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クロスレビュー企画 「もえたん 萌える探偵小説」
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近田鳶迩@ざ・ねば〜・えんでぃんぐ・みすてり〜
第八回スニーカー大賞の大賞受賞者である谷川流が、受賞作『涼宮ハルヒの憂鬱』(角川スニーカー文庫)と同時に刊行した『学校を出よう!』(電撃文庫)シリーズの第二作。
時間物というのはその設定だけでも腹八分くらいには楽しめる作品が多く、
そういう意味で「三日後の世界の自分と三日前の世界の自分、そして現在の自分が同一時間上に存在する」という本書は、それだけで一定のレベルを保証されたようなものです。
そこから先の展開もなかなか捻りが効いているし、最終的に明らかとなる真相は、過去の名作時間物と比較してもそれほど遜色はありません。寧ろ素晴らしい。 | |
| 6 |
秋山真琴@雲上回廊
二重の意味で驚いた。本書が刊行された当時、秋山の中で谷川流の優先順位はけして高くなかった。
それまでに刊行されていたこのシリーズの一作目も涼宮ハルヒシリーズも、それほど面白いと感じなかったからだ。
本書も半ば惰性で手に取って読み始めた……それがこんなしっぺ返しを食らうことになるとは。 | |
| 7 |
キセン@D4D メインの謎自体は魅力的だが、解決シーンがどうにも衝撃的でない。というか、意外性が無いのか。 そのうえに何かエキセントリックなキャラクタが出てくるから、真相がキャラクタに負けてしまっている。 そーなるとあとは中途だが、これはなかなかよかった。 現実にありえない状況のシミュレーションを主人公に課しているわけだが、淡々と描くことに成功している。楽しかった。 | |
| 5 |
NAO@エッグ・スタンド この作品を読んで感じたのは、実は私はこの作者と合わないんじゃなかろうか、というものでした。 設定はとても魅力的だし、物語の進行も的確なリズムでむしろ評価したいところです。 ……が、どうも、この文章が――というか作家の個性が、私にはしっくりこないのです。 ただ、本作は「2」だけで問題なく読めるものだし、ミステリとしても謎を解く要素が徐々に出始め、そして収斂される様子は秀逸だと思います。 | |
| 5 |
トラック@コズミックサーフィン
本書を読んで一番楽しめたのは、123ページから128ページかけてにある、神田Bとユウキによる小競り合いのシーンだけでした。
そこにあるユウキの台詞の端々から滲み出るものに感服してしまったのか、本書の核となるタイムトリップに対しあまり感銘を受けることはなかったです。
しかしそれは、ある人物に特定して読み進めたのが悪かったのかもしれません。
自分は巻頭のマンガからしてこのキャラを疑わずにはいられない! と思ってしまった人間なんですが……。
本書で最も驚いたのはこの巻頭のマンガでしたね。ここまで物語の本筋を明かしちゃうのか、と。 | |
| 6 |
元@コンバンハチキンカレーヨ再 「窓から見た景色は本物ですか?」 今の自分が瞬間的に正しいなんてことは、誰が証明してくれるだけでもなく、自分が感じ取るしかない気がする。 もし、時間移動した時に「俺は俺だ」と僕は言えるだろうか。 不思議な少女と暮らし、もう一人の自分を見て、落ち着いた生活、元々ある謎、帰りたいと思う気持ち、それらに耐えられるのかを考えただけで、少しだけ泣きたくなります。 そんな刹那さが抜群に上手い小説だと思っています。 | |
| 8 |
リッパー@鍵の壊れた部屋で見る夢 設定がまず魅力的なことと、血まみれのナイフの謎や女児誘拐事件というサスペンスを予感させる展開が結構どきどきもの。 キャラクタの扱い方や描き方・会話に関しては若干物足りなさがなくもないんだけど、 主人公・神田君の幼なじみ姉妹とのじゃれあいや、星名嬢にちょっとときめいちゃったりしてるあたりの恥ずかしい展開はなかなかよござんす。 不可思議な状況の謎は解決編で論理的に明かされ、すべてがふに落ちていく快感。 記憶喪失や時間移動の構図の複雑さはパズル的で良くできており感心いたしましたよ。良質のSFミステリであったと思います。 やっぱり、時間遡行ものって面白いなあ。それと、心に残る清らかなラストシーンがとてもとてもとおーっても、綺麗でイイ。 | |
| 平均 6.6 点 | ||
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| 8 |
近田鳶迩@ざ・ねば〜・えんでぃんぐ・みすてり〜
『ドラゴンランス戦記』をマイ・フェイバリット・ファンタジーとする僕にとって、
ファンタジーといえば富士見、富士見といえば剣と魔法という図式は曲げようのない絶対的節理であり、
「富士見ファンタジア文庫」でライトノベル路線を打ち出したときは多少裏切られたような気分になりましたが、
それでも富士見がファンタジーを捨てることはない、富士見・イズ・ファンタジー、ファンタジー・イズ・ベスト!
当時の僕が「富士見」という冠に寄せていた信頼はそれくらい大きなものだったのです。 | |
| 6 |
秋山真琴@雲上回廊 本書はファンタジィの中でミステリに挑戦し、成功した類稀な作品である。 ファンタジィとは言え、その世界観に魔法や必殺技は含まれず、どちらかと言えば我々の知らない世界の中世を舞台としているに近い。 そこで語られる事件と解決はいずれも論理的で、その筋道は明確だし、意外性もある。 富士ミスと言えばトンデモか萌え一辺倒かと思われがちだが、本書のそれは確かに文句のない出来栄えを誇っている。 | |
| 8 |
キセン@D4D 非常にこじんまりとしている(褒め言葉)。 しかし、ハンターがいてギルドがあって、という或る程度手垢のついた世界観を採用しているのだけれど、それに自覚的になろうとしている。 「お約束」の良さを認めながらも、そこに安住しようとしていない。職人芸。 ミステリとしての仕組みもとてもよく練り上げられていて、なんでこれが壊拳より下になるんだー! | |
| 7 |
NAO@エッグ・スタンド トリックは特に独創性溢れるものではないけれども、オーソドックスなもので、作品全体としても安定しているという印象。 この世界観を謎の解決部分に上手くコミットさせているのも好印象。 あまり期待していなかっただけに、楽しく読めました。 ファンタジーの世界を背景におきながらも、ちゃんとミステリをしているように感じました。悪くありません。 | |
| 7 |
リッパー@鍵の壊れた部屋で見る夢
ミステリ者になる以前、十代の若かりし頃は「ソードワールド」や「風の大陸」の愛読者だったリッパーさんとしては、
ファンタジー世界でミステリを書こうというその心意気にまず拍手を送りたいところ。
こういう作品は富士見ミステリー文庫の創刊にあたって期待していたものの1つでもありましたし、
これが新人のデビュー作ということでようやく同文庫ならではの期待の新人が現れたなあと思いました。
あいにく、いまいち売れ行きがよくなくてシリーズは3巻で止まったまま、葉山透は電撃に拾われて向こうで別シリーズ刊行中、
という現実がちょっぴり切なかったりするのですが…。
シリーズ続編鋭意希望ですよー>ミス文編集部さま。葉山透かむばーっく。 | |
| 平均 7.2 点 | ||
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