クロスレビュー企画  「もえたん 萌える探偵小説」

 第3回お題その1
   『氷菓』 米澤穂信 (角川スニーカー文庫)

 「やらなくていいことはやらない」という省エネな過ごし方を好む折木奉太郎は、何よりも怖い姉の命令によって古典部に入部することになった。 好奇心旺盛なお嬢様・千反田えるとの出会い。日々の中のちょっとした謎と解決。 30数年前に発行された「氷菓」という文集の真相とは一体…?

  7   近田鳶迩@ざ・ねば〜・えんでぃんぐ・みすてり〜

 「日常の謎」の系譜に位置する優れた学園ミステリ。第五回角川学園小説大賞の奨励賞を受賞した、米澤穂信のデビュー作です。 33年前に古典部が発行した文集の、「氷菓」というタイトルに込められた意味を探るというちょっと珍しいタイプ。 登場人物たちの造詣は(同じスニーカー文庫の作品に比べて)かなり地味だし、 物語的にも派手な盛り上げはなく実に淡々と進行するわけですが、本書はそこがまた大きな魅力になっていますね。 やけに熱血だったり、ドロドロした愛憎がそこいら中で渦巻いていたり、そういった向きが苦手な人には一服の清涼剤に持ってこいではないかと思われます。 終盤やや重くなりますがそれでも全体的な印象はこざっぱりしていて、良くも悪くも後味ひかないスープスパみたいな作品。

  10  秋山真琴@雲上回廊

 推理力に長け、頭が切れる探偵と言うのは世に多いが、それを一人称で描き、しかも知性が文体に滲み出るというのは稀だろう。 さらにその中から、秋山が好む、短編連作という形式を取り、その上、持ち運びやすい薄い本となると、この世に何冊あるだろうか。
ミステリをベースに、ライトノベル的手法を取り入れている点も興味深い。 その逆を行っている本は数多いのだが、本書のようなスタイルを取っている小説は珍しい。
ここまで珍しい要素が重なると、本書をして貴重な一冊と言っていいだろう。ハイスタンダードな作家であるだけに、次回作が楽しみだ。

   NITRO@ジェット機・リー

 「古典部に入りなさい」

 高校生ながらすでに「省エネ」という自分のスタイルを確立してしまっているホータロー君が千反田えるという人間に出会うことによって、 少しずつ彼女のペースに引きずられていきながら、文集「氷菓」に隠された三十三年前の真実を手繰り寄せていく様子。 それが最も「省エネ」な方法だと彼は結論付けてるのだけれど、そんなことはなく、千反田えるという女性に魅かれている自分を正当化してる、 そんな彼の青臭い部分が垣間見れて、おじさんは安心しました。 地味な印象であまり魅力的でない主人公ということで全くライトノベルっぽくはないのだけれど、普通に推理小説としてよくできた作品だと思います。 200ページちょっとに綺麗にまとめられていて、とてもデビュー作だとは思えません。 というか米沢穂信さんはまだ20代なんですね。文章からはいくぶん老けた印象だったので、驚きました。
バッタバッタ人が殺されていくことがない推理小説は個人的に好きなので、その点でも評価を上げました。・・・ダジャレじゃないのであしからず。

   キセン@D4D

 読み始めは小粒な日常の謎ということで個人的には好きなものの、これを延々と続けるのかなあ、と思っていた。 ところがそうではない。 動機、それから少しずつ進展していく小さな頼みごと。 そしてすべてのピースが嵌って、見える真相とその裏の哀しみ。伏線の回収の見事さにミステリの面白さの源泉の結晶を見る。
「愚者〜」よりこちらのほうが、あくまで個人的にだが、好きだ、清廉な爽やかさがあって。 そういったものが「愚者〜」にないわけではないのだが、人間描写の、何というか――「青春」系のテツガクな属性付けというか、 そういった痛さの描き方がより深化している感じなのがどうも苦手だったりする。

   NAO@エッグ・スタンド

 私は発売前からこの作品を――というより、第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門の受賞作を気にしていた。 というのも、私自身、この新人賞に稚拙な小説を応募していたからである。結果、跡形もなく一次選考で粉砕。 ショックはなかったが、この新人賞(のヤングミステリー&ホラー部門)の受賞作はいったいどんな作品なのだろうか?と期待と興味を持っていたのである。 その奨励賞に選ばれた2作品のうち1作がこの『氷菓』だ。
……地味だけど、完成度の高い、本格ミステリであった。少なくとも私は米澤穂信さんの方に「幾種もの輝きを秘めた原石の魅力」(綾辻行人)を感じた。 さて他の方々はこの『氷菓』をどう評価するのだろうか? 「わたし、気になります」

   元@コンバンハチキンカレーヨ再

 姉の命令によって入部したというのであれば、あと少しでも姉の存在を表にプッシュすべきだと感じる。 あくまでもシリーズとして、裏のキャラクタでしかない存在として続けるのであれば、これは難しくなるだろう。 米澤作品は単体として評価するのは難しいと感じるが、決して僕はこのシリーズを手放すことはないだろう。 ただ単純に作者の技量が上がり、面白くなると予想する。 しかし、姉の存在を有耶無耶にすれば、僕は読者として見切るだろう。 ある意味で、その技術を見たいがために読んでいくのかもしれない。

   トラック@コズミックサーフィン

 何者かに解かれるべくして謎は存在する、そしてその謎は連鎖的に謎を産み出し、 やがてその謎の連鎖は大きな、と云って見知らぬ誰かにとってはあまりに些細な謎にも成り得る―― 自分はそんな風に謎というものを考察しながら読みました。
 決して密接には繋がっていないけれど、誰かが、謎が包み込んでいる真相を必要としたのならば、 その謎は解かれるものとして現れ、誰かに解かれたあとは、ひっそりと日常へ埋没しながらも新たな謎のなかに含まれる。 千反田や奉太郎がそうやって謎を追いかける様を読むのが楽しくて、そして知りたがっていた真相には静かに納得して。 いや、ひとつひとつの謎に派手さはないのですが、と云って地味でもない。ひとつでも欠落していては真相は決して判らないという構成に、作品の善さを感じました。
 そうそう、主人公である奉太郎の語り口が、西尾維新「戯言シリーズ」の主人公であるいーちゃんのように鬱屈だったり屈折だったりしますが、 あそこまで己に自覚的でなくて安心したことを付記しておきます。

   リッパー@鍵の壊れた部屋で見る夢

 日常に潜むちょっとした謎とその解決、物語の中核を為す文集の謎解きなと、ミステリとしての面白さはきちんと備えているし、 青春ものの爽やかさとほろ苦さまでもが、さして長くない物語の中にうまくまとめられていると思います。良作。
 初めて読んだとき、富士見ミステリー文庫の愛読者としてこう思わずにはいられなかった。 「なぜ、第1回富士見ヤングミステリー大賞<大賞>受賞者が、米澤穂信じゃなくて深見真なんだ」と(笑)  募集時期のわずかな違いか、新人賞としての歴史の差か、はたまた神の気まぐれか。 もし米澤穂信が富士見に来てたら、奉太郎を主人公とする古典部シリーズは3作目以降もとうに出ていだだろうし、 イラストもふんだんに使われた作品になってもう少し売れたかもしれないし、 ライトノベルで著作を重ねることになって結果的に一般向けの叢書への登場が遅くなったかもしれない。 そして『さよなら妖精』は今のものとは形を変えて出版されたかもしれない。富士ミスがLOVEに走ることもなかったかもしれない。etc。ifの嵐。 …というタワゴトはともかくとして、米澤穂信くんの登場には、ライトノベル・ミステリになかなか見所のありそうな若い子が出てきたぞーと単純に嬉しかったのでありました。

平均 7.6


 第3回お題その2
   『愚者のエンドロール』 米澤穂信 (角川スニーカー文庫)

 古典部の4人はとある素人映画を見せられた。 それは学園祭に向けて有志で撮影していたものだったのだが、なんでも脚本を担当していた女子生徒がプレッシャーのあまり倒れてしまい、まだ未完成なのだという。 ”そのミステリ映画を見て真相を推理してほしい”という依頼に戸惑う古典部の面々。 しかし、映画を見た千反田えるの瞳が輝き出す。
スタッフたちが提示する推理。仮説の構築と破壊。そして、奉太郎の導き出す答えは。

   近田鳶迩@ざ・ねば〜・えんでぃんぐ・みすてり〜

 『氷菓』に続く古典部シリーズ第2弾。まず未完成ミステリ映画のトリックを推理する、という切り口が面白い。 既出作品の本歌取りではあるけれど、題材を学園ミステリという枠内で料理することによってまた違った読後感を産むことに成功しています。 省エネ主人公の内面を掘り下げることで物語に前作以上の起伏を感じさせているところも好評価。 ただ、それによって前作にあった茫洋とした魅力が損なわれていることも事実で、プラスマイナスはイーブンになるような気が。 最終的な落としどころは、ミステリ好きなら間違いなく「ニヤリ」とできるネタ。 借り物の素材が多い中でキラリと光ったオリジナリティは、東京創元社に見出されて『さよなら妖精』へと続いていくことになります。 あと、イラストは前作の方よりも本作の高野音彦さんのが好き。

   菊地@SNOW ILLUSION

 「氷菓」を未読のまま読みましたが、単品だけでも充分に楽しめた。
映画の解決編を推理するという切り口が面白い。 人の死なないミステリでこれだけ魅力的な謎を提供出来る事を高く評価したい。 展開もテンポがいいし、推理の当否を物理的・心理的に検討していくのも面白い。 真相の提示から解決編まで丁寧にまとめられており、「ミステリを読んだ」という満足感があった。
登場人物もしっかりとキャラが立っている。 こういった魅力ある登場人物によって物語が描かれるので好感が持てる。 それに私的に千反田嬢のような稚気のある敬語キャラは大好き。キャラ萌え万歳。
ただ難を言えば脚本が完成しない段階で映画を撮ってることに首を捻る。 「解決編」は演出・演技・カメラワークなど全てに関わってくるので、そんな重要なもの無しで撮影を開始するものだろうか? いや、完成を待ってる時間が無かったと言われればそれまでですが。

   NITRO@ジェット機・リー

 「折木さん、わたしとても気になります」
 学園祭向けの自主制作映画(ミステリ)の「解決編」探しをする本作、 「氷菓」がとても面白かったので安心して読むことができたのですが、期待を裏切らない作品でした。 イラストレータが替わったということもあるかもしれませんけど、こちらのほうがよりライトノベルっぽい印象を受けました。
 十戒や二十則を普通に持ち出してくるあたりはミステリ色も強まったと言えるかもしれません。 もっとも「怪人なんだから壁抜けぐらい出来ないと。じゃなかったら、そうだ、きっと怨霊ネタなのよ。うん、そっちのほうがありそうね。オカルティックなのも悪くないわ」 なんて台詞に共感してしまった辺り、如何なものかと思ってしまいました。 「毒入りチョコレート事件」なんて知らないし。・・・「グリコ森永事件」のことかと勘違いしましたよ。 とはいえそんなこと知らない僕でも、古典部の面々とともに推理しつつ十分に楽しく読めました。 青春ミステリという名に恥じない作品かな。
ホータロー君はミステリにあまり詳しくないというわりに、「ネタを割る」なんて言葉知ってるんですね。ちょっと吃驚しました。

   キセン@D4D

 「氷菓」に比べると、よりミステリ的に進化すると同時に、「ミステリ」というジャンルへの言及が増えている。 しかし――このシリーズが持つ空気に「ミステリ」という題材は不似合いに思えて仕方がないのだ。 いや、もちろん、作者はこの題材と空気をうまく溶け合わせるように最大限の努力をしている。 そしてそれも成功しているのだ。 しかしその過程においてミステリのことが取り上げられるたびに、どこか違和感を覚えて仕方がなかった。 それと「氷菓」のところに書いたところも含めて、どうにも。
付け加えるようで何だが、ミステリとしては間違いなく一級品。

   NAO@エッグ・スタンド

ぼ・く♪:米澤穂信の第2作、『愚者のエンドロール』はどうだった?
名無し:面白かったですよ、とても。
ぼ・く♪:うん、僕もそう思う。
名無し:最後の方で、国内の某作家の某短編が正解、と思わせておいて……
ぼ・く♪:そこからさらに発展がある。
名無し:そう。それに伏線の張り方も巧みだと思います。
ぼ・く♪:ふむ。
名無し:抽象的な意見ですけど、やっぱり雰囲気が凄くいい。
ぼ・く♪:上手にまとまっているしね。
名無し:はい。お薦めですね。
ぼ・く♪:『寿司』事件も気になるし、このシリーズの続きがはやく読みたいね。

   元@コンバンハチキンカレーヨ再

 米澤作品への物足りなさとして、趣向の問題もあるがエロさだと考える。 青春小説にして青春小説らしからぬ、その理由は『特に何も起きない』ことだろう。 作者本人は、後書からも『これはミステリ』と書いているように『青春小説です』とは書いていない。 学校物だから青春していなければいけない、とは思わないが、そこからくるエロさを少しは入れないと一般受けには遠いだろう。 それが米澤作品のマイナーさ、物足りなさだと、僕は感じる。トリックは小粒だが、それを纏めている全体像は上手い。

   トラック@コズミックサーフィン

 最初に読んだ時はこれといって感銘を受けず、うーん、面白かった……のか? と思ってしまったのですが、 構成や結末を頭に叩き込んでから再読してみると、驚きの連続でした。 ああ、こんなところから既に伏線は始まり、そして一つの結論、もしくは関係の元へ収斂していくのか、と。 己を偽ることなく周りをじっくりと絡め取った手腕には拍手ものです。 そして、副題があんな風に生きてくるとは……脱帽です。
表紙のイラストは、素朴な雰囲気が漂っている『氷菓』の方が好みなのですが、こちらの千反田もかわいくて善いです。 この顔で「とても気になります」なんて云われた日には、もう……絵と文章が絶妙にマッチしていると云う点では本書を評価します。 続編があるようでしたら、非常に楽しみです。

   リッパー@鍵の壊れた部屋で見る夢

 イラストレーターの変更や続編という形でのキャラクタの深まり方もあって、ライトノベルらしさが補強される一方、 過去のミステリ作品の手法やコードを取り入れ、さらに一捻り加えることで本格好きが読んでも満足できうるレベルのミステリを成し得てます。よくできました。 問題がいまいち曖昧でどう考えていいかわかりにくいことや、捨てネタとして提示される推理が結構しょうもないという弱点もありはするものの、 ホームズネタや作品内に多数散りばめられたミステリへの自己言及、推理合戦的な展開、終盤のロジックにはあっと驚かされ、そしてミステリ好きがニヤリとしてしまうであろうある趣向。 ライトノベルの枠の中で、これほどまでに本格ミステリらしい作品が現れてくれるなんて。しかも既存のミステリ作家ではなく、 新人作家がこれを書いただなんて…。そりゃあもう、諸手を挙げて絶賛せざるをえないでしょう。ブラーボ! 他の(ミステリプロパーの書き手による)ライトノベル・ミステリと比較しても、『愚者のエンドロール』の面白さは抜きんでていると思います。 この作品によって、わたしにとっての米澤穂信は”ライトノベル・ミステリの担い手”から”ずっと応援していきたい作家”にあいなりました。 素敵な作家さんに育ってほしいですのう。

平均 7.8


 第3回お題その3
   『マルタ・サギーは探偵ですか?』 野梨原花南 (富士見ミステリー文庫)

 突然コンピューターゲームのような世界に飛ばされてしまった鷺井丸太は、自らに与えられた特殊な能力で探偵稼業をはじめることに。 名探偵マルタ・サギーは、推理をまったくすることなく、事件を強制的に解決してしまう能力の持ち主であった!?

   菊地@SNOW ILLUSION

 推理しない『名探偵』小説。

 全体の展開は大きく二つのパートに分けられるのだが、それをするには明らかにボリューム不足。 登場する人物の掘り下げが甘くて、キャラを掴みきる前に状況が大きく動いてしまう。 主人公の内面も「無気力→飄々→熱血」と印象的なエピソードも無しに豹変しすぎで、性格を掴み切れず辛い。キャラ小説としては致命的。 しかも「ミステリ」として見ても、複線の提示とその回収も上手いとは言えず。 「カード戦争」と言う「世界」にまつわる重要な要素も尻切れトンボ。 これより以前に短編が数本出てるらしいのですが、その短編があることを前提に「鷺井丸太がマルタ・サギーになるまで」を描こうとしてるように感じる。 長編小説単品としてみると、あまりに半端すぎる出来と言わざるを得ない。 短編を先に読んでいると評価が変わるのかもしれないが、この本を読む限りでは更に短編を読みたい気分には成らなかった。

   NITRO@ジェット機・リー

 まあ探偵ではないですよお前なんか。
主人公がファンタジーな異世界に迷い込んでしまったという設定なんかは「ダブ(エ)ストン街道」を彷彿させるようで、とても先の展開を楽しみにさせられたのですが。 させられたのですが、読み終わった後に残るこの何ともいえない腹立たしさが全てを物語っていると思います。どうも中途半端。 続編が書かれるみたいなのですが、そのせいでほうったらかしにされてる事柄が多くて。続編が出たとしても、とても読む気にはなれない。 ところどころ心に残る台詞や文章はあったので、余計に残念です。
マルタ・サギーに「強制的に事件を終結する」力があるというよりも、 作者が「強制的に物語を終結させている」としか思えなかったのですが、気のせいでしょうか?

   キセン@D4D

 読み始めは文章やキャラクタや固有名詞のセンスにあまりにもあまりな素人臭さ(もっと自分のなかで納得できる表現があるが伏せておく)を感じを受け 困惑すると同時に、これ本当に大丈夫なのかと訝ったものだが、いざ異世界に入るとだいぶましになったので安堵した。とはいえ特に面白くなるわけではないのでは困った。 合わない、とも言えるけど。 ミステリ部分もそれなりに、まあとしか言いようがない。

   NAO@エッグ・スタンド

 20ページぐらい読んで、「ああ、これは私が求めているような小説じゃないな」と思ったのだけど、その通りであった。 さらに、文体が個人的に好みじゃない、というのもあって、この点数である。 既に短編が何本か雑誌に掲載されている、ということだけど、そっちはちゃんとしたミステリなのだろうか……気になる。
まあ、言うならば、マルタ・サギーは探偵ではない、ということです。

   リッパー@鍵の壊れた部屋で見る夢

 「強制的に事件を解決させる力をもつ名探偵」という売り文句の響きに、 ライトノベル・ミステリ界に「黒い仏」降臨キタ━━(゚∀゚)━━と色めきたったのも束の間……期待したものとは全然違ったものでした。残念。
ノリ重視の文体がいまいち口に合わずにかえって乗れないのと、前半の異世界突入話がちっとも面白くないのがなんとも困りもの。 パラレル英国的な舞台に移行する後半部分は、麗しの女王様、悪の秘密結社、闇に潜む切り裂き魔、大怪盗、そして名探偵、といった興味を惹く要素が多数あって、それなりに楽しめる。 世界設定・キャラクタ・文体・イラストともに女の子向けな作品なのかもしれないですね。マルタかわいい!とか言う子がいてもおかしかーない。 カードゲームな世界でのミステリという趣向は目新しいと思うので、 この世界ならではの探偵小説的な活劇および超強引な事件解決のすったもんだを続編や短編に期待したいところ。

平均 3.2


「もえたん」トップにもどる