンドラ』がよかった。
などなど、浦賀好きというあたりには共感できないけどもわりとリッパーと感性が近いかもしれぬという感触が。
特に高里椎奈『それでも君が』について「ファンタジーの世界観はいい感じだよね」という感想に同意してくれたあたりが印象深い。
前回のオフじゃ、高里は全然駄目とか言う人いましたからねえ。っていうかDR閣下がそうか(笑)
hmさんは密室本16冊全部買ったそうな。ニヤ。リッパーやDR閣下のお仲間ハッケーン。
kさんが「hmってヘンリー・メリヴェル卿なの?」と問い、「ヘンリー・メルヴェルって誰っすか?」とhmさんが問い返したことから、 hmは何だというネタ合戦が始まる。ワロタ。 hmさんはHM卿を知らなかったことが悔しかったらしい。 まあ、リッパーもカーなんて『皇帝のかぎ煙草入れ』と『赤後家殺人事件』しか読んだことないし。気にしないでいいと思いますよ。
hmさんが綾辻作品で好きなのは『水車館の殺人』だと言ったところ、コリさん他から「えーっ」という大合唱がおきる。 水車館は駄目でしょうおかしいよとまで言われていた。ああ、かわいそうに(笑) 確かに水車館は本格ミステリとしてはトリックを看破しやすいので、館シリーズの中では推す人が少ないように思うけど、 ラストシーンの美しさは綾辻作品の中で群を抜いてるんじゃないかなあ。 リッパーはあれ読んでゾクゾクきましたし、水車館が好きだという気持ちはわからなくもない。 まあ、リッパーが一番好きなのは『時計館の殺人』なんですが。 水車館を否定したコリさんは『殺人鬼』が好きとのこと。ってコリさんも少数派ですがな。
DR閣下が持ってきていた『ダブ(エ)ストン街道』を見せてもらう。 装丁かっこわるっ。こんな本、本屋で見かけても普通買わないって(汗) 冗談はともかく読みたいのでいつか貸してくだされ>DR閣下。 文庫で出れば買って読みます>講談社様
他に出ていた話題とか
時間がたつにつれハイペースで飲み続けていた3名(DR閣下、久我先生、コリ嬢)のテンションが上がっていき、 完全に酔っ払いモードにはいってしまう。 DR閣下はイワサキの近所さんとか略さんに電話をかけまくり、なぜか皆に電話を回しはじめる始末。ああ、申し訳ない。 久我先生も会話でDR閣下の本名を連発したりとかなり逝っちゃってるっぽい。コリ嬢はへろへろになりながらhmさんに絡んだりしていた。 「hmさんが京都オフの幹事をやって場所を用意してくれれば3人で行きますから」「うん、行く行く〜」と酔っ払い組。 本気ですか、おまいら。 あと、DR閣下がコリ嬢にあんなことやそんなことをしていたのだが、いい男なDR閣下の女性ファンがオフ会に来なくなると困るので、 見なかったことにしておこうそうしよう。
女性2人組が先に抜ける。すんません、席も離れていたおかげで全然お話しできませんでしたね。 お名前すら聞きそびれてしまいました。あうー。 あと『六色金神殺人事件』読みたいですー。
リッパーは翌日も仕事があってあまり遅くなるわけにはいかないので、22時半くらいに離脱。 じゃあわたしもとkさんも一緒に抜けることに。 へべれけになっている酔っ払い3人をhmさん1人にまかせていいものやらとほんの少し迷うが、 まだ4人とも解散したくなさそうなので、いいかと思って帰っちゃいました。 hmさんが「hmちん、ぴんち」な助けて光線(笑)を出していたのは気づかなかったです。ゴメンナサイ。
本のプレゼント大会に関しては他の方のレポートを参照してください。 補足するとしたらコリさんに『みすてりあるキャラねっと』と『闘う少女と残酷な少年』が行ったことですかね。 リッパーは仕事帰りの突発参加だったので本を用意してませんでした。
今回のオフレポがあるところ。
DR.MEPHISTO MEPHISTO AWARD LABORATORY (DR.メフィスト閣下)
switchingmystery (久我先生)
コンバンハカレーヨ (hmさん)
hmさんへの私信
「エイケン」では百合子ちゃんがわりとお気に入りです。
「Kanon」は天野萌え、あゆシナリオが好き。「AIR」の遠野シナリオでは後半泣きっぱなしでした。
あと、リッパーのPHSのストラップがあゆなんですよ(爆)話が出たときに見せればよかったかと後で気がついてちょっと後悔してみたり。
『虚空の逆マトリクス』 森博嗣 (講談社ノベルス)
短編集。一番好きなのは「不良探偵」。
「トロイの木馬」の極端なデジタル化ネットワーク化な志向は常人には辿りつきにくい領域のような気がします。
変なものを読んだという感触はあるけど、どこが面白いのかはよくわからない。
「ゲームの国」とか「いつ入れ替わった?」はわかりやすくて安心。
『忘れ雪』 新堂冬樹 (角川書店)
空から降る雪を小さな犬が見上げているという装丁に思わずときめいて買ってしまいました(ちょっと赤面)
新堂冬樹は初読みです。帯の謳い文句の通りピュアなラブストーリーでした、前半は。
子供の頃に少年と少女が出会って7年後に再会する約束をして、とまあそんな話。
前半はとてもよかったです。特に再会シーンがいい。ヒロインの手紙もせつなくてじーんときました。
ところが後半は死人が出たりヒロインが失踪したりとミステリーだかサスペンスだかな展開になってしまい、ちと興醒め。
うう、せっかく綺麗なお話だったのにー。トホホ。
『塔の断章』 乾くるみ (講談社文庫)
なかなか面白かったです。解説で作者が書いているように(以下ネタバレ)
序章と断章の冒頭を読んですぐ、リッパーは語り手の辰巳が犯人ではないかと疑いをもちました。
一見、女性の一人称のような書かれ方をしているけども、辰巳が女性であることを決定的にするような記述がない。
性別誤認の叙述トリックかなー? と、作者の狙いにまんまとはまってました(笑)
中盤、ビール缶に関する証言が出たところで、あれれ?序章にビールに関する記述はなかったぞと
序章を読み返したところで、序章で死んだのは香織じゃないかもと閃く。
性別誤認トリックじゃないかと疑って深読みすることを逆手にとったミスリーディングはなかなか快感でした。
真相が明かされる前にトリックを見破れたのもちょっと嬉しかったり。
あと、もう1つの走馬灯オチまではさすがに思いつかず。アホか(笑)
『無謬邸は暁に消ゆ 浪漫探偵・朱月宵三郎2』 新城カズマ (富士見ミステリー文庫)
怪奇と美少女と探偵小説のエッセンスを無駄にばらまく怪作。
前作よりは若干シンプルになった(浪漫探偵や怪人の設定説明がなくなったぶん)ものの、
狂った論理と狂ったルールの中で変なミステリが展開されるのは前作と変わらず。
犯人消失トリックにはびっくり。
『ジョーカー』清(上巻)涼(下巻) 清涼院流水 (講談社文庫)
本格ミステリのギミックをこれでもかこれでもかと過剰に詰め込んで大上段に構えてえいやと一刀両断して
散らばったものをまた1つの匣の中につめこんで覗いてみたら「ほう」と言ってるような。
何書いているんだかわかりませんが、本格ミステリ作品における極北がこの『ジョーカー』だということに異論はないですというのが感想です。
とにかく面白かった。『コズミック』とは違って限定された舞台と登場キャラクタのおかげで流れがつかみやすく、
本格ミステリのコードを踏まえた話の展開にワクワクしっぱなしでした。
話の突飛さでは『コズミック』にゆずりますけど、キャラの魅力や話の面白さでは『ジョーカー』ですね。
解決編で明かされる仕掛けの連発花火には驚くのを通り越して笑ってしまうくらい。いやあ凄いすごい。
舞城王太郎や西尾維新が清涼院流水の系譜に位置付けられるのも納得いきます。
それにしてもデビュー時にこんな面白いものを書いていたのに、それが今や『秘密室ボン』と『みすてりあるキャラねっと』ですか。
こういうのを才能の枯渇というのかも(笑)
『エキストラ・ジョーカー』JOE(上巻)KER(下巻) 原作:清涼院流水、漫画:蓮見桃衣 (角川書店あすかコミックスDX)
よくも悪くも原作ジョーカーのパラレルストーリーとしての面白さ。
原作で死んでしまったあのキャラが生き残ったり(雑誌連載時の読者人気の影響?)、
ジョーカーには深く関わらなかったはずのあのキャラが出てきて死んだり(コズミックの主要キャラの1人なのに)
そのへんの意外性は楽しいんですが、原作あっての楽しみ方ですからのう。
はたして単体で読んで事件の推移と謎解きをどれだけ把握できるものやら…。
あ、いや、こういうマンガはミステリ部分なんかどうでもよくてキャラクタが受けさえすればそれでいいのかもしれませんが。
音夢嬢と龍宮たんがすっかり萌えキャラ化していてかわいくてよいです。
本書は「ああっ龍宮x若〜とか音夢たん萌え〜」という人にうってつけの作品です(本当)(笑)
『法月綸太郎の新冒険』 法月綸太郎 (講談社文庫)
短編集。「背信の交点」と「現場から生中継」が特に面白かった。
去年出た『〜功績』よりも”新本格”の匂いが濃いような気がします。
リッパーはどちらかというとよりパズラーに特化した『〜功績』の方が好きかも。
メフィスト学園用に考えたネタですが、 ちょいとくだらなすぎ(それとマニアックすぎるかも)かなと思ったのでこっちの方で載せておくことにします。 「魔女っ娘メグちゃん」の歌に合わせて。
シャランラ シャランラ ヘイヘイェーイイェイ シャランラ〜
年増だなんて思ったら おおまちがいよ女の子
ふたつの胸のふくらみは 何でもできる証拠なの
ミステリなんかは書けなくても 読者(あなた)はわたしにもう夢中
著者近影で微笑んだら おとこのこなんてイチコロよ
秘書っ娘メグは〜 秘書っ娘メグは〜
あなたの心に〜 しのびこむ しのびこむ
シャランラ〜
…にはは、ぶいっ
ちなみに乱歩の3冊はポプラ社の少年向けなやつで、読んだのは小学生の頃ですね。 他にも怪人二十面相とかもいくつか読んだ記憶はあるんですが、タイトルも内容もすっかり忘れていたので、 印象が強くて記憶に残っていた3冊だけをリストにいれてあります。 横溝は活字で読んだのは犬神家だけなのです。映像でならいろいろ見ましたけど。
『青空の卵』 坂木司 (東京創元社)
ひきこもりの名探偵と友人である語り手”僕”のお話。日常の謎系ミステリー。
主人公と探偵役の鳥井との距離感が近すぎるくらい近かったり、
主人公が大人にしては素直ないい子すぎたり(何かと泣きまくる)するのがえらくくすぐったい。
BLを想起しちゃう人もいると思うけれど、リッパーはこういう関係とかキャラは嫌いじゃないです。
穏やかな空気の中で優しい人たちが繰り広げる物語。
ほのぼのとしていて、ちょっと恥ずかしくて、読みながら思わず微笑んでしまうような。
ちと説教くさいのはマイナス。とりあえず続編出たら読みたい。
『嘘つきは妹にしておく』 清水マリコ (MF文庫J)
本の妖精かなと名乗る少女の頼みでバラバラになってしまった物語のパーツを集めようというお話。
パーツを収集する方法はその持ち主と心を通わせること。
何よりもタイトルが素晴らしい。嘘つきは妹にしちゃうぞ、と。なんじゃそりゃって感じですがとても良い。
読む前に抱いていた印象よりもずっと落ち着いた雰囲気のお話でした。
過剰さはライトノベルの魅力の1つでもあるのだけど、この作品は設定やキャラのわりに淡々としている印象。
妹萌え〜というほどでもないし、痛かったりするわけでもない。泣きも笑いも感動もたいしてないけれど読んでいてとても楽しい。
ボクと一緒に探し物をしよう。一緒だったら楽しいよ。でも、探し物を見つけたら夢がさめてしまうかもしれない……。
それだけでじゅうぶんだ。たぶん。
この作品、もっと多くの人が読んでいいと思います。
『血文字パズル』 ミステリアンソロジー第5弾 (角川スニーカー文庫/ミステリ倶楽部)
「砕けた叫び」有栖川有栖、「八神翁の遺産」太田忠司、「氷山の一角」麻耶雄嵩、「みたびのサマータイム」若竹七海の4編収録。
「砕けた叫び」、ワロタ。
「八神翁の遺産」、デュパン鮎子ってJDC第1班って感じですね(笑)
探偵ぶりも話の内容もJDCトリビュート企画として銘打たれても何の違和感もなさそう。ほめてるんですよ、これ。
「氷山の一角」、メルカトルの非道ぶりににやつきますた。
「みたびのサマータイム」、は、はずかすぃ〜。今回の4編の中で一番、スニーカー文庫には似合ってます。
総括、ミステリとしてはこれといって特筆する短編はないですね。ダイイングメッセージでは小ネタにならざるをえないのかも。
『悪魔のミカタ7 番外編 ストレイキャット・リターン』 うえお久光 (電撃文庫)
番外編第2作目。小鳥遊恕宇と冬月日奈たち4人の少女が神様と出会い、そして世界を救うお話。
恕宇のもつ見鬼の力について最後で明かされる真相に「お」と思わせるものがありました。
そのことに対しての伏線をどこかではっておけば、ミステリ要素の1つとして機能するのに、なんだか勿体ないなあ。
実はリッパーが気づいてないだけで前作のどこかに伏線があったりして(汗)
「言葉にかつて自分が感じたものを乗せて初めて、それは生きた言葉になる」冬月日奈。
大袈裟にすぎると思う。でも、うえお氏がそこに「言葉」に「語り」に執着することで、お話に一種の緊張感とか狂気が生まれてくる。
最近、清涼院流水の『ジョーカー』を読んで、流水氏もうえお氏も同じところからスタートしてたんだなと感じました。
『ぐるぐる渦巻きの名探偵』 上田志岐 (富士見ミステリー文庫)
ぐるぐる渦巻きの螺旋回廊の中心にはカタリ屋を名乗る名探偵がおりました。
ぐるぐる渦巻きに迷いこんだ加奈子はカタリ屋と警官に出会う。そして連続殺人事件が…
「真実を語り、偽りを騙る。言の葉で、事の端を具現する」カタリ屋。
最初またかよ!?と思いましたよ(笑)富士ミスからもこんな新人が出てくるのか、これも同時代性か…と遠い目をしていたんですが、なんのことはなくただのポーズでした。
キャラクタを傷つけてまでも”語り”にこだわる悪魔のミカタや饒舌すぎる戯言をつむいで読者を煙に巻くいーちゃんと比べてしまうと、カタリ屋はあまりにも薄っぺらい。
カタリ屋を名乗らせるくらいなら同時代の作品に負けないキャラをめざすべし。
ミステリとしては弱い。ミステリ仕立てに事件が進行するけども、これなら警察がすぐに犯人捕まえてもいいような気が。
う〜ん、ほめようとすると主人公の加奈子ちゃんがかあいいこと以外見当たらない(苦笑)
ふわふわのポニーテールとか暴力女子高生というあたりが萌えポイントですね。
『ダブルダウン勘繰郎』 西尾維新 (講談社ノベルス)
清涼院流水氏のJDCシリーズの世界観を借りて書かれた作品。
虚野勘繰郎と語り手のむつみがとある陰謀に巻きこまれるお話。
面白かったです。西尾維新の書くものってなんでこんなに心の琴線にふれるんでしょうね。
将来について夢見ることをとっくにやめてしまい
日常に埋没して流されるままに日々を過ごすダメな大人の1人であるリッパーとしては、
情熱的に夢を語り希望を語り己の可能性を確信する勘繰郎の姿に、心のどこかが揺さぶられてしまうのです。
清々しくもあり、なんだか恥ずかしくもあり、若いっていいよなあと感心してしまいます。
前向きな(愚直な?)饒舌さだけではなく、例えば勘繰郎が最後にとった手段のあまりの微笑ましさや、
ミステリ的な遊びの部分、言葉遊びがこめられたキャラクタネーミングなど、小技も楽しいです。
敵の設定やその目的はいかにもJDCシリーズらしくて○(まる)。
あと、ラストの彼以外にもJDCの探偵を出してほしかったなあ。そこだけがちょっと不満。
このJDCトリビュートは続刊予定もあるようなので、今度はバリバリの流水大説(できれば『ジョーカー』っぽいもの)を読んでみたいですね。
『お伽話のように ドルチェ・ヴィスタ』 高里椎奈 (講談社ノベルス)
シリーズ2作目。前作『それでも君が』とは少しだけつながりがあるもののお話としては独立しています。
現代を舞台にした少しファンタジー色のはいった短編集。
第1話が非常に読みにくい。2人組の方の視点って必要なんでしょうかね。
短編集として考えた場合に1番読みにくいものが最初にくるのはどうかと思います。
第2話「幻日、残照」 ああ、少女マンガの世界だ…と微笑んでしまいます。
金田と夕日の公園の少女が、すうっと交錯して離れていく。残ったのは淡く暖かなぬくもりだけ。…いいなあ。
第3話「非常識的リアリズム」 ジャファって妖精さんみたいだなあと。
西尾維新氏の『ダブルダウン勘繰郎』と合わせて読むとなんだか互いの深みがますような気がしちゃいます。
『蜜の森の凍える女神』 関田涙 (講談社ノベルス)
第28回メフィスト受賞作。吹雪の山荘に閉じ込められた9人。
余興として探偵ゲームを行うが本当に殺人事件が起きてしまう。女子高生ヴィッキーがその謎に挑む。
キャラクタや展開などがえらく凡庸でそこがたいして面白くありません。
ヴィッキーのポップな感じとか、誠の姉萌えな雰囲気はわりといいんですけど、魅力的なキャラというには何か物足りない。
なんというか、はじけてないなーという印象なんですよね、どうにも。
密室がいつ開かれたのか?という点とか、殺人遂行時のトリック、
ダミーの真相として提示されるトリックなど、本格ミステリとしてはそれなりに読みどころあり。
『アルテナの少女 ルーク&レイリア2』 葉山透 (富士見ミステリー文庫)
魔法のない世界観のファンタジー第2作目。妖しげな儀式の生贄にされそうになっていた少女を救い出したルークとレイリアが
遺跡や少女をめぐる騒動に巻きこまれるお話。
密室での殺人未遂事件を扱った前作に比べると、今作の事件と謎解きはあまりミステリ仕立てにはなっていないのですが、
そのぶんアクションシーンがふんだんに盛りこんであってファンタジー活劇としてぐんと面白くなっています。
主人公コンビのかけ合いも軽快で楽しいし、変な奴・不敵な先輩・かっこいい敵などサブキャラも充実。
終盤は遺跡とそれをめぐる騒動についての謎解きがなされます。
中盤までは活劇でひっぱって後半はミステリ風に着地するという構成がとてもいいですね。
最近はライトノベルのファンタジー活劇にあまり食指が動かないリッパーですけど、この作品は凄く楽しめました。
作者の葉山氏はこの作品がデビュー2作目。前作もなかなか良かったし、ようやく富士ミスから注目に値する新人が出ました。
『桜色BUMP シンメトリーの獣』 在原竹広 (電撃文庫)
ネタバレになるけれど、まあいいかと思うので書きます。超常的な力をもった小道具(と設定)を使った連続殺人のお話。
事件の真相をつかむための伏線は一応きちんと提示されていて、ヒロインの桜子嬢が探偵役となって犯人を指摘します。少しストレートすぎかなあ。
同じ電撃文庫の『悪魔のミカタ 魔法カメラ』の方が一捻りしてあってミステリとしては一枚上。
電撃も富士見やスニーカーに負けずにライトミステリを出していくつもりなんでしょうか?
それと、本筋には全然関係ありませんが、登場人物のネーミングが全部プロレスラーネタになっています。
高橋奈々美と中西重男のカップルは女子プロレスラーのナナモモ(高橋奈苗、中西百重)をもじったものでしょう。
居酒屋の馬場さんとモトコさんなど、他の脇役キャラもほとんどプロレスネタがらみです。
極めつけは、殺人事件後に桜子・悟郎・由紀子の3人が一緒に帰るシーンがあるんですが、
後に由紀子の名字が大森だと判明し、高山・浅子・大森で3人合わせてノーフィアー。
虎なんてへっちゃらですかー(笑) 果たして何人がこんな小ネタに気づくのやら。
| 舞台は殺人事件の現場である。場所はとある公園。
隣接する神社へと登る階段の手前でバラバラ死体が発見された。
刑事役の氷川と我らが名探偵石崎幸二が登場する。
氷川「被害者が手に握っていた写真がこれです」 監察医役の高田が登場する。
高田「奇妙な死体だよ。被害者は四肢をバラバラにされていた。
ただし、刃物などで切断したわけじゃなく、ねじ切られるような引き裂かれ方をしている。
被害者の体には全身にとぐろ状のあざがあった。そうだな、まるで大蛇にぐるぐる巻きつかれ、
もの凄い力で締めつけられて手足がちぎれ飛んだらああなるかもしれないね」 石崎は頭をかきながら殺害現場を見まわした。 奇妙な殺害方法。被害者は元力士。バラバラ死体。春一番の写真。 これらは何を意味している?
氷川「まったくわけがわかりませんね。神社に参拝でもして天啓がおりてくるのを待ちましょうか?」 氷川たちの言葉に石崎は階段を見上げた。そして推理の女神が石崎の元に舞い降りる。 石崎「階段…。力士のバラバラ死体…。ぐるぐる巻き…。写真は…。そうか、謎はすべて解けた」
氷川「え?どういうことですか!?」 こうして我らが名探偵石崎幸二の名推理により殺人事件は見事に解決したのでありました。ちゃんちゃん。 |
にはは、ぶいっ
『長野・上越新刊線四時間三十分の壁』 蘇部健一 (講談社文庫)
タイトル通りの本格鉄道ミステリです。表題作の長編の他に短編が3本。
トリックの大筋は事件の概要が出た時点でわかってしまいましたが、
刑事たちがああでもないこうでもないと仮説をたてては崩していく過程が面白くて、
鉄道ミステリにはあまり興味のないリッパーも楽しく読めました。
仮説の検証のために刑事たちが全力疾走で頑張るところが特にいいですね。ついつい笑っちゃいます。
なんかこう、読んでいてほっとするというか、癒されるというか。
もしかしたら蘇部健一は癒し系ミステリ作家なのかも(笑)
『ネフィムの魔海 ルーク&レイリア3』 葉山透 (富士見ミステリー文庫)
ファンタジーミステリ第3弾。今回は海が舞台。魔の海域でネフィムの歌声が聞こえるとき人が姿を消す。
今作も冒険ファンタジーと事件と謎解きがうまく融合していて面白いです。
今回は特殊な動物の設定にすこし頼ってますが、人が消失するなどの不可思議な状況を
ちゃんと筋道をたてて着地させる手腕はなかなかのもの。
アーウィンという恋のライバルも出てきて微妙な三角関係になったり、後半にそのへんの見せ場もあったりと事件以外の部分も読みどころあり。
リッパーの中では富士ミスを語るときに外せないシリーズになりました。
『ミステリアス学園』 鯨統一郎 (光文社カッパノベルス)
登場人物はミステリ研究会のメンバー。主人公はミステリのことをまったく知らないど素人。
これを読めばミステリのすべてがわかる!? 学園ミステリ。
登場人物のミステリ談義(講義)はそれなりに楽しめるのですが、ミステリ部分がちっとも面白くない。
オチもかなりひどいです。
霧舎学園に近いんじゃないかとの噂がありましたが、清涼院氏の作品の方が近いと思います。
******としては『ジョーカー』の方が数段上。
巻末にあるミステリ作家マップは一見の価値あり。鯨氏が読者として評価した?作家像が伺えて興味深いです。
あと、159ページ「リザベル」はたぶん「リベザル」の間違い(薬屋シリーズネタならば)
『夢現世界の熱い予感 Mr.サイレント3』 早見裕司 (富士見ミステリー文庫)
晋一郎と真理香は夏の沖縄へ向かう。旅行、リゾート、海、そして事件。
これは一応トラベルミステリの範疇にはいるのかな? 沖縄ネタも数多くしこんでいますし、
キジムナー(妖怪)騒ぎをミステリネタに使ったりもしています。
実はリッパーは沖縄の人だったりするので(今は東京に住んでます)沖縄ネタだけでも結構楽しめたりします。
地方の者にとっては地元のネタを読んだりするのって楽しいんですよね。
さて、肝心のミステリ部分やシリーズ展開に関しては……うーん、リッパーの好みではないなあ。
第1話で語られる価値観はどうでもいい気がしますし、第2話は痛々しいのとラストで明かされる真相のえぐさに萎え。
第3話のラブコメ部分と事件はまあまあで、これがなければ投げてました