2月29日


山下一海「俳句の歴史」(朝日新聞社)
室町俳諧から戦後俳句までを急ぐことなくひとつひとつコンパンクトに紹介。あまりポピュラーではない江戸俳諧についてもじゅうぶんなスペースをとっていて勉強になる。著者は現代俳句も長い俳諧史につらなっていて俳句の本質はかわりないとの信念をお持ちのようで、そこにかえって清新な印象を受ける。

2月27日


倉橋羊村「俳句実作辞典 添削と推敲」(東京堂出版)
辞典と銘打っているが、実際は俳句入門書。ただし筆者も述べるごとく定義や形式にこだわらず、小説のように通して読めるようにしたところが工夫。しかし、レイアウトなどはもうすこし読みやすくしてほしかった。

2月26日


黒田杏子「季語の記憶」(白水社)
全身で生活の中で句作する黒田氏の言葉は経験に裏打ちされていてうそくさくない。ひとつひとつと言葉を磨いてこられたのであろうと推測する。こんな風に歳をとらねば。

2月25日


大屋達治「俳句なんでもQ&A」(NHK出版)
俳句入門書で全編Q&A方式というのはありそうであんまりないらしい。書いていることは多くは常識的なことであるが、「抱え字」などは初耳で勉強になった。

2月23日


伊藤正己・加藤一郎編「現代法学入門[第三版]」(有斐閣双書)
法学も面白いねえ。むかし三島由起夫がそういうことをいっていたのを思い出した。

2月19日


加藤元博「ロケットマン」7巻(講談社マガジンコミックス)
こちらは新展開。というか読めましたが。雰囲気的には「MONSTER」を髣髴とさせるが、アニメ化はされんだろうなあ(笑


辻桃子「俳句って、たのしい」(朝日新聞社)
俳句に関するエッセイ集。童子創刊に至る苦闘が泣かせる。子規虚子開眼についての一文にも共感。ただごとをただごととして詠み、実はそこに斬新な眼があるのだ。そう考えると爽波は虚子直系なのだなあとあらためて思う。


2月18日


「テレビ・新聞じゃわからない「テロ」「戦争」がイッキにわかる本」(アスキー)
5人の識者がジャンルごとに細かい質問に答える形式。よくよく読むと相互にあい反することを言っていたりするのが面白い。


「一冊でわかる テロリズム」(岩波書店/宮坂直史訳)
込み入ったテロリズムの概念や実態について丁寧に解きほぐしながら解説。どうもテロリズム研究もここ最近でようやく軌道に乗ってきたようである。
もっとも考えさせられたのは民主主義国のテロ対策の難しさについてだ。反体制的なテロに対して、実際のところ非民主主義的な独裁体制の方が強いともいえるのは、一種のパラドックスだろう。いかに民主主義的な価値を崩さずにそれをテロから守りぬくか、現在まで最適な方法はわかっていない。自由と安全のバランスをどう取るかという問題だろう。


加藤元浩「Q.E.D.」17巻(講談社マガジンコミックス)
今回は2話とも低調。特に前半の話は解決が読めた。後半の方は観念的というか考えすぎだろう。この手の話は小説だったらもうすこしうまく描けたかも知れない。


2月15日


首頭基澄 今村潤子 岩岡中正「汀女秀句選」(熊日新書)
歳経るごとに気持ち若々しくなっていく汀女女史に脱帽。卑近な日常を折り目細やかな筆致で掬いとっている。現在から見ると「古きよき日々」だが・・
滴りの思ひこらせしとき光る
老人年金数へる母に大西日
枯蔓を引けば離るる昼の月
冷え切つてゐて鯛焼の太テぶてと

2月14日


山下一海「子規新古」(武蔵野書院)
古風と新風を行き来する子規を深い教養に裏打ちされた文章でつづる。冷静沈着に子規の句の評価を下しているところが好感触。たんなる露悪趣味でなく、おのれのよって立つ基準がしっかりしていると見た。この本では子規俳句開眼の極みで終わっているが、子規のさらに豊かな全体像をうかがわせ、満足の一冊である。

2月11日


舞城王太郎「阿修羅ガール」(新潮社)
というわけで、ようやく完読。途中精神世界の話になってからちとだるい。3部もあっさりしすぎ。ただ文章力は抜群にあるから別に賞をとってもおかしくはなかろう。こういうファンキーなのりは稲卓に尽きると思ってしまうけど。

2月10日


「高野素十全句集 春」(永田書房)
さすがに全句集読むのは疲れる。
肩の力を抜くことと飽かずものを見ることを教えられた。
青々と男ぜんまいらしきかな
犬が来て猫かけのぼる花杏
蝶とぶや右へ左へ右へ右へ

2月8日


水原春郎編「秋櫻子俳句365日」(秋里書房)
秋櫻子の句はやはり調べがよい。いわゆる短歌的な要素を取り入れ、俳句の懐を広げた。季重なりが多いのはとまどうが。
べたべたに田も菜の花も照りみだる
蔓はなれ月にうかべり鉄線花
筒鳥を幽かにすなる木のふかさ
吊橋や百歩の宙の秋の風
綿虫のうかびて灯る司祭館
電気毛布夜半点滅の確かさよ

2月6日


藤田湘子「入門 俳句の表現」(角川選書)
久々に藤田湘子を読もうとしたら、以前読んだ本の新装版でした。せっかくなので再読。
やはり藤田湘子はズケズケした物言いで歯切れがいい。とにかくリズムにこだわっているところも共感。なまくらになってた俳句心に喝が入りました。


竹西寛子「水の断章」(淡交社)
竹西寛子は古典の理解で随分お世話になっている。これは水に関するエッセイをまとめたもの。竹西の文章はやわらかく美しい。こういう日本語達者になりたいもんだ。


2月5日


辻桃子「はじめての俳句づくり」(日本文芸社)
具沢山の入門書。もう少しプロの俳人の句を入れた方がいいと思うのだが(童子同人の句が多い)。
しかし、入門書ばかり読んでさすがに食傷気味。

2月4日


白石冬美「猫のしっぽ 101匹猫の俳句大行進」(河出書房新社)
声優白石冬美による猫の句を集めた句集。猫が好きなのだなあというのはよくわかるが、いかんせん字余りが多いのが気になる。わざとらしい「文学的表現」も鼻につく。よく考えると誰をターゲットにした本なのだか。猫好き?
からまって縺れて眠る仔猫かな
金色の猫の目がゆく五月闇

2月3日


黒田杏子「はじめての俳句づくり」(小学館)
図版豊富で目によい入門書。手書きの添削が役に立ちそう。

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