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ムカイ出版社 H14.9.15 第2号 |
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ちょっと、期間が開きましたが、その間にいろんなことがありました。 これはかなりレアな体験です。 まず、ことはH14.9.4にさかのぼります。そうです。ちょうど創刊号を作り終え(あの日は徹夜して作ったので)早朝6:00ごろ家路へと歩いていたのです。 さすがに早朝なのか、誰ともすれ違わず、「朝ってすてきだな〜」なーんてチュンチュンとさえずる小鳥たちの声に耳をかたむけ少しひんやりとした眠気をさますようなしんせんな空気を大きく吸い込みこのときを大いに満喫していた私でした。 家まであと3分。というところで、事件は起こりました。っていうよりもはや起こっていました。 角を曲がった前方で、おじいさんが路上でうつ伏せになって寝ているではありませんか。この道は裏どおりの大きくない道なので当然車も通りません。私はいろいろ考えました。「ホームレス?それにしちゃあ身なりが整ってるな〜。」「もしくは酔っ払い?・・・にしちゃー健全そうなご老人だしな〜。」などなど。 その時初めて気づいたのです。妙におどおどしたおばーちゃんがいることに。「夫婦?」とも思いましたがそんなに切羽詰った様子がないことから、かってに「違うな・・・」と決め付け、 『大丈夫ですか?』と近づきました。おじいさんを見下ろす位置まで来ると状況がつかめました。 まず、倒れているおじいさんのかけているメガネが、かたがっていました。それにもかかわらずおじいさんは、目をパチクリパチクリさせています。ずれている事に気づかないのか・・・?これはヤバイ! しかも、頭から血が出ていました。「頭部挫傷」無意味に自分の思考が私に伝えてくれました。気分はもはやERとかいう海外ドラマの一員です。 おじいさんの血は、ただ赤いのではなくドロッと赤黒くアスファルトにへばり付いている感じでした。 『おじいさん、動いちゃダメです!』と、ボディランゲジをつけながら伝え、おばーちゃんに『ケータイもってますか?』と聞くと首を振るので『私もないので、あそこに公衆電話あったと思うんで電話してきます。』と言いすばやく走りました。 そうです!こういうときの私は速いのです。 ちょっとまえにいとこの家で急に激しい頭痛に襲われた事があり、一生自分には縁がないと思っていた救急車を、わずか3秒で即決させ『呼んで、速く呼んで!』といわしめさせられたたことがあったのです。あれは今考えてもやっぱり救急車の力をかりずにはいられなかったくらい一刻を争う痛みだったと自負できます。 そういうことから、私は、おじいさんの心の内の叫び「死んじゃうよ〜、怖いよ〜」と思っているに違いない「待ってて、今助けるからねー」という気持ちでいっぱいだったのです。 私は昔から、漠然とこんな事を思っていました。事故とかで救急車呼ぶときって近くで見てた人とか、遠くから見ていた人とか、みんな通報しちゃうと何台も救急車来ちゃうよなー。みんなどうやって、自分が呼ぶ!って判断しているんだろう・・・と。 今回もそんな思いがあったので、走りながら周りのマンションの窓とかを冷静に観察しながら「かぶってないよな?」とある意味慎重に公衆電話へと急いだのでした。 携帯電話をいまだもっていない私も私ですが、近頃の世の中ときたら、公衆電話をどこに隠したんだ!って思う位、コンビニの前やら駅らへんにしかない状況で、この前までは確実にあったハズ!っていい切れる、現場から10Mのタバコ屋の角の緑のあのコがいなくなってるんです。油断もスキもありません。 内心「かっこワルッ!」って思いつつも何食わぬ顔で現場に戻る事にした私でしたが、絶好のチャンスを逃したショックは少なからずあり、あの日のいとこの勇姿(救急隊員とのハキハキしたやりとり)を、私にもというひそかな望みは無残にも打ち砕かれたのでした。 それにしてもどうしよう・・・と思った矢先、通りすがるだけだっただろうおばさんが異常事態に気付き、私はすかさず「ケータイ電話ありますか?」と聞きケータイを取り出したはいいが「ホントに・・・呼ぶの?」っぽい顔を私に向けてくるので、またもすかさず、「119番です。」と言い、救急車の急(きゅう)=9なんだよなー、なーんて考えて、おばさんを見守っていると、最初っからいたおばーちゃんが、おじさんの傷口を執拗に覗き込みながら『あら〜、中身見えてるわ〜』なんて言うじゃないですか。 