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クロスレビュー企画 「もえたん 萌える探偵小説」
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秋山真琴@雲上回廊
富士見ミステリー文庫から刊行されているシリーズで、気に入っているものを五つ挙げてくれと言われたら、自分は間違いなくこの「ショットガン刑事シリーズ」を二つ目か三つ目に推すだろう。
現在において秋口ぎぐるの、悪役然とした人物を主人公として配置し、それを取りまく組織がグルグルと三竦み状態を織りなす……といったスタイルは確立されてしまっている。
しかし、本書の段階においてそれはまだ未完成でそれ故に、産まれたばかりの雛が持っているような力強さを有している。 | |
| 7 |
キセン@ノイズ(アンプラグド) 現実と遊離している、っつーかそういう次元じゃない気もするけど、とにかくとんでもない設定の上で行われるハードボイルドのパロディ。 それに被される、作者お得意の争奪戦プロット。それが有機的に結びついた結果、できたのはただ面白い小説でした、とそういうこと。 さくっと読み流すべき純粋エンタテインメント。一応、推理も謎もそれなりにできていると個人的には思うけど。 | |
| 4 |
NAO@魔法飛行 なんとも「馬鹿馬鹿しい」小説である。この「馬鹿馬鹿しい」という形容語は肯定的な意味も否定的な意味もこめていない。 そういう価値観を除いた「馬鹿馬鹿しい」という形容が『リボルバー娘。』には似合うように思う。 ストーリー・演出面などなど作品に詰め込まれた様々な要素を、私はあまり評価できないけれど 作品全体としては……というか富士見ミステリー文庫としては、悪くないのかな、とも思う。 読み終えた直後の感想は「駄目駄目じゃん」だったのですが。振り返ってみるそこまで「駄目駄目」ではなかったのかも。 | |
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菊地@SNOW ILLUSION 単純に読んでいて面白くなかった。 学校内に警察組織があるという唐突な設定にフォローが無いのは我慢するとしても、モデルガンを使って死ぬ死なない・口封じとか言われても茶番劇にしか思えない。 ミステリとしても、境界条件や限定条件が酷く曖昧過ぎる。物証等のはっきりとした証拠が提示されず、状況が曖昧で条件付けも半端なので複数の推論が同時に成立してしまい、 論理の突き詰めが不可能になってしまっている。結局は「刑事の勘」レベルの直感的な推理にしかなっていない。 探偵小説や推理小説というよりは、テレビの刑事ドラマに近い話の流れ。ノリや勢いは良い意味でも悪い意味でも馬鹿小説。 そもそも、主人公からして自分勝手に暴走してるようにしか見えず、最後まで愛着が湧かなかったのが辛い。他のキャラにしても萌えるのはイラストだけという感じ。 推理ものとして不出来なのに、キャラ小説として魅力に欠けるのは致命的だった。 | |
| 7 |
トラック@コズミックサーフィン
本書の読むべきポイントはなんといっても「まるだし刑事」ですよ。
ショットガン刑事やヒトミやイミコなどの主要人物を差し置いて「まるだし刑事」を自分は最大評価します。
「こち亀」でも似たようなキャラは出てきてるぞ! という批判は受け付けません。
だって、全裸にネクタイの格好で茂みにわざわざ待ち伏せて出てくるというなかなか思わせぶりな登場をするのに、
ショットガン刑事に「刑事部長が呼んでるぜ」といった用件を伝えるだけの役割しか与えられていないんですよ?
