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クロスレビュー企画 「もえたん 萌える探偵小説」
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| 9 |
NAO@魔法飛行
米澤穂信の待望の新刊にして、古典部シリーズの最新作です。
本書では今までは、ホータローの一人称で書かれていたものが、
古典部の4人、つまりホータロー・福部里志・伊原麻耶花・千反田えるのそれぞれの視点からの一人称で語られていきます。
これで、ホータロー一人称のみを経験している者としては新鮮で面白い。
えるは天然だなぁとか、なるほど里志は麻耶花のことをそう考えているのか、とか。
で、やっぱり青春ミステリというだけあって、ミステリ以外の描写が本当に読んでいて楽しいのです。
舞台が文化祭ということもあって、いろいろ作者的においしい部分があったと思うのですが、
それをミステリに直接的・間接的・あるいはほとんど無関係に上手に描写しています。 | |
| 7 |
踝祐吾@Quantum Educational Device
古典部数年ぶりの最新作、ということで早速手に取った。
やはりシリーズ最新作ということもあり、見事なるかな。
以前に出てきた人もぽつぽつと顔を出しているのが何とも嬉しい。
今回は一人一人の行動が見事に同時進行し、時系列を追って読んでいく楽しさと同時に、
ドラマ「木更津キャッツアイ」で見たような「表/裏」の楽しさも同時に味わうことが出来る。
思いのすれ違いがどのような結末に至るかも楽しませていただいた。 | |
| 9 |
ゐんど@のべるのぶろぐ
もうミステリ要素なんてどうでもいいじゃん! と「もえたん」的にはどうか?な科白を大声で叫びたいくらいに、
学園祭のお祭りな空気が愉しくて愉しくて一気通読。
なんか「氷菓」や「愚者のエンドロール」で想像していたよりも、ずっとエキセントリックな校風だったので驚いた。
一般単行本として発売された本書が、今までで一番ライトノベルしていると思う。
そしてエキセントリックといえば、折木を除く古典部の三人。
各人の一人称形式だったため、随分キャラクターが掘り下げられた感じ。
摩耶花は意外とヲタクだったんだなあ(コスプレ、気になります!)
とか、データベースも複雑な思いを抱えているのだな、とか。
でも特筆すべきは、千反田えるのぶっ飛んだ中身でしょう! 凄い天然。
正直に告解します、萌えますた。
あと、こういう作品の作中作って、小説が基本だけど、同人漫画というのが逆に高校生っぽくて良いですね。
何やら新キャラも多数登場して、今後の展開が愉しみ。新「図書館の主」は何者なんでしょう?
私、とっても気になります!
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| 9 |
近田鳶迩@TNM BLOG
将に“今が旬”の作家・米澤穂信による古典部シリーズの三冊目。
今回は学園祭を舞台に、古典部が抱えた大きな問題の解決と、正体不明の怪盗「十文字」が巻き起こす盗難事件と、ふたつの軸で読ませてくれます。 | |
| 9 |
TKO@BAD_TRIP
米澤穂信の古典部シリーズ第3弾は、若者の熱い血潮が迸る「神山高校文化祭」を舞台にした見事な青春ミステリでした。
作品全体に横溢するお祭りムードは高揚感漂う実に愉快なものばかりで、読めば絶対、たまらなく愉快な気分になれます。
数ページに渡って大胆に提示される冒頭直後のしおりのコメントも、見ているだけで充分楽しくなるし、
例えば、茶道部の野点や手芸部の曼陀羅絨毯、本当に実在したビデオ映画研究会など、
過去作品で言及されていた部分を目にして妙に嬉しくなったりもしました。
あと他にも、意外な形で明らかにされた「寿司事件」の真実とかね。 | |
| 9 |
リッパー@鍵の壊れた部屋で見る夢 売れなくて一時中断してしまった古典部シリーズの続きが読めるという幸せにまず乾杯。 そして、かかる期待に見事に応えてくれた傑作であったことに拍手喝采。 滝本竜彦とか元長柾木の本は単行本でもイラスト表紙なのに、米澤穂信はそうじゃないのかあ。 米澤氏の東京創元社での仕事ぶりに、ライトノベルとして売るよりは一般向けでいった方がよさそうという編集判断なのだろうけど…。 わーん、えるえるとまやまやのイラスト見たかったよー。 コスプレとかお料理とかビジュアルで見たいシーンがいっぱい有り過ぎます。 ということで、シリーズ4冊目(短編集?)を刊行するのに合わせて「少年エース」でコミック化しましょう、そうしましょう。 5冊目の長篇を出す頃にはアニメ化ね。キャストはもう考えておきましたから。
千反田える=能登真美子
里志が難しいな…。菊池正美でもいいかも。
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秋山真琴@雲上回廊
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ムスタファ@【ムスーたん(;´Д`)ハァハァ】の帰還
個人的体験を書かせてもらうと、文化祭といえば灰色の思い出しかないのです。
教室の隅っこで一人で蹲っている人間には誰も手を差し伸べてくれなかったというか
当時はそれはそれで楽しかったからまあよしとしましょうかというか
文化祭ネタに触れると非常に切なくなってしまうので、ミステリの話をしますね。
*1 …「春期限定いちごタルト事件」収録
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| 6 |
安眠練炭@一本足の蛸
最初に読んだときは面白さのあまり「『愚者のエンドロール』を超えた!」と思ったのですが、読み返してみると謎解きの手順に見過ごせない弱点があったので、評価が少し下がりました。
奉太郎の推理は「死とコンパス」めいた超論理によるもので、飛躍と無理が目立っています。
たとえば、293ページ5〜7行目で奉太郎はこの事件の構図をほとんど思いつきだけで言い当ててしまいます。
しかし、その前に「八岐の園」の可能性を検討しておくべきだったではないでしょうか。
奉太郎の推理のほうがより自然だと思う人もいるでしょうが、事件の前提となる人間関係に類似した関係が里志パートで既に語られているからです。
でも、奉太郎は里志の独白を聞いてはいないのです。
予め読者にすべての情報を提供し、作中の探偵と推理力を競わせるというタイプのミステリでなければ、物語全体の構成や雰囲気のためにミステリ的な厳密さを多少犠牲にするのは問題ありません。
しかし、探偵役の視点で語られるミステリで、その探偵の心理が全く理解できない(なぜそんな推理ができたのか? 何がきっかけで真相に気づいたのか?)となると、どうしても違和感が残ってしまいます。
他の箇所では、微妙な心理の機微まで見事に描かれているだけに、謎解きシーンがよけい浮き上がってしまうのです。 | |
| 平均 8.3 点 | ||
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| 8 |
踝祐吾@Quantum Educational Device
デビュー作。連作短編ということもあり、油断すると一気読みしてしまう作品集である。
それぞれの解決が高校生らしいといえばそうだが……。
なぜこのタイトルか、という落ちの部分は下手するとギャグ落ちになってしまう部分を上手く青春のほろ苦さを醸し出している。
これこそ、米澤さんの本領発揮だなぁ、と思った。
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| 9 |
踝祐吾@Quantum Educational Device
三作の中では一番高い点数を付けさせていただいたのは、
解決が一回で収まらない、しかしながらそれでいて後味が決して悪くないところに僕が感激したからだ。
解決したと思ったらそれが間違いで、さらに悪い方向へ……というのは良くある話だが、この事件はそれを全く感じさせない。
本文だけでなくありとあらゆる所に伏線を張っており、油断出来ない構造になっている。
ミステリと青春小説の二つの要素を兼ね備える傑作といえるのではないか。
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