確かに、赤黒かったし、粘着してたし、軽い傷ではなかったことは一目瞭然でした、・・・ケド、「な、中身が見えるだってェェェェ!!」私の本能が私を瞬時に振りむかさせました。人間の悲しいサガというやつでしょうか・・・、まー早い話が、野次馬根性丸出しってことです。 冷静に考えて、中身ってどのへん?骨の奥?脳みそ?うわーそれってスゴクない?当時の気持ちはこんなかんじだったと思います。 見たい見たい見たい見たいっ!! よく見える位置まで回りこみそうになりました。でも人間ただ大人になるわけじゃないらしい。本能のままに生きてるんだと思っていた私でしたが、どこか遠くのほうから「待て待て待て〜!!わたし!!」そう、理性が働いたのです。そんな大人な自分にちょっとビックリ! 何とか理性を取り戻し、おばさんのほうに意識を向けていると、バイクに乗った新聞か、牛乳の配達の人が現場で止まってくれました。 ビバ!男手(おとこで)!! やっぱりこういうときは、なんやかんやいっても、いるだけでも頼りになります。 しかもその人(いまどきよりちょっと普通な青年でした。)結構、場慣れしてたんです。まずすかさずバイクから降り、以下再現。 青年『救急車呼んだの?』 私『今電話してます』 起き上がろうかともがいているおじさんに向かって青年『あー、だめだめ!!動いちゃダメだよぅぅぅぅ!!そのままにしててっ!!』 おまえは救急隊員かっつの!!(私の心の声) 引き続き青年『どうしたの〜?車に轢かれたの?』 えええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!そうなの〜おじーさん?今始めて気付いたよー!もしかしてひき逃げぇぇぇぇってこと?事件だ事件だ!!(・・・考えてもない展開にあせった私の心の声) おじさん『あーーー、うーーー』違う違うと首を振り、倒れている、すぐ横に立っている電柱に、何度も手を向ける。 えっ!?(私の心の声) 青年『電柱?電柱にぶつかったのか?わかった、じっとしてろよ』 わかったって・・・あんた(青年)・・・ わかったって・・・あんた(青年)・・・ わかったってあんた(青年)!! 何勝手にわかってんの?えっ!まてまてまて!!あんたさっきスッゴイこと言ったよねえ。内心期待しちゃったじゃない、事情聴取とか・・・ ここまできて、フッ、と気付くと私ったら、やる事無くなっちゃってるじゃあないですか!・・・これこそ事件です。 いったい私は何?!天を仰いだ事を憶えています。ポッツーンでした。 このままサラッっと帰ろうかなとも思いました。後日おじいさんが元気になったとき「確か最初に助けてくれたのは若いお嬢さんです。」なんてことになって、「気がついたらもういませんでした。」的な、ほんのりかっこよさを漂わせつつ、探し出されて感謝されるっていうのもいいなーと思って。 それとはまったく逆に、後日「一番最初にいたあの女がいつの間にかいなくなっている、実はあいつが犯人じゃないのか?」ってなったら刑務所行きじゃん、それは困るな、なんて考えたりもしました。 とりあえず、みんなが帰るまで、そ知らぬ顔で佇んどこうか、と決めて、あっ、救急車の付添い人に抜擢されるかもしれない。救出4人組(私を入れて)のなかで最初の段階から説明できるし、気合入ってきたなー、といろいろ妄想していたら、一番最初にいたおばーちゃんに、 「あなたもう行っていいわよ。」ってアッサリ言われちゃいました。 しかも「これから仕事でしょ。」って。 オイ、オイ、オイ、オイ、オイ、オイ、オイ、オイ、オイ、オイ!!明らかに駅の反対方向に向かって歩いてきた私、寝癖も立派についてるっつうの!!いったい何の仕事だよ!! そうは思ったものの、ありえないくらいの微笑みを浮かべ「そうですか〜、それでは。」と、言っておじさんの横を通って、家へ向かって歩きました。 『おじさん、がんばって!』 エールを送りながら・・・。 それから小一時間後、ピーポーピーポーという音が聞こえました。・・・って、やっとかい!! あの機敏な私っていったい・・・。 今思っても、あの救急車の病院への向かう遅さに疑問あり!! まー、それはおいといて、 あのときの、おばあちゃん、おじさん、おばさん、青年、私、(推定年齢順) そで触れ合うのも多少の縁、っていうことわざもあるように、やっぱり前世でも出会ってたのかなぁ〜?意味不明に運命を感じちゃいました。松本大洋のマンガの1コマにもあったと思うけど、 『また、来世で会おう!』 って気分です。 きれいにまとめまたところで、こんなこともあるんだなーという出来事でした。 |
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