彼のインパクトがあまりに強く、本書の内容は正直、あまり覚えていません(えー)。
挿絵でのイミコは結構かわいく描かれていて、ひとつひとつのシーンで彼女がはしゃいでいる姿を思い浮かべて楽しむことができました。
挿絵には8点です。 | |
| 6 |
リッパー@鍵の壊れた部屋で見る夢
「ショットガン刑事(でか)」という大層なネーミングにさぞかし暑苦しい作品なんじゃないかと想像していたら、
表紙を見れば意外にも萌え系の絵柄ではないですか。
主人公のイラストなぞ別に見たくもないが、ふりひら衣装で萌えーなイミコたんが拳銃かかえて微笑んでますよ。
萌え少女と銃ですよ。がんすりんがーがーるですよ?(違) イミコたんのキャラだけで7点、いや8点だよっ! 嘘。 | |
| 平均 5.0 点 | ||
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| 6 |
秋山真琴@雲上回廊
この作品はミステリである。 | |
| 6 |
キセン@ノイズ(アンプラグド)
超自然現象を前提として謎を解体する方法論といい、手つきといい、題材は違えど「タイム・リープ」を想起させる。
それで結果として「タイム・リープ」を超えられたかというと、できなかったかと。
同作品に比べると、解体の手順に不自然で恣意的な部分が見られると感じる。 | |
| 7 |
NAO@魔法飛行 面白かった、というのが素直な感想。淡々とした文章で進む物語は、全体的に派手さはない。 それに読み始めは文章が自分に合わないような感覚に包まれた。 けれども、その平淡な文は確かにそれぞれのキャラの心情を書ききっている。 上手く表現できないけど、既読感と新鮮さが矛盾なく混在しているような感じがした。 あとはこの作者が化けるかどうか……少なくとも今後は注目していきたい | |
| 8 |
菊地@SNOW ILLUSION 幽霊の証言から始まる「ラノベらしい」ミステリ。 幽霊が出てくるが、謎解き自体は実に論理的に行われている。 不出来なミステリにありがちな論理の飛躍も無く、きちんとした手順を踏んで進められるストーリーは最後まで破綻無く丁寧に描かれている。 「超自然的な現象」に対して重箱の隅をつつくようなことをしなければ、全体的に良質のミステリとして評価できる。 ミステリ以外の部分は、典型的なボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー。 幽霊との別れを絡めた切なさ、というのはライトノベルの幽霊物ではよくある展開だが、それでも魅力は失われていない。 萌え小説的なあざとさが無い分「記号としての萌え」では弱いが、それが自然な雰囲気の良さに繋がっており個人的には好印象。 イラストも雰囲気作りに大きく貢献している。 青春物としてもミステリとしても充分に高いレベル。 分量的にも読み易く、ミステリ初心者にもオススメ出来る作品。 | |
| 8 |
近田鳶迩@ざ・ねば〜・えんでぃんぐ・みすてり〜 「Boy Meets Ghost Girl」 理屈やの少年と心優しき幽霊少女。二人が出逢ったとき、物語の扉は開かれる―― エンターブレイン社が主催する「えんため賞」第2回受賞者が送る、将に帯に書かれている通りの「せつない青春ラブ・ミステリー」です。 ラブだって。ウププ。 いやしかし、幽霊の正体を論理的に見極めようとするアプローチ、終盤明らかになる驚くべき構図など、 ミステリ的にも見るべきところの多い秀作でしたが、それ以上に青春小説としての良さに目がいきました。主人公の心境の変化がそのまんま読者にトレースされ、 いやがおうにも感受性を揺さぶられる。その心地好さといったらもう! せつなさだけでは読んでいられない、せつなさだけでは読む理由もない、そんな人にお薦めの一冊です。 | |
| 9 |
トラック@コズミックサーフィン
ひとりのキャラに浮つくことのない、しっかりとした筆致で物語られていて、安心しながら読むことができました。
各々のキャラの設定がバランス良くされていて、読みごたえも兼ね揃えてあります。 | |
| 8 |
リッパー@鍵の壊れた部屋で見る夢
なによりも素晴らしいのは主人公の真也くん、彼のキャラクタにつきる。
単に超常現象に懐疑的なのではなく、自ら考察し検証することで信じるもの見えるものを定義するという態度。
幽霊少女へ向ける優しさ。焦りからもたらされる必死さ。無力な自分への叱咤。どれをとっても好ましい。
わたしゃ妹とか幽霊少女よりも真也くんに萌えだあーな。 | |
| 9 |
田中@ジェット機・リー ボーイ・ミーツ・ガールものならぬボーイ・ミーツ・幽霊ものだったりする本作品。 オーソドックスな展開と丁寧な描写で安心して読めました。 少年の心が幽霊のユウちゃんに近づくにつれ、彼女の存在が薄れていくあたり、なんとも切なくてよいです。 結末もなんとなく想像できてしまうのですが、それでもホロリとさせられます。 少し気になったのは、最後の章あたりで説明するための記述が多すぎて、物語のテンポが悪くなっているところ。 そない説明せんでもええがなっ、てツッコミ入れながら読んでました。 そこらへんは作者さんの本業がエンジニアということで、妙に納得する部分があったりなかったりです。 いやまあそれでも、要するに、全てうまくいったってことさ。 …ユウちゃん可愛いし。良作ですねハイ。 | |
| 平均 7.6 点 | ||